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ヒラリー・ハーン/ノセダ指揮BBCフィルを聴く

ヒラリー・ハーン/ノセダ指揮BBCフィルを聴く_d0001004_12492512.jpg 昨日(03月14日)「東京文化会館」で「ヒラリー・ハーン/ノセダ指揮BBCフィル」の演奏会を聴いた。
 けっこう強い雨が降ってましたが、ヒラリー・ハーンのバイオリンが聴けるんですから、なんのそのといそいそ出かけてきました。
 指揮者、オーケストラともに全く聴いたことありませんでした。
 にわか仕込みの情報では指揮者のジャナンドレア・ノセダさんはイタリア人でゲルギエフの弟子筋に当たるようで、若手指揮者の注目株とのことです。
 BBCフィルハーモニック管弦楽団はマンチェスターにあるオーケストラでBBC交響楽団とは全く別物のようです(かなりまぎらわしいですね)。

 まず一曲目はストラヴィンスキー/バレエ組曲「妖精の口づけ」より ディベルティメントです。
 たぶん初めて聴く曲ですが、ストラヴィンスキーらしくリズムの強調された曲でしたね。
ノセダさんが跳んだり跳ねたりのオーバーアクションで指揮してましたが、残念ながらあんまり心に残りませんでした。

ヒラリー・ハーン/ノセダ指揮BBCフィルを聴く_d0001004_13113954.jpg 次はいよいよお待ちかねのヒラリー・ハーン嬢の登場です。
 シルバーのビーズかなんかがいっぱい付いた薄い色のドレスで登場しました。そんなに背丈は高くないようですが、すっと背筋をのばしていると存在感は抜群でしたね。
 演奏曲はシベリウス/ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47 です。
 この曲は今回の来日にあわせて発売されたので、CDで予習済みです。
 そして今回の演奏も、当然でしょうがこのCDと基本的には違っているわけではありませんでした。
 でもライブで聴くのは全く違います。
 のっけから、すーっと心にしみこんできます。全身に音楽に浸れるのはライブならではですね。
 そしてラリー・ハーンの音色の透明感は絶品でした。
 完璧なテクニックとは聞いていましたが、それはもう全く完璧な演奏でしたね。
 演奏が進むにつれてすっかりヒラリー・ハーンの世界に入り込まされました。すばらしい演奏でした。
 アンコールに答えて、バッハの無伴奏バイオリン曲を演奏してくれました。
 ご本人がかわいらしい声で「バッハのLoureです。」と日本語(?)で曲目を言ってくれました。ということですから、多分、無伴奏バイオリンパルティータ第3番ホ長調「ブーレ」ですね。
 これがまた絶品でした。何でこんなに素晴らしい音色が出せるんでしょう。
 いっそのこと、このままずーっと演奏続けて欲しかったですね。
今回の来日ではソロコンサートの予定がないのが残念。

 休憩後はベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 Op.92 です。
 いまや超有名曲になってしまいましたが、わたしにとっては昔からかなり好きな曲でした。でも今回はなかなか演奏に入り込めませんでした。
 指揮者のノセダさんは跳んだり跳ねたりと大熱演で指揮していますし、オーケストラも一生懸命追従しているようでした。
 ただ、あまりにヒラリー・ハーンの完璧な世界を味わった後では、空虚な感じがどうしても残ってしまいました。なんとなくコバケンの演奏を思い出してしまいました。

 でもでもヒラリー・ハーンの演奏を初めて聴くことができたんですから、大満足の演奏会でした。奮発してチケット入手した甲斐がありましたね。

by daisenhougen | 2008-03-15 12:58 | 鑑賞記-コンサート
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