「夏への扉-マイクロポップの時代」を見る

d0001004_7392720.jpg 昨日(3月17日)「水戸芸術館現代美術ギャラリー」で展覧会「夏への扉-マイクロポップの時代」を見た。
 今回の展示は美術評論家の松井みどりさんが、哲学者ドゥルーズからもってきた「マイクロポップ」と言った概念とSF小説家ハインラインの小説のタイトル「夏への扉」からもってきたとのことです。
 「マイクロポップ」とは、「歴史が相対化され、様々な価値のよりどころである精神的言説が権威を失っていく時代に、自らの経験のなかで拾い上げた知識の断片を組み合わせながら、新たな美意識や行動の規範をつくりだしていく、「小さな前衛」的姿勢」を指しているそうです。
 現代アートの中から、松井みどりさんのメガネにかなった15名の日本人作家の作品の展示です。
 奈良美智、杉戸洋、落合多武、有馬かおる、青木陵子、タカノ綾、森千裕、國方真秀未、島袋道浩、野口里佳、半田真規、K.K.、田中功起、大木裕之、泉太郎といった人たちです。
 数人を除けば、大半は初めて拝見する作家です。超有名な奈良美智さんを除けば、わたしが多少どこかで作品を見たことがあるのは、先日拝見したばかりの田中功起さんとタカノ綾さん、國方真秀未さんぐらいまでですね。
 いずれも、「脱なんとか」といったタイプの作品なんでしょうかね。表現意図は何となくわかるんですが、きちんとした表現として確立している作品は何点もないといった印象でした。表現意図に作品がついて行っていな、いようです。
 さらに、いくら強烈な色彩を使っても、インパクトのある素材を並べても、淡い印象しか与えてくれません。表現に対する意志が希薄というか淡泊な印象でした。
 これで目玉の奈良美智さんの作品がなければ、かなりポテンシャルが落ちてしまいますね(やっぱり奈良美智さんの作品は存在感がありますね)。
 ちょっと頭でっかちの展覧会だったように思いました。
 ところで、今回の展覧会は非常に奇妙な体験でした。
 グロテスクそのものの磯崎新設計の建物の中で、美術館の職員だけの閑散たる空間(職員以外に3名しか出会いませんでした)。そこによく言えばバラエティにとんだ、別の言い方では、脈絡無く、とりとめのない展示作品が並んでいました。そして、どこからともなく純和風の琴の音色が流れていました(中央ホールで、地元の邦楽教室の発表会みたいなのが行われていました)。これほどのミスマッチ(あるいはベストマッチ?)はめったに体験できません。

 わたしには少々ハードルが高い展示だったのかもしれません。もう少し勉強しようと図録買いましたので、読んでから感想続けます。

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by daisenhougen | 2007-03-18 07:39 | 鑑賞記-展覧会
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