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映画「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」を見る

映画「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」を見る_d0001004_2213446.jpg 昨日(6月18日)「シネセゾン渋谷」で映画「リチャード・ニクソン暗殺を企てた男」を見た。
 監督:ニルス・ミュラー、出演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ドン・チードル、ジャック・トンプソン、マイケル・ウィンコット 他。
 地味な映画なので仕方ないんでしょうが、映画館はガラガラでした。でも映画自体は素晴らしいできばえです。先日の「ミリオンダラー・ベイビー」に続きアメリカ映画を見直させる一編です。
 1972年にニクソン大統領を飛行機ハイジャックにより暗殺しようとした事件に基づく映画です。妻に離婚され、セールスマンの仕事でも挫折し、兄からも見放された44歳の中年男の挫折を描いたどうしようもなくせつない映画で、気晴らしに映画を見ようという人は絶対見てはいけないですね。
 この作品はアメリカンドリーム信仰への強烈な批判に満ちていますね。これは今の日本社会にもそのまま当てはまる気がします。特にそのターニングポイントをケネディ暗殺の1963年からニクソン辞任の1977年として、この作品もその時代において描いています。これもうなずける視点かもしれません。このニルス・ミュラー監督は注目しなくていけませんね。
 さらに特筆すべきは主演のショーン・ペンの演技がすばらしいことです。見ているとこの中年男に同化させられてしまいます。いつのまにか小生もこの中年男になってハイジャックしてしまう気になってしまいます。おー怖い。この演技には脱帽ですね。

by daisenhougen | 2005-06-19 22:15 | 鑑賞記-映画
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