「フランダースの光 ベルギーの美しき村を描いて」を見る

d0001004_11355390.jpg 先日(10月03日)「Bunkamuraザ・ミュージアム」で展覧会「フランダースの光 ベルギーの美しき村を描いて」を見た。 
 ベルギー美術といえば先月、「東京オペラシティギャラリー」で「アントワープ王立美術館コレクション展」を拝見したばかりです。
 チョットかぶった企画なのかなぁなんて、あんまり期待せずに拝見したのですが、素晴らしい展示でした。嬉しい誤算でしたね。
 そもそもベルギー美術といえば、ブリューゲールなどのフランドル絵画はひとまず置いておけば、近代以降では象徴主義やシュルレアリスムに尽きると言った感じです。クノップフ、アンソールやデルヴォー、ルネ・マグリットといったとこですね。
 「アントワープ王立美術館展」では、そういった偏った見方を正すべく、ベルギー美術の多様性をいろいろ示してくれる展示でした。
 でも、残念ながら多様性ばかりが目について、なにか散漫な印象しか残らず、結局ベルギー美術はシュルレアリスムかなぁ、なんて思いが残った展示でした。
 でも、こちらの展示は違いました。ベルギー、フランダース地方のちいさな村、シント・マルテンス・ラーテムに住んで活動した、たかだか40年の活動にまとを絞ったおかげで、ベルギー美術の素晴らしさが際立つ展示となっていました。
 そこに展示されている画家はわたしにはほとんどはじめて接する人たちでしたが、強い印象を受けました(「アントワープ王立美術館展」で接した人もいましたが、その時はそんなに強い印象を持てませんでした・・・)。
 展示は「第1章 精神的なものを追い求めて」、「第2章 移ろいゆく光を追い求めて」、「第3章 新たな造形を追い求めて」といった区分で、それぞれ象徴主義、印象主義、表現主義のすぐれたアーチストの作品を集中的に紹介してくれています。
 まず冒頭に展覧会の最初に展示されていたアルベイン・デン・ヴァン・アベールの作品。
 4点ほど展示されていましたが、細密な風景描写に一気に引き込まれてしましました。
 ヴァレリウス・ド・サードレールの作品にも心ひかれました。8点ほど展示されていましたが、ブリューゲール風ともいえる作風はさすがに風土というものを考えさせられました。
 第2章の印象派の部分に至ると、明るい光に満ちあふれた作品に引き込まれました。
 その中ではやはりエミール・クラウスでしょう。
 11点もまとめて展示してあり、リュミニスム(光機主義)といわれる作風も含めて、すっかりとりこになりました。チラシになっている「刈草干し」を見ただけでも、フランダースの光という表題そのものですね。
 最後の表現主義の部分に至ると、表現は一変します。
 その中でもそれぞれ12点ほど展示されていたフリッツ・ヴァン・デン・ベルグとギュスターヴ・ド・スメットが印象に残りました。
 表現主義とキュビズム融合させたとのことですが、興味ひかれる作品達でした。
 40年あまりの間に起こった、この急激な変貌にしばし唖然としながらも、それぞれに強い印象が残りました。
 ほんとうに素晴らしい展示でした。
 すっかりベルギー絵画のファンになってしまいました。

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by daisenhougen | 2010-10-07 19:34 | 鑑賞記-展覧会
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