辻惟雄「17・18世紀の美術 浮世の慰め(岩波日本美術の流れ5)」(岩波書店)を読んだ。
辻さんの本は3月に「日本美術の歴史」を読んで以来、「奇想の系譜」、「奇想の図譜」と読んできました。今度はただいま絶版中の「岩波日本美術の流れ」の中の辻惟雄さん担当分です。何せ1991年5月8日発売ですから、古本屋で買いました。 目次を写しておきます。序、Ⅰ光琳まで(17世紀)、1.過渡期の豊饒-前半(元和・寛永期)、2.風流の市民化-後半(寛文~元禄期)、Ⅱ光琳以後(18世紀)、はじめに、3.閉ざされた窓から-新しい表現手段の到来と吸収、4.奇想の画家たち-京画壇の最後の光芒、5.大江戸の浮世絵師たち-「江戸前」美術の成熟、6.建築、工芸の衣装。 このシリーズは「日本美術の流れを、世紀という等間隔の物差しで刻みながらたどっていく試み」とのことです。 目次からもわかるように、光琳まで、光琳以後といった風に、17世紀と18世紀を尾形光琳といった大画家で区分しています。 光琳は類型化と個性化といった17世紀美術の2大潮流を橋渡しし、伝統の再生に成功したと評価しています。 そして18世紀美術はさまざまな個性が開花し、最も完成された江戸時代的性格を伝えると総括しています。 「日本美術の歴史」の「江戸時代の美術」の部分は60ページですが、この本の扱う17・18世紀はそれより少し短い短い期間ですが100ページですので、少し詳しい記述ですね。江戸期の美術史の知識を少し深めることができました。江戸時代の美術に対する愛情あふれる著作ですね。でもモノクロ図版が多いのは少し残念でした。
by daisenhougen
| 2006-07-11 06:49
| 読書-詩歌小説評論他
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