「図録 橋本雅邦展」を読む

d0001004_7511373.jpg 「図録 橋本雅邦展」を読んだ。
 川越まで訪ねて展覧会を見てから一月以上経ってしまいました。ほんとうにあっという間です。あわてて図録をめくってみました。
 論文は野地耕一郎「雅邦の居た場所、生きた時代」、佐藤道信「橋本雅邦ー一〇〇年の評価について」、折井貴恵「橋本雅邦と川越ー雅邦愛好団体「画宝会」の軌跡」の3つが収録されています。
 野地さんの論文と巻末の年譜で橋本雅邦の生涯が大体たどることができます。幕末から明治へ、狩野派から「日本画」へと激変した時代を生きたのですね。
 佐藤さんの論文はかなり刺激的でした。雅邦を「勝ち組」と位置づけ、歴史化による形成と削除によって形作られた「日本近代美術史」上で確固たる地位を占め続けているいった評価です。どちらかといえば、本格的な展覧会が18年ぶりということで、不当な評価されていると思っていただけに、鋭い指摘に脱帽です。ちょっとこの人の著作を探して読んでみたい気になりました。
 折井さんの論文は地元発掘ですね。
 図版はⅠ大器晩成ー不遇から栄光への道、Ⅱ閭里同胞ー画宝会の発足と活動、Ⅲ古典回帰ー晩年の活躍と作品といった区分で作品解説と一緒に収録されています。美しい写真とキッチリした解説です。
 そのほかにも落款・印章一覧、年譜、文献目録も収録されています。ていねいに誠実に作られたのが伝わってきます。 
 発行:川越市立美術館、制作:アート印刷、2008年1月12日発行、112頁。

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by daisenhougen | 2008-04-11 07:50 | 読書-展覧会図録
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