「揺らぐ近代 日本画と洋画のはざまに」を見る

d0001004_9593631.jpg 昨日(12月10日)「東京国立近代美術館」で展覧会「揺らぐ近代 日本画と洋画のはざまに」を見た。
 「山種美術館」から歩いて移動しました。快晴の天気のもとで銀杏の葉が映えていました。落ち葉でいっぱいになった初冬の風景を堪能しました。
 さて、こちらの展覧会。まったくのガラガラでした。そのおかげで自由気ままに拝見することが出来ました。
 でも、内容はかなり充実していました。いわゆる日本画と洋画といったジャンル分けは、現在考えられているように絶対的なものではなく、非常に揺れ動いているのであり、現在、洋画家と分類されている人も日本画を描き、その逆もあった。更には襖絵を油絵で描いたりする試みもあった。又、それぞれの影響は極めて大きい。といったことを、絵画そのもので語ろうといった試みですね。
 展覧会の構成は次の通りです。第一章 狩野芳崖・高橋由一 日本画と洋画の始まり、第二章 明治絵画の深層 日本画と洋画の混成、第三章 日本絵画の探求 日本画と洋画の根底、第四章 日本画の中の西洋第五章 洋画の中の日本画、第六章 揺らぐ近代画家たち 日本画と洋画のはざまで。
 まず最初に狩野芳崖、高橋由一の作品がけっこうまとめて展示してありました。なかなかこれだけまとまって拝見できないので、ラッキーでしたね(ただ、「悲母観音」が展示替えで拝見できなかったのは残念です。なかなか実物にを見できませんね)。
 でも、今回、一番興味惹かれたのは、チラシにも載っている小林永濯「道真天拝山祈祷の図」に代表される、日本画と洋画の混成の作品達ですね。近代日本絵画史もディープな世界に踏み込んでいくと、いろんな発見がありそうですね。
 それ以外に、日本近代絵画の名品がかなり並んでいます。これらを楽しむだけでも価値ある展示でした。
 洋画ってなんなの、日本画ってなんなの、を突き詰めていくと、結局は、絵の具の違いにすぎないとなってくるんでしょうか。
 ただ言えることは、圧倒的な西洋文明に対峙したときに、日本画を選んだにせよ大きなあまりに大きな西洋絵画の影響を受けたであろうし、洋画を選んだ場合は、西洋絵画に対する独自性は、日本の先人たちの画業の影響から持ってくるしかなかったということですね。
 もはや確固たる洋画や日本画のジャンル分けが無効になった「今」に対するけっこう挑発的な展示でした。
 ただ、ちょっとよくばりし過ぎの展示だった気もしますね。明治年間ぐらいに絞って、展示した方が、洋画と日本画の表現のユレが浮き立った気がします。
 「図録」買いましたので、読んでから感想続けます。

 常設展示も今回のテーマとダブった感じになっています。特に展示始めが「文展開設前後」ですから、まさに日本画と洋画のジャンル分けがされたところですね。
 特集コーナーでは安井曽太郎の作品が10点ほどまとめて展示してありました。
 その他に「写真の現在3 臨界をめぐる6つの試論」として伊奈英次、小野規 、浅田暢夫、北野謙、鈴木崇、向後兼一の写真作品が展示いてありました。

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by daisenhougen | 2006-12-11 20:58 | 鑑賞記-展覧会
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