「流しの写真屋 渡辺克巳 1965-2000」を見る

d0001004_11243542.jpg 昨日(04月12日)「ワタリウム美術館」で展覧会「流しの写真屋 渡辺克巳 1965-2000」を見た。
 4月20日で終わってしまう展覧会のハシゴの三件目です。
 この「ワタリウム美術館」ははじめて訪れることができました。4F建てで1Fが受付とミュージアムショップ、2Fから4Fが展示スペースとなっていてエレベーターで2Fから移動して見ていくスタイルでした。
 さて今回の渡辺克巳さんという写真家の存在はまったく知りませんでした。1941年岩手に生まれ、写真家を目指して上京し、流しの写真家として新宿を中心に活動、その後写真館を開いたり、雑誌のフリー写真家として活動したが、2006年65歳で死去したとのことです。
 展示は渡部さんの生涯にわたる膨大な作品が展示してありました。一部は床まで使って展示してありました。
 まず2Fで「1965-1977」として60年代の新宿を中心とした写真です。3Fは「1978-1989」として70~80年代の新宿。そして最後が4Fで「1990-2005」といった構成です。
 高度成長期の底辺の世界が記念写真的なスタイルの中で見事に甦ってきます。
 しかもそれを「流しの写真家」としてしかできない方法で実現しているんですね。
 ヤクザ、娼婦、バーテンダー、ホステス、ヌード嬢、ゲイボーイ等々を記念写真のポーズで撮っているのが大半ですが、猥雑であまりに人間的な世界です。
 芸術写真といった方法からは無限に遠く、一枚一枚でどうのこうのといった写真ではないのですが、まとめて見ていると引きこまれ、圧倒されます。
 新宿という街に溜まっていたエネルギーというか何とういうか名付けようもないものが写し取られています。
 すっかり引きこまれてしまいました。
 ずーっとモノクロの世界ですが、4Fになってはじめてカラー写真が展示してあります。
 東京都庁を写した写真です。都庁完成後、新宿から猥雑さとエネルギーが失われ、普通のターミナル駅になったことの象徴に見えますね。
 日本あるいは新宿に集まっていた、なんとも言い難いエネルギーが消え去り、小綺麗で平板な社会に変貌したんですね。
 ともかくも、強烈なパワーと毒にあてられっぱなしの展示でした。

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by daisenhougen | 2008-04-13 07:24 | 鑑賞記-展覧会
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