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吉田裕「アジア・太平洋戦争(シリーズ日本近現代史6)」を読む

吉田裕「アジア・太平洋戦争(シリーズ日本近現代史6)」を読む_d0001004_916382.jpg 吉田裕「アジア・太平洋戦争(シリーズ日本近現代史6)」を読んだ。
 岩波書店(岩波新書)、2007年8月21日、819円、新書版、256頁。
 目次を写しておきます。 第一章 開戦への道(1三国同盟から対英米開戦へ、2戦争の性格、3なぜ開戦を回避できなかったのか)、第二章 初期作戦の成功と東条内閣(1日本軍の軍事的勝利、2「東条独裁」の成立、第三章 戦局の転換(1連合軍による反攻の開始、2兵力動員をめぐる諸矛盾、3「大東亜共栄圏」の現実、4国民生活の実状)、第四章 総力戦の遂行と日本社会(1マリアナ諸島の失陥と東条内閣、2戦時下の社会変容)、第五章 敗戦(1戦場と兵士、2本土空襲の本格化と国民、3戦争の終結へ)。
 著者の吉田裕(1954年-)さんは日本近現代史専攻で一橋大学大学院社会学研究科教授とのことです。
 約5年間という比較的短い期間を対象にしているせいもあるんでしょうが、重要な歴史的事実をはしょらずに、満遍なく気配りのきいた記述です。
 このシリーズはどちらかといえば一部の歴史的事実を強調して、一方的な視点に立ち、重要な歴史的事実もほとんど触れていないといった記述が目立っていたんですが、この本はバランスがとれているようですね。
 刻々と変化する戦況にあわせながら、世界情勢、国内政治情勢、国民感情がきっちりとらえられていました。
 あらためて戦争について考えさせられました。

by daisenhougen | 2007-08-25 07:15 | 読書-詩歌小説評論他
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