昨日(2月15日)「原美術館」で展覧会「アドリアナ・ヴァレジョン展」を見た。
アドリアナ・ヴァレジョンさんは、以前に「カルティエ現代美術財団コレクション展」ではじめて拝見して、記憶に残っていました。図録を読んだときにも書きましたが、写真では良さが解らないアーチストなので、さっそく作品を拝見に訪ねました。 アドリアナ・ヴァレジョンAdriana Varejáoさんは、1964年ブラジル生まれの女性アーチスです。ブラジル人の現代アートなんてめったに見る機会ないですね。日本でははじめて開催される個展とのことです。 まず最初のコーナーでは「ロボ オーメンの地図Ⅱ」という古世界地図から裂け目があり、血が飛び散っているといった作品が目を引きますね。その他にも同様の裂け目をテーマにした作品がいくつか展示してありました。カルティエ展で心を引かれたタイルの裂け目から内蔵がリアルに描かれた作品のヴァリエーションとも言えますね。 その他には近作と言うことでタイル張りのプールや浴室を描いた作品「サウナ/浴室」シリーズなどもありました。パンフレットにも印刷されている「ハンガリー人」や「名人」、「倒錯した人」といった作品たちです。水面のゆらぎがうまく表現されていました。綺麗な色遣いと繊細さが同居しているようです。このあたりの作品は女性的感性を感じます。 更には、東洋的な雰囲気で性交を描いた作品なども何点か展示してありました。エキゾチズムの中でエロチシズムといったところなんでしょうが、何を表現したかったのでしょう。チョット意図が解らなかったですね・・・・。 今回は1992年から2007年までの大小取り混ぜて24点ほどの作品が展示してありました。このスペースでは難しいですが、もう少し多くの作品を展示してほしかったですね。まだまだアドリアナ・ヴァレジョンさんの生存感覚に触れたといった感じにはなりませんでした。 限られた中では断言できませんが、彼女の作品で成功しているのは、平面に裂け目を付けて、その中に隠れていたグロテスクなものを鮮烈に描き出すタイプの作品ですね。
by daisenhougen
| 2007-02-16 07:50
| 鑑賞記-展覧会
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