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芳澤勝弘「白隠-禅画の世界」を読む

芳澤勝弘「白隠-禅画の世界」を読む_d0001004_1323166.jpg 芳澤勝弘「白隠-禅画の世界」を読んだ。
 中央公論新社(中公新書)、2005年5月26日発行、新書版、269頁。
 目次を写しておきます。序章 白隠という人、第1章 富士山と白隠、第2章 キャラクターとしてのお多福と布袋、第3章 多様な画と賛、第4章 さまざまな仕掛け、第5章 南無地獄大菩薩―白隠の地獄観、終章 上求菩提、下化衆生。
 著者の芳澤勝弘(1945-)さんは、禅学専攻の花園大学教授とのことです。
 白隠さんの禅画作品は「永青文庫美術館」と「早稲田大学會津八一記念博物館」で拝見したばかりです。
 そのつながりで、積ん読状態だった本書を読んでみました。
 白隠の臨済宗における位置づけから始まり、白隠についてかなりの情報を得ることができました。
 特に白隠の禅画がどういう意図で書かれたのかを、白隠の著作などから読み解いてくれています。白隠は宗教家ですから、書かれた禅画は全て宗教的な意味があり、単なる楽しみの絵や戯画などということはあり得ないるとの立場ですね。
 非常にスリリングな著遺作でした。
 でも、わたくしのような無学な人間には、白隠の禅画を見たときに、絵画的な驚き以上のそういった宗教的な意味を見いだすのは難しいですね。

by daisenhougen | 2007-05-29 06:59 | 読書-詩歌小説評論他
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