先日(10月12日)「米沢市上杉博物館」で展覧会「没後50年 愛情の画家 椿貞雄展(前期)」を見た。
椿貞雄(1896年-1957年)さんという画家の存在ははじめて知りました。当地、米沢出身の洋画家で岸田劉生のお弟子さんといった位置づけのようです。 岸田劉生(1891年-1929年)とは5歳の違いしかないのですから、弟子というより同じ潮流の中でともに画業を切り開いた同士なのかもしれません。 劉生の有名な「道路と土手と塀(切通之写生)」と同時に描かれた風景画や、麗子像と同じ指向の少女像など(チラシの画像)、劉生が表現を切り開く同時期に、ピッタリと寄り添うように描かれた作品が展示されています。 劉生をあくまでも先達としながら、その延長線の中で画風を深めていったというところでしょうか。 劉生の継承者としてのスタンスを生涯貫いた感じですので、独自の画風を確立することはなかったとも言える気もしますが、油絵表現を精密な描写の中で極めていったのかもしれません。 はったりとか、奇を衒うとかは一切ない、誠実な画風でした。
by daisenhougen
| 2008-10-15 13:00
| 鑑賞記-展覧会
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