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石川九楊「日本語の手ざわり」(新潮選書)を読む

日本語の手ざわり
 石川九楊「日本語の手ざわり」(新潮選書)を読んだ。
著者は現代書道家で、「日本語は漢字と平仮名と片仮名の三つの文字から成り立つ特異な言語である」との「観点から日本語と文化の問題に迫る試み」とのことです。
 西洋言語学批判から始まり、漢字の起源、日本への伝播と変容、仮名と平仮名の成立、日本語の特色、日本文化分析とおなじみの九楊ワールドが展開されます。もちろん彼の長年の主張である日本語(東アジア語)は「縦に書き、横に話す」、よって現在の横書き優先の風潮に対する批判も展開されています。
 今回はTV講座から著作ということで、新たな論点が追加されているわけではありませんが、平明な語り口で著者の主張がコンパクトにまとまっていると思います。最近、彼の著作から遠ざかっていましたが、知的好奇心をくすぐる著作だと思いました。

by daisenhougen | 2005-06-02 09:08 | 読書-詩歌小説評論他
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