「浮世絵の死角 イタリア・ボローニャ秘蔵浮世絵名品展」を見る

d0001004_1041872.jpg 先日(03月13日)「板橋区立美術館」で展覧会「浮世絵の死角 イタリア・ボローニャ秘蔵浮世絵名品展」を見た。
 恥ずかしながら、こちらの美術館を訪れるのははじめてです。気になる美術展が何度も開催されているのは知ってはいたのですが、なぜか縁がありませんでした。
 今回は浮世絵の「死角」なんていう表題に惹かれて、ついに訪れました。
 でも、遠いですね。
 電車で遠いだけでなく、駅からも遠かったです(しかも道を間違ったりしましたし・・・)。
 美術館前の公園では梅が散り際になってました。もう少し早く訪れれば梅も愉しめたんですね。
 さて今回の展示です。
 開館30周年記念の特別展ということで、イタリア・ボローニャのジュリアーノ・ベルナーティ氏とカルロ・コンティーニ氏が秘蔵する浮世絵の中から、ボローニャ東洋美術研究所の協力により来日するはこびとなったとのことです。
 いわゆる個人コレクターの収集した作品ですから、かなり個性的なラインナップになってました。
 図録による展示順としては第1章 錦絵誕生、第2章 錦絵の展開、第3章 幕末の歌川派、第4章 上方絵、第5章 明治・幕末の版画、第6章 近代の版画となっています。
 一応は浮世絵の創生期から近代まで一望できるようになっています。
 でも、実際の展示を見るとわかりますが、いわゆる浮世絵の全盛期といわれる作品はほとんど並んでいません。
 そういう意味でも、この展示の特色は第3章の幕末からですね。
 歌川国芳、歌川国貞といったところの作品がこれでもかこれでもかと展示されています。 更には滅多に見かけることのない上方の浮世絵なんかも嬉しい展示でした。
 そして最もこの展示の見所となっているのは、第三会場に集結した戯絵(ざれえ)や「おもちゃ絵」といった部分でしょうね。
 広重や国芳といったビックネームからあんまり聞いたことのない浮世絵師までが、抱腹絶倒の作品が並んでいました。
 このあたりを見ると、浮世絵がとりすました芸術作品ではなく、大衆の娯楽作品であったことが良くわかります。
 まさに浮世絵の「死角」といく題名に恥じない展示でした。
 いやー本当に面白い展示に出会えました。
 これだとはるばる訪ねた甲斐があるというもんです。

 海外のコレクションでこれだけユニークな展示ができるんですから、日本に無数の収蔵されている作品を使えば、浮世絵の概念をひっくり返すような展示もあり得るのではないかと思わせる展示でした。

 今後の浮世絵展では、今回のような戯絵(ざれえ)の展示は不可欠になってくる気がします。 そしてもう一つ付け加えれば春画もでしょうか(こちらも日本では実際の作品はほとんど拝見できませんね)。
 浮世絵の展示も、もう少し広い視野から見直す時期が来ているのかもしれませんね。

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by daisenhougen | 2010-03-17 07:03 | 鑑賞記-展覧会
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