「イタリア・ルネサンスの版画」展を見る

d0001004_1046394.jpg 昨日(4月4日)「国立西洋美術館」で展覧会「チューリヒ工科大学版画素描館の所蔵作品による イタリア・ルネサンスの版画 ルネサンス美術を広めたニュー・メディア」展を見た。
 「15世紀後半から16世紀前半にかけてのイタリアでは、芸術家たちが版画の可能性に着目し、その技法や表現の可能性を大きく広げました」。「本展では、チューリヒ工科大学版画素描館の所蔵作品を中心に、イタリア・ルネサンスを代表する110点の版画の名品を展示します」とのことです。
 かなりレベルが高い展示だと覚悟して行ってみました。案の定、見ている人は少なかったですね。上野公園の喧噪とは別世界です。一つの作品の前でじっくり眺めていても、まったく苦情が出ないレベルでしょうかね。
 展示は「イタリアにおけるエングレーヴィングの誕生」、「ヴェネツィアの版画」、「マルカントニオ・ライモンディと盛期ルネサンスのローマの版画家たち」、「マニエリスムの画家たちと版画」といった区分で展示してありました。
 精密で微細なモノクロームな表現世界です。
 どの作品も、堅い殻に覆われていて、なかなかこの中に流れている表現の核に触れるのは困難です。わたしにとってはハードルの高い展示でした。ルネッサンス絵画全体に対する知識と理解力不足が痛感させられる展示でした。
 ただ、そういった大上段に構えずに、わかるところだけ愉しむというレベルでは驚嘆するいくつかの作品に出会えました。
 例えば、ヤーコポ・バルバリ「ヴェネツィア鳥瞰図」などは12枚の版画をつなぎ合わせた大作です。精緻でありながら雄大な鳥瞰図はじっくり眺めていても飽きることがなかったです。
 こういったいくつかの作品だけでも十分愉しめました。そういった意味では、ハードルは高かったですが、退屈したということはなかったです。
 そもそもダ・ヴィンチ展と同時開催に、こういった渋い企画を持ってくる孤高の精神に拍手したいです。

 今回も、当然ながら「常設展示」も見てきました。いつもながら充実した西洋絵画のコレクションを堪能させてもらいました。企画展がモノクロームの世界だっただけに、こういった色彩の饗宴ともいうべき作品に接するとホッとしますね。新収蔵品もいろいろ展示してありました。
 「平成14-18年度新収蔵版画作品展」なども同時開催されていました。こちらは「平成14年から18年度前期にかけて209点の版画、素描を新たに所蔵しました。作品は15世紀末のショーンガウアーから20世紀初頭のピカソまで、時代、国とも多岐に及んでいます。今回の新収蔵版画作品展では、そのなかから25作家、48点を紹介します」とのことです。再びモノクロームの世界ですが、20世紀までのバラエティにとんだ展示でした。
 モネのコーナーでは数点、国立新美術館の「大回顧展モネ」に貸し出し中になってました。国内外から展示といえば、やっぱりこの美術館からもということでしょうね。

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by daisenhougen | 2007-04-05 07:46 | 鑑賞記-展覧会
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