人気ブログランキング | 話題のタグを見る

円満字二郎「人名用漢字の戦後史」を読む

円満字二郎「人名用漢字の戦後史」を読む_d0001004_1340883.jpg
 円満字二郎「人名用漢字の戦後史」(岩波新書)を読んだ。
 「名前の漢字はなぜ制限されているか」をテーマに戦後の漢字制限の歴史の中で、人名用漢字がいかにして生まれ、変容してきたかを説明している。
 1946年に「当用漢字表」が作られ1850字に漢字制限され、1948年にはこの漢字制限が戸籍にまで適用されるという戦後最大級の文化的あやまちから、人名漢字の制定、拡大までをコンパクトに説明している。
 まず、驚いたのは「漢字制限とは漢字を戦犯として追放すること」であり、「「民主化」の象徴として受け取られた」という部分である。まったく民主派の大学の先生たちの無能さと横暴さを象徴する点ですね。こんなアホな連中がアカデミズムを牛耳っていたから、後年学生の反乱にあい、最後は保守派に一掃されると歴史を刻むことになったんでしょうね。
 漢字制限の緩和がスタートするのが1976年というのが象徴的ですね。戦後アカデミズムの崩壊と民主派の拡散時期と見事に一致しています。
 でも、いまだに漢字制限が生き続けているのは、ひどいもんですね。原則、漢字制限は撤廃して、その上で効率を確保するためにどうするかをもっと真剣に考えないといけませんね。そのためのIT技術ではないのでしょうか。ここをもっと研究すれば漢字制限なんては無用になると思うのですがね。

by daisenhougen | 2005-08-02 13:30 | 読書-詩歌小説評論他
<< 岡井隆「馴鹿時代今か来向かふ」を読む 7月鑑賞記録 >>