昨日(11月13日)「横浜美術館」で「李禹煥展 余白の芸術」を見た。李禹煥(リ・ウファン、1936年韓国慶尚南道生まれ)の90年代以降の最新作中心に絵画と石の配置した作品が展示してありました。野外にも大きな石を配置した作品が展示してありました。
李さんの作品もまとめて見るのは初めてでした。いろんな美術館で多少接する機会がありましたし、昨年の「琳派展」でも琳派の後継者と言った位置づけで展示されており、まとめて見たいと思っていました。やっと念願がかないました。 余白あるいは不在であること、または究極の配置といったところがテーマなんでしょうが、今回展示してある作品群は少し単調に思えました。究極の一筆書きと言った感じですね。あるいは禅問答みたいにも思えますね。以前の作品は同じテーマであっても、もう少し、作品としての変化があり、華があったように思います。今回の作品群も数点であれば、李さんも、ついにテーマの究極に近づいていると感心もするのでしょうが、これだけ、これでもかこれでもかと展示されると、ちょっと困惑してしまいます。 東洋趣味を現代アートで究極的に表現するとこんな風になってしまうんでしょうか。先ほど見た「横浜トリエンナーレ」での若きアーチストによる、ひたすら過剰な表現とは対極にありますね。 でも小生には、どちらもノーですね。やっぱり優れた表現は、粗雑で過剰なものとシンプルな一筆書きの間にあるはずです。あふれるような生命の過剰さを失ったら、作品としてはおしまいですね。偉そうなこと言ってすいません。こういった表現に惹かれてしまいそうな自分への戒めとして書いて置きます。
by daisenhougen
| 2005-11-14 08:58
| 鑑賞記-展覧会
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