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映画「マンダレイ」見る

映画「マンダレイ」見る_d0001004_9254057.jpg 昨日(3月25日)「シャンテシネ」で映画「マンダレイ」(MANDERLAY)見た。
 2005年。デンマーク。監督:ラース・フォン・トリアー。出演:ブライス・ダラス・ハワード、イザーク・ド・バンコレ、ダニー・グローヴァー、ウィレム・デフォー、ローレン・バコール。
 ラース・フォン・トリアー監督がアメリカをテーマにした三部作の第2弾(第1弾は「ドッグヴィル」でニコール・キッドマンが主演)。
 1933年、アメリカ深南部の大農園で70年以上も前に廃止されたはずの奴隷制度が残っているのに遭遇した主人公のグレース(ブライス・ダラス・ハワード)は、父の部下のギャングを使って黒人たちを解放し、彼らに自分たちの権利と民主主義を教育を始める。さまざまな困難に直面しながら、この民主化は成功したかに見えた。しかし、最後にどんでん返しがあり、このユートピアは崩壊し、再び奴隷化を民主的に決議するといったストーリー。
 小国に民主主義のはたじるしのもと軍事介入したり、奴隷制度は廃止しても人種差別がいまだ存在したり、性的なものも含めた白人の黒人に対する微妙な感情(コンプレックス)、民主主義の欺瞞性、理想主義と啓蒙主義のインチキといったアメリカの恥部をいろいろ暴露していますね。
 更には舞台装置は極めて簡略化され(というより幼稚さを強調してますね)、ナレーションを多用し(おとぎ話を模しているようですね)、映画というより舞台的な作りです。まさしくハリウッドとは対極的な作り方ですね(アメリカに異議申し立てするのに、ハリウッド的手法は使えませんからね)。
 結局、ラース・フォン・トリアー監督はマンダレイという寓話を通してアメリカに徹底的な異議申し立てしているんですね。
 監督の心意気は素晴らしいですね。大喝采です。でも、映画作品としては成功していませんね。一気に画面に引きつける何かか欠けている気がします。そこは残念です。次回作「ワシントン」に期待しましょう。

by daisenhougen | 2006-03-26 09:22 | 鑑賞記-映画
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