「等伯をめぐる画家たち」を見る

d0001004_13411414.jpg 先日(05月03日)「石川県七尾美術館」で展覧会「等伯をめぐる画家たち」を見た。
 長谷川等伯没後400年ということで東京と京都で大規模な回顧展が開催されていますが、ご当地七尾ではさすがに地元だけあって、等伯さん一色です。いたるとろに等伯あるいはTOUHAKUの幟やなんかがあふれてます。
 こんな大事なTOUHAKU yearに地元の「七尾美術館」としては手をこまねいているわけにはまいりませんね。
 なんてったって「平成7年の開館以降、地元出身の大家である等伯の顕彰を主要テーマとして、これまで活動を行ってき」たん美術館ですからね。
 といっても等伯作は根こそぎ国立博物館に持って行かれていますんで、どんなやり方があるんでしょう。
 そこで考え出されたのが、「等伯の制作活動において、まわりには常に多くの画家たちが存在していました。それは若い等伯を指導したとされる養父であったり、または晩年に等伯を支えた息子や弟子といった一門の画家たちなど」を取り上げることです。
 「今回は「長谷川派」の画家たちに焦点をあて、石川県内に現存する仏画や鑑賞画を中心に、一門の画家たちが京都で制作した金碧画の名品もあわせて、計22点を紹介します」とあいなったようです。 これぞ、地元でしかできない企画かもしれません。
 まずは、めでたしめでたしですね。

d0001004_1341346.jpg さて実際の展示ですが、等伯ご本人の作品としては2点ほど展示されていました。
 1点目は地元の本延寺に所蔵されている木造彫刻「日蓮聖人坐像」です。等伯さんが彩色をほどこしたということのようです。2点目は京都から持ってきた6曲1隻の墨画「波龍図屏風」です。こちらは真筆かどうかに議論がある作品のようです。
 いずれも国立博物館での等伯展では展示からハズレされた作品のようです。
 でも、まぁ2点等泊さん作と言われるのを展示できたんですから、展覧会としての面目は立ちましたね。
 次に表題の「等伯をめぐる画家たち」ですが、養祖父や等伯が七尾を去った後に七尾で等伯の跡を継いで活躍したとされる長谷川等誉の涅槃図がまとめて展示されていました。
 等伯に出生から画風確立までの謎を解明する貴重な作品達ですね。門外漢には読み解くすべはありませんが、文字情報だけで知ったいたことが実際の作品で見ることができただけでも満足でした。  更には等伯の息子、久蔵の作品「祗園会図」やもう一人の息子、左近にいたっては「十六羅漢図」、「達磨図」、「波龍図屏風」と3点も展示されていました。
 それ以外ににも長谷川派のブランド作品の一番手「柳橋水車図屏風」はやっぱり人気作だけのことはありますね。
 わたしが最も心惹かれたのは、京都市の妙蓮寺からお出ましの「桜・鉾杉図襖」です。この尖った山の描写の大胆でダイナミックさは何なんでしょう。半端じゃないですね。
 勝手な連想するならば山雪を思わせるような大胆さです。
 等泊の関与の度合いはわかりませんが、もし、等伯が関係していなかったとするならば、長谷川派の中には素晴らしい絵師がまだまだ隠れているのかもしれませんね。
 何はともあれ、予期せぬ素晴らしい作品に出会えました。この作品に出会えただけでも、この展覧会を訪れた価値は充分ありました。

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by daisenhougen | 2010-05-10 06:40 | 鑑賞記-展覧会
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