高山一彦「ジャンヌ・ダルク―歴史を生き続ける「聖女」」(岩波新書)を読んだ。
ジャンヌ・ダルク(1412-1431)を歴史の中でどのように捉えられてきたかの視点から描いたもの。著者は日本のフランス史、とりわけジャンヌ・ダルク研究の第一人者のようです。 小生のジャンヌ・ダルクに関する知識はTVで放映された時に見リュック・ベッソン監督の映画「ジャンヌ・ダルク」によるものだけです(この映画はミラ・ジョヴォヴィッチ見たさで見たのですが)。 でもこの映画のおかげでジャンヌ・ダルクが「オルレアンの乙女」とも呼ばれ、フランスの国民的英雄であり、カトリック教会からは聖女として称えられていて、百年戦争の際にオルレアン解放に貢献し、シャルル7世をランスで戴冠させ、フランスの勝利に寄与。その後、コンピエーニュの戦いで捕虜となり、宗教裁判で魔女と断罪され、火刑になったといった知識は持つことができました。 今回は、そんな縁があって本書を手に取りました。「史実と伝説」「同時代人が描くジャンヌ像」「後世の人々が描いたさまざまなジャンヌ」「処刑裁判記録に現れたジャンヌ像」「ジャンヌ列聖とジャンヌをめぐる論争」「歴史を生き続ける「聖女」」といった内容です。 まさしく実証歴史学者だけあって、さまざまな歴史資料をもちいて、慎重にジャンヌ像を描き出しています。歴史学者の面目躍如です。こういった本を読んでから映画を見たかったですね。
by daisenhougen
| 2005-10-20 09:22
| 読書-詩歌小説評論他
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