「谷川俊太郎詩選集3」(集英社文庫)を読んだ。
谷川俊太郎の全詩篇から選んだ選集の最終巻。今回は1988年から最新の2005年までの次の詩集から選ばれている。 「メランコリーの川下り」(思潮社)1988.12、「魂のいちばんおいしいところ」(サンリオ)1990.12、「女に」(マガジンハウス)1991.3、「詩を贈ろうとすることは」(集英社)1991.5、「子どもの肖像」(紀伊國屋書店)1993.4、「世間知ラズ」(思潮社)1993.5、「ふじさんとおひさま」(童話社)1994.1、「モーツァルトを聴く人」(小学館)1995.1、「真っ白でいるよりも」(集英社)1995.5、「クレーの絵本」(講談社)1995.10、「やさしさは愛じゃない」(幻冬舎)1996.7、「みんな やわらかい」(大日本図書)1999.10、「クレーの天使」(講談社)2000.10、「minimal」(思潮社)2002.10、「夜のミッキーマウス」(新潮社)2003.9、「シャガールと木の葉」(集英社)2005.5、及び単行本未収録詩篇。 巻末には谷川さんの書簡インタビューと著作目録が収録されています(凄い著作の数ですね。筆1本で生活するってこういう事なんですね)。 これで谷川さんの50年以上にわたる作品を駆け足で辿ったことになります。青年期から一貫して詩作を続けて、常に第一線であり続けていることは驚異的ですね。年老いても衰えない瑞々しい感性は素晴らしいです。 最後に詩作を中断した後、再開した詩集「minimal」から短い詩を引用しておきます。谷川さんが中断したのはこの時だけでしたね。もはや復帰はないと思ってましたが、見事に戻ってきましたね。 夜明け前に 詩が 来た むさくるしい 言葉を まとって 恵むものは なにもない 恵まれるだけ 綻びから ちらっと見えた 裸身を またしても 私の繕う 襤褸(襤褸)
by daisenhougen
| 2005-10-14 08:55
| 読書-詩歌小説評論他
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