島田紀夫「西洋絵画の巨匠1 モネ」(小学館)を読んだ。積ん読状態でしたが、第2回配本まで刊行されてしまいましたので、あわてて開きました。
展覧会に行くたびに、初歩的な知識不足を痛感しています。単身赴任の部屋には当然ながら美術全集などあるはずもないですし、予習することなく、ぶっつけ本番で見に行っています。ですから展覧会に展示される、その画家の一部の作品に接しても(当然一部しか展示されませんし、場合によっては一点のみの時もありますねし)、極めて表面的な理解しかできていません。 このクロード・モネ(1840-1926)についても、いろんな展覧会で接していても、単なるきれいな作品(特に睡蓮の)を書いた画家といったイメージしか持っていませんでした。そして女・子供好みの画家といったイメージがこびりついていました。 ところが、先日、宮下誠さんの「20世紀絵画」を読んで、モネについての評価と位置づけに驚いてしまいました。 更に、矢作俊彦「悲劇週間」のカバーの作品がモネの作品だったりと、ちょっとモネに興味を持った時の刊行だったので、ついつい買ってしまいました。 もちろんこの本は入門書そのものですね。簡単な評伝と図版解説でとりたてて深い内容は書いてありません。きれいな印刷で比較的大きな判型で代表作が見ることができますといった内容です。でも、小生のレベルではこれだけでも十分役にたつ内容でした。 代表作を眺めてみれば、モネが単に睡蓮だけ書いていたのではなく、当然ながら、かなりの多様性を持っていたこと、更に具象と抽象との接点にあり、もう一歩で抽象画になってしまうと言ったことは了解できました。 今後は、数点の作品を見ただけで、あんまり安易にこの画家はチョットなんて言ってはいけませんね(自戒、自戒)。 ところで、この全集のラインナップはかなり奇妙ですね。今世紀初の西洋画集シリーズとの宣伝文句ですが、ラインナップに何の脈絡もないような気がしますね。どう考えても、この12人で西洋美術の代表するとは思えません。続編・続編といった感じで充実させて、最後はちゃんとしたラインナップにしていくんでしょうかね。
by daisenhougen
| 2006-04-21 07:47
| 読書-詩歌小説評論他
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