昨日(4月22日)「東京藝術大学大学美術館」で「エルンスト・バルラハ展」を見た。 エルンスト・バルラハ(1870-1938)はドイツ表現主義の彫刻家です。今回は日本で始めてバルラハ芸術の全容の紹介だそうで、木彫12点、ブロンズ24点、素描75点、版画36点、関係資料など合わせて約180点の作品を展示とのことです。
バルラハの彫刻は初めて拝見しました。こころの奥底にズンとこたえるような作品群ですね。 物乞いを人間存在の根本を示すものとしてとらえた作品を多数作っているんですね。貧困や飢餓、戦争に痛めつけられる人をテーマとして、ついには宗教的なところまでたどりついた作品群ですね。非常に素朴な形の中に人間の不条理やかなしみがつまっています。 ナチス・ドイツが退廃芸術として弾圧したのも解ります。けっして建築の槌音のする時代にはそぐわないですね。そして現代のグローバリズムの喧騒の中では吹き飛ばされてしまいそうな作品たちですね。 でも、人間存在そのものを描こうとしたバルラハの作品は普遍的な強さを持っています。そしてたしかな存在感を示しています。素朴ではあっても一度目にするとわすれられない造形ですね。 常設展示ということで「芸大コレクション展 大正・昭和前期の美術」も一緒に駆け足で見ました。日本画、洋画、工芸、版画の各ジャンルの作品が展示してありました。 大半は一作家一品の展示ですが、長谷川潔は新収蔵ということでまとめて展示してありました。 でもやっぱり、ここでも藤田嗣治の作品「裸体」が展示されていました。こちらも予想していませんからラッキーでした。
by daisenhougen
| 2006-04-23 11:28
| 鑑賞記-展覧会
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