「生誕100年 靉光展」を見る

d0001004_9545750.jpg 昨日(4月1日)「東京国立近代美術館」「生誕100年 靉光展」を見た。
 靉光(本名:石村日郎、1907-1946)の作品をまとめて拝見するのは初めてです。以前、TVで靉光作品を取り上げたのを見たことがあり、その後は「眼のある風景」など靉光作を意識して見るようにしていました。ようやく待望の靉光展の開催です。
 「本展では、幻想的な作品をはじめ、応召前に残した3点の自画像など代表作を網羅し、約130点の作品を時代・傾向別に4つの章に分け、靉光の見つめたものを検証します」との
ことです。
 展示は「初期作品」、「ライオン連作から《眼のある風景》へ」、「東洋画へのまなざし」、「自画像連作へ」の区分でほぼ年代順に展示してあります。
 初期のルオーの影響の色濃い作品から始まり、「眼のある風景」で一気に表現を確立したように思えます。
 「眼のある風景」は確固たる存在感がある作品ですね。130点もの作品の中でも別格の力を持っているように思えます。
 ただこの作品をピークとして、後はあんまり心惹かれる作品には巡り会えませんでした。あまりに「眼のある風景」の達成が大きすぎたからなんでしょうか。
 この作品の延長線上でいろんなヴァリエーションを描くことのよって、多くの傑作をモノにすることができたはずなのに、彼はこの作品以降、日本画風の作品や写実的な油絵表現に転じてしまいます。表現としては多様な試みをしています。
 ただ、その試みから果実を得ることはできていないように思えます。無惨にも新たな表現を確立する前に招集され死んでしまったんですね。
 でも、なにか心惹かれる画家ですね。でも、それが何処なのかは未だ解りません。もしかしたら、作品に込められた、過剰なほどの靉光自身の思い入れななんでしょうか。晩年の自画像の評価も含めて、もう少し考えてみたいと思います。
 図録買いましたので、読んでから感想続けます。

 常設展示は桜の季節に合わせて、桜を描いた作品が至る所に展示してありました。
 菊池芳文「小雨ふる吉野」、川合玉堂「行く春」、富岡鉄斎「花桜人武士図」跡見玉枝「桜花図巻」、松林桂月「春宵花影図児玉靖枝「ambient light―sakura」といった案配です。実物の桜と描かれた桜の両方を満喫できる愉しい展示でした。
 いつも楽しみな藤田嗣治は「5人の裸婦」「パリ風景」と戦争記録画の「武漢進撃」の3点も展示してありました。ラッキーですね。
 そのほかに「リアルのためのフィクション」といった小企画展もやってました。
 現在活躍中の4人の女性作家(イケムラレイコ、ソフィ・カル、やなぎみわ、塩田千春)が1990年代に制作した15点の作品の展示です。この中でわたしが知っているのは、やなぎみわさんだけです。

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by daisenhougen | 2007-04-02 07:53 | 鑑賞記-展覧会
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