今年最後のアップです。
2008年鑑賞年間回顧を書いてみます(2007年はこちら)。 展覧会は181回訪れることができました。そのうち2度訪れたのが17ですから、展覧会としては164の展示を拝見できたということになります。 今年は200回目標でしたがチョット及びませんでした。もちろん訪れた数じゃないですがね・・・。 心に残った展覧会を少し記しておきます。 1.「知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展」(東京都写真美術館) わたしの今年のナンバーワンです。 あんまり取り上げられていないこともあって、あやうく見逃すとこでした(NHKの「新日曜美術館」では会期終了後に取り上げてましたが・・・)。 こんな素晴らしい写真家がいたなんて。すっかりファンになってしまいました。わたしにとっては大発見です。 今となっては一度しか行けなかったことが悔やまれます。 2.「大琳派展―継承と変奏―」(東京国立博物館) 昨年は若冲と永徳でしたが、今年は琳派でした。琳派といえば、なぜが拡張した企画が多いのですが、こちらは正真正銘の琳派だけに限定しているのが好感持てました。もちろんこれ以上は望めない名品揃いの展示でした。 3.「対決-巨匠たちの日本美術」(東京国立博物館) 日本美術のオールキャストが勢揃いの展示でした。こちらも名品揃いの展示で、これだけのビッグネームの名品ばかりが揃うなんては空前絶後だったかもしれません。 4.「フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち」(東京都美術館) 7点ものフェルメールに日本に居ながら拝見できる贅沢。これでわたしのフェルメール体験作品数も一挙に増やしてもらいました。 5.「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」(国立西洋美術館) こんな素晴らしい画家が埋もれていたなんて。鮮やかね復活を演出してくれましたね。さすが西美ですね。 6.「コロー 光と追憶の変奏曲」(国立西洋美術館) 名前だけ知っているが、その魅力が全く解らなかったコローの素晴らしさを知らしめてくれました。またもや西美です。 7.「諏訪敦絵画作品展~複眼リアリスト~」(佐藤美術館) 日本の現代美術の一つの極地ですね。わたしにとって今年新たな発見の一人です。今後の変貌に期待大です。 8.「ジョン・エヴァレット・ミレイ展」(Bunkamura ザ・ミュージアム) 長らく見たいと思っていたオフェーリアをはじめとするミレイの全貌がわかる展示でした。 9.「石田徹也―僕たちの自画像―展」(練馬区立美術館) 若くして亡くなった石田さん作品にようやく対面できました。孤独な魂のひびきがダイレクトに伝わる展示でした。 10.「ウルビーノのヴィーナス」(国立西洋美術館) ウルビーノのヴィーナスの展示にかこつけて、ギリシャ以来のヴィーナス像の変遷をたどるなんて、素晴らしすぎる企画でした。まままた西美でした。 11.「速水御舟-新たなる魅力」(平塚市美術館) 平塚まで足を運ばせるだけの魅力ある企画でした。御舟といえば山種美術館と思ってましたが、山種抜きでこんなに傑作勢揃いの展示ができるんですね。企画力のあるこの美術館の面目躍如たる展示でした。 12.「没後100年 橋本雅邦展」(川越市立美術館) こちらも川越まで足を運ばせるだけの魅力ある企画でした。日本画創世期の画家の全貌を示す素晴らしい展示でした。こういった展示が地元だけの開催で、東京を含めて巡回しないのは残念ですね。 13.「白隠禅画墨蹟展」(瑞巌寺宝物館青龍殿) またまた松島まで足を運ばせるだけの魅力のある企画でした。こういった素晴らしい企画がひっそりと開催されるんですね。なぜ、地方の観光地での開催だけなんでしょう。白隠さんの魅力に触れることができました。 14.「町田久美─日本画の線描」(高崎市タワー美術館) またまたまた、今度は高崎まで足を運ばせるだけの魅力のある企画でした。新たな才能の現時点での全貌を知ることができました。地元への凱旋展示のようですね。 15.「狩野芳崖 悲母観音への軌跡」(東京藝術大学大学美術館) 日本画創世期の画家の全貌にようやく触れることができました。西洋に出会った日本画家のまさに文明の浸食と受容と融合のスリリングな様子が体験できる展示でした。 まだまだ書き足りませんが、きりがないので表題だけでも。 「髙山辰雄遺作展―人間の風景」(練馬区立美術館)、 「没後30年 熊谷守一展」(埼玉県立近代美術館)、「岡村桂三郎展」(神奈川県立近代美術館 鎌倉館)、「大岩オスカール展」(東京都現代美術館)、「ジュリアン・オピー」(水戸芸術館)、「アール・ブリュット-交差する魂-」(松下電工 汐留ミュージアム)、「ウィーン美術史美術館所蔵 静物画の秘密」(国立新美術館)、「没後50年 横山大観―新たなる伝説へ」(国立新美術館)、「生誕100年 東山魁夷展」(東京国立近代美術館)、「KAZARI 日本美の情熱」(サントリー美術館)。 映画は19本しか見ることができませんでした。これでは2008年の映画シーンを論ずる資格はありませんね。 わたし的にはここにあげた4本の衝撃はいまだ心に残っています。 「ラスト、コーション」、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」、「ノーカントリー」、「告発のとき」。 コンサートに至っては4公演だけでした。 ヒラリー・ハーンと五嶋みどりのヴァイオリンをはじめて聴くことができたのがせめてもの救いでした。 伝統芸能はまったく見るとこができませんでした。 昨年と同じ感想となりますが、サラリーマンの単身赴任の身では、なかなかエンターテイメント全般に目配りすることはできません。特に今年は美術展中心の一年になってしまいました。 以上、2008年に心惹かれた展覧会を中心にリストアップしてみました。 わたしが仕事の合間、東京と田舎を行ったり来たりする中で触れるとができた中からのリストアップでした。 来年はどんなものに触れることが出来るんでしょう。楽しみです。 それでは、よいお年を。
by daisenhougen
| 2008-12-31 13:44
| 鑑賞記録(まとめ)
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