一昨日(03月02日)「埼玉県立近代美術館」で展覧会「没後30年 熊谷守一展」を見た。
熊谷守一(1880-1977)さんの作品はシンプルで独特な画風がわりと好みでした。でも、今だまとめて見る機会がありませんでした。 今回は「没後30年を記念し、初期から晩年にいたる124点の油彩画に、日本画33点、書16点をあわせてご紹介」ですから期待大でしたね。 展示構成は第1章 形をつかむ、第2章 色をとらえる、第3章 天与の色彩、第4章 守一の日本画、第5章 変幻自在の書といった区分での展示です。 第1章から2章にかけては若書きの作品です。自画像は藝大で開催されていた「自画像の証言展」で拝見したことがありますので、大体の傾向は解っていました。このあたりの作品では熊谷さんの独自さはあまり感じられませんね。まぁ、こういった同時代を覆った油絵作品世界の中からスタートしたのがわかればいいんでしょうね。 第3章がメインの展示です。わたしたちが熊谷守一といえば直ぐに思い浮かべる作品群です。輪郭線に区切られたシンプルな画題を鮮やかな色彩で表現してあります。 限られた画材を繰り返しいろんなバージョン作られた熊谷守一ワールドを十分堪能することができました。 でも、遅咲きの画家だったんですね。独自の表現を確立したのは60歳ぐらいのようです。まぁ90歳台後半まで現役で描き続けたのですから、遅くはないのかもしれませんね。 第4章の日本画ですが、正直あんまり感心しませんでした。そもそも彼の油彩画の作品の特色はどちらかといえば日本画的なテーストにあると思ってましたので、期待していましたが、実際の作品は即興的な余技ですね。彼はじっくり描き込む油絵画家だったんですね。 第5章の書も同じですね。自由に遊んだ即興の余技として愉しめば良いんでしょうね。 晩年の熊谷守一を撮影した写真が多数展示してありました。悠々自適な晩年の様子についつい笑ってしまいました。 この写真も含めて愉しめた展示でした。 図録買ったので、読んでから感想続けます。
by daisenhougen
| 2008-03-04 07:40
| 鑑賞記-展覧会
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