「知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展」を見る

d0001004_951353.jpg  昨日(05月01日)「東京都写真美術館」で展覧会「知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展」を見た。
 日本でのまとまった展覧会ははじめてというイタリア人のアマチュア写真家マリオ・ジャコメッリMARIO GIACOMELLI(1925-2000)の作品展示です。
 展示は「この憶い出をきみへ伝えん(遺作)」(1998-2000)、「夜が心を洗い流す」(1994-1995)、「愛の劇場」(1984-1986)、「スプーン・リヴァー」(1971-1973)、「自然について知っていること」(風景)(1954-2000)、「樹木の断面」(1967-1968)、「私には自分の顔を愛撫する手が無い」(若き司祭たち)(1961-1963)、「男、女、愛」(1960-1961)、「ジプシー」(1958)、「スカンノ」(1957-1959)、「プーリア」(1958)、「善き大地」(1964-1966)、「ルルド」(1957-1959)、「死が訪れて君の眼に取って代わるだろう」(ホスピス)(1954-1983)、「初期の作品群」といったようにほぼ逆順で展示してありました。
 全てがジャコメッリ本人によるオリジナルプリントとのことです。

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 素晴らしい写真家に出会えました。
 そしてすっかり引きこまれてしまいました。
 圧倒的な存在感を示す作品達です。
 こんな素晴らしい作品達が日本に今まで紹介されてこなかったなんて・・・。
 モノクロームの中に強い光のコントラストが浮かび上がらせる光景は、具象を突き抜けて抽象とも言えるような作品となっています。
 具象しか表現できない写真という制約を軽々と飛び越えて、写真表現の極地のような境地に達していますね。
 写真表現は多様な試みを行っていても、どうしても二番手以下であり続けていました。ところがこのジャコメッリの作品は全ての芸術表現シーンの最前線に軽々と達しているではありませんか。

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 人間の存在と精神の奥底まで達した表現たり得ています。
 もはや表現形態が何であれ、心を揺さぶる表現そのものです。
 こういった作品がイタリアの田舎町で一生を送ったアマチュア写真家が達成したことが驚きではありますが、もしかしたら必然だったのかもしれません。
 コマーシャリズムのまっただ中に有り続け、多くの人に見られることが存在意義であるプロ写真家では、こういった表現に至ることはありえませんものね。
 ともかくも、わたしにとってマリオ・ジャコメッリに巡り逢えたことは、今年最大の収穫です。
 図録買ったので、読んでから感想続けます。

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by daisenhougen | 2008-05-02 09:52 | 鑑賞記-展覧会
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