「図録 福田平八郎展」を読む

d0001004_10375839.jpg 「図録 福田平八郎展」を読んだ。
 監修:島田康寛、編集:京都国立近代美術館、発行:京都新聞社、2007年4月24日発行、200頁。 収録論文は島田康寛「福田平八郎」、福田宗平「父の憶い出」の2つです。前者は平八郎さんの画業をコンパクトにまとめてありましたし、後者は近親者による人柄を偲んだ文章です。
 図版と資料(下図、素描、写生帳)が続いています。
 巻末には「福田平八郎のことば」、略年譜、主要文献、出品目録、作家美術団体系譜が収録されています。
 どの作品も穏やかな色遣いで、けっして派手さはない作品です。でも、研ぎ澄まされた感覚ですくい取られた表現はかなり独特なものです。具体的な対象を丁寧に描きながら、それを突き抜けて抽象表現直前のギリギリのところを表現しています。
 一見すると具象そのもののような作品も、良く眺めるとかなり大胆なデフォルメされた表現であることがわかります。
 伝統的な日本画の世界がこういった先鋭的な表現を生み出したのは驚きです。しかもしっかりとした技法に支えられながら、けっして空虚な表現に陥っていません。
 今回の「福田平八郎展」の展示を見て平八郎さんの絵がますます好きになってしまいました。

[PR]
by daisenhougen | 2007-05-23 06:37 | 読書-展覧会図録
<< 土肥恒之「ロシア・ロマノフ王朝... 「図録 若冲展」を読む >>