「小村雪岱とその時代」を見る

d0001004_15553981.jpg 一昨日(01月22日)「埼玉県立近代美術館」で展覧会「小村雪岱とその時代」を見た。
 わたしが雪岱さんを知ったのは、2008年にこの美術館の常設展示コーナーを使った「小村雪岱の江戸モダン」展でした。
 その時は、ひっそりと開催されていた覚えがあります。
 でも、わたしは、その展示で繊細で儚げな雪岱さんの作品にすっかり虜になりました。
 今回は企画展示で、全面的に展示室使って雪岱さんだけの展示ですから、雪岱さんの復権も本格的になってきたのかもしれませんね。

 展示は「第1章 粋でモダンな東京で-資生堂意匠部時代」、「第2章 「日本橋」-装幀家・小村雪岱」、「第3章 白と黒の美学-「雪岱調」、挿絵界に新風」、「第4章 檜舞台の立役者-名優の信頼をあつめて」といった区分となっていました。

 最初は若書きの学生時代の日本画や模写作品、そして資生堂時代のデザインといったところからスタートです。
 次は泉鏡花の本の装幀が中心の展示です。一緒に鏑木清方や橋口五葉の口絵や装幀なども展示されていました。
 そしてここからが展示の中心。雪岱といえばこれといった代表的な「おせん」の挿絵やその下絵が展示されています。
 昭和初期のモダーンな視点から、憧れの江戸情緒といった小村雪岱の世界が広がっています。
 数は少ないですが本画も幾つか展示されていました。
 最後は晩年の雪岱が活躍したフィールド、舞台装置の下書きの展示でした。こちらは、なかなかその良さは伝わってこないのが残念でした。

 小村雪岱さんはどちらかといえばマイナーな存在であり、大芸術家といったとことは対極にあるかもしれません。そういった意味で、なかなか評価されずに来たのだと思います。
 でも、全てのモノがものすごいスピードで変貌し、更にはグローバル化の軋轢にもまれる、そのまっただ中にいる現代日本人にとっては、この昭和初期の眼をとした江戸情緒というのが、心に深くしみ通るのかもしれません。
 そういった意味で、今の時代が求める、まさに今、旬なアーチストなのかもしれません。

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by daisenhougen | 2010-01-24 06:55 | 鑑賞記-展覧会
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