矢作俊彦「悲劇週間」(文藝春秋)を読んだ。
矢作さんといえば「スズキさんの休息と遍歴」、「ららら科學の子」など以前感動して読みました。前作の「ロング・グッドバイ」もハードボイルド小説として面白かったですね。 今回の作品は詩人・堀口大學が若き日に革命真っ直中のメキシコに行っていた頃を活劇 風に描いた小説とのことです。仕立ては擬似自伝小説の形式です。564ページにわたってくりひろげられる活劇譚ですね。 堀口大學さんは遠い昔に文庫で「月下の一群」を読んだ記憶がありますが(たぶんそれだけしか読んだ記憶がありません)、父親が朝鮮併合のきっかけとなった閔妃殺害事件に深く関わった外交官だったことや、若き頃のこんな経歴などははじめて知りました。 メキシコ革命についてもほとんど知識がありませんでした。でも、さすがにそういった知識がなくても十分楽しめるエンターテイメントに仕上がっていますね。 波瀾万丈にとんだストーリーは映画化なんかの原作になりそうな作品ですね(でも、制作費が半端じゃなさそうですね)。
by daisenhougen
| 2006-02-16 15:03
| 読書-詩歌小説評論他
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