熊野純彦「西洋哲学史 古代から中世へ」(岩波新書)を読んだ。
著者の熊野純彦(1958-)さんは倫理学、哲学史専攻の東京大学助教授。 目次写しておきます。第1章 哲学の始原へ―タレス、アナクシマンドロス、アナクシメネス、第2章 ハルモニアへ―ピタゴラスとその学派、ヘラクレイトス、クセノファネス、 第3章 存在の思考へ―パルメニデス、エレアのゼノン、メリッソス、第4章 四大と原子論―エンペドクレス、アナクサゴラス、デモクリトス、第5章 知者と愛知者―ソフィストたち、ソクラテス、ディオゲネス、第6章 イデアと世界―プラトン、 第7章 自然のロゴス―アリストテレス、第8章 生と死の技法―ストア派の哲学者群像、第9章 古代の懐疑論―メガラ派、アカデメイア派、ピュロン主義、第10章 一者の思考へ―一フィロン、プロティノス、プロクロス、第11章 神という真理―アウグスティヌス、第12章 一、善、永遠―ボエティウス、第13章 神性への道程―偽ディオニシオス、エリウゲナ、アンセルムス、 第14章 哲学と神学と―トマス・アクィナス、第15章 神の絶対性へ―スコトゥス、オッカム、デカルト。 ふうふむ。そうそうたる哲学者達ですね。こういった古典的な哲学者について読むのは、遙か昔の学生時代以来かもしれません。自主ゼミでプラトンの国家論を輪読したのを思い出しました。でも、これらの哲学者の内、実際に読んだのは、プラトン、アリストテレス、デカルトぐらいですね(もちろん内容はとっくに蒸発してますよ)。哲学史のたぐいも、現代思想については、卒業後もブームに便乗して多少かじったことがありますが、こういった古典についての著作は久しぶりです。 著者は新たな哲学史の本を書くにあたって、「それぞれの哲学者の思考がおそらくはそこから出発した経験のかたちを、現在の私たちにも追体験可能なしかたで再構築し」、「哲学者の思考のみちすじをできるだけ論理的に跡づけること」、「個々の哲学者自身のテクストあるいは資料となるテクストを、なるべくきちんと引用しておく」を気をつけたとのことです。 小生にはちょっとハードルが高かったですね。哲学者の文章は詩を読むようには頭に入ってきませんでした。やっぱりアルコール漬けで、脳がふやけてしまってるのかもしれませんね。 でも、何とか最後まで、バテバテながら目を通しました。近世以降の続編も刊行されたら挑戦しましょう(脳のリハビリもかねて)。
by daisenhougen
| 2006-07-05 06:30
| 読書-詩歌小説評論他
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