「ジャン・コクトー展」を見る

d0001004_19373490.jpg 昨日(7月20日)「日本橋 三越」で「ジャン・コクトー展」を見た。ジャン・コクトー(1889-1963)は詩人、映画監督をはじめあらゆる芸術領域で活躍した人ですが、今回はサヴァリン・ワンダーマン・コレクションから、油彩、水彩、版画、彫刻、陶芸、タピストリー、ジュエリーなどの美術作品を展示していました。
 今日の展覧会も結構混んでいた。いつもながら三越さんの会場は狭い場所に所狭しと展示してあり、しかも混んでいる。もう少し何とかしてほしいですね。でも、しょせんは人寄せ目的だからしょうがないのかなぁ。
 さて展示のほうですが、この華麗なる経歴の持ち主の美術作品をまとめて見るのははじめてでした。でも残念ながら心に響く作品には巡り会えませんでした。どの作品も的確に簡潔に表現されていて、どんな表現も軽々とマスターして作品に仕立て上げ、どの作品もコクトーの才能そのものといった作品の数々でした。しかしながらどの作品も空虚そのものといった印象しか残してくれない不思議。この印象のギャップは何なんだろう。
 展示の最後のほうに60歳で油絵を始めて、軽々と水準を超えたレベルに仕立て上げた作品が展示されていました。そこにつけたタイトルが「アングルのヴァイオリン」。画家アングルが玄人はだしのヴァイオリンの名手であったことから、「芸術家の余技」を意味する言葉のようです。コクトーは一種の諧謔からこのタイトルをつけたようですが、諧謔ではなく彼の作品全ての本質を言い表した言葉に思えました。そしてそれは美術作品だけでなく全ての彼の作品が「芸術家の余技」はないかと思ってしまいました。余技のみを製作し続けた芸術家ジャン・コクトーなんちゃって。

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by daisenhougen | 2005-07-21 08:35 | 鑑賞記-展覧会
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