人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「国宝 阿修羅展」を見る

「国宝 阿修羅展」を見る_d0001004_12232622.jpg 昨日(04月14日)「東京国立博物館」で展覧会「国宝 阿修羅展」を見た。
 阿修羅像を含む八部衆像は2007年11月に奈良を訪れて「興福寺」の宝物館で見てきました(その時についてはこちら)。この時の目的は「第59回 正倉院展」と「狩野永徳展」でしたが、八部衆像のそろい踏みを見られたラッキーな訪問でした。
 それが今回は、東京で再びそろい踏みを拝見できるんですから、見逃すわけにはいきませんね。 さて、平日ですから大丈夫だろうと思って油断して、開館時間に15分遅れで到着したら、入場に30分待ちとの表示でした。
 さすがに人気は凄いんですね。
 チケット売り場の横では阿修羅像のフィギアの販売引換券なんてのも配ってました。もちろんゲットです。
 門をくぐって行くと、平成館の入り口には行列ができてましたが、比較的短くて10分チョットで入館できました。
 次は、展示を早く見たいのを押さえて、フィギアの申し込みです(なんせ引換券が大きなもんで、展示見てから申し込みなんてできませんね)。
 送料込みで3,480円也。
 オフィシャルページによると、たまたま今回が最後の販売だったようです。ラッキーでした。到着は5月中旬とのことですから、楽しみにして待つことにしましょう。

「国宝 阿修羅展」を見る_d0001004_12234165.jpg 今回の展覧会は「奈良・興福寺の中金堂再建事業の一環として計画され」、「天平伽藍の復興を目指す興福寺の貴重な文化財の中から、阿修羅像をはじめとする八部衆像(国宝)、十大弟子像(国宝)、中金堂基壇から発見された1400点をこえる鎮壇具(国宝)や、再建される中金堂に安置される薬王・薬上菩薩立像(重要文化財)、四天王立像(重要文化財)など、約70件を展示いたします。特に、八部衆像(8体)と十大弟子像(現存6体)の全14体が揃って寺外で公開されるのは、史上初めてのこと」とのことです。
 展示はは第1章 興福寺創建と中金堂鎮壇具、第2章 国宝 阿修羅とその世界、第3章 中金堂再建と仏像、第4章 バーチャルリアリティシアター「再建中金堂と阿修羅像」といった区分となっていました。
 会場に入ると、やっぱり人であふれていました。
 特に最初のコーナーは小さな工芸品が展示の中心ですから、壁側のガラスケースの中をのぞき込んだまま、なかなか列が進みませんでした。
 仕方がないので、空いている辺りだけをチョコチョコ見ただけで、次のコーナーに移動しました。
 本番の天平時代の仏像の展示です。
 手始めは「阿弥陀三尊像及び厨子」、「華原磐」、源三郎「波羅門立像」といった小品からスタートです。
 そしていよいよ八部衆像と十大弟子像のそろい踏みです。
 ずらりと並んだ様は壮観そのものです。
 かなり多くの人が囲んでいますが、余裕を持った展示ですので、拝見するのに支障はありませんでした。
 「興福寺」の宝物館ではガラスケース越しでしたが、こちらはそんなこともなく、前からだけでなく横からも拝見できました。
 いろんな方向から、それぞれのお姿をたっぷり眺めることができました。
 異形や美形の造形美を堪能させてもらいました。
 さて、モニターで紹介映像を流している通路を通り抜けると、スロープ越しに今回の最大の目玉、阿修羅が浮かび上がるように見えてきました。
 いやぁ凄いですね。まさにお宝展示といった雰囲気です。
 ライティングの効果は絶大です。
 薄暗い会場に一体の仏像がくっきりと照らされて立つ様は神々しくさえあります。
 階段を下りるとすぐ近くまで寄ることができ、前から横、後ろまで一周して拝見できます。
 これはもう、興福寺で拝見するより絶対イイです。
 わたしの大好きな仏像ではありましたが、ますます好きになりました。
 次は、鎌倉期の仏像が一挙展示です。
 康慶の四天王像のそろい踏みから運慶の「釈迦如来頭部」まで、こちらもお宝揃いでした。
 最後は、ビデオ上映コーナーでした。短い映像が2本ほど上映されていました。
 という具合に、一周した後、売店で図録を買ってから、再度、最初のコーナーに戻りました。
 今度は幾分空いてきたようで、先ほど見逃した分もしっかり拝見できました。
 はるか飛鳥を偲ばせるお宝が勢揃いでしたね。
 もう一度阿修羅像を拝ませてもらって会場を出ました。
 かなり満足度の高い展示でした。

 常設展示もざーっと一周しました。
 まず、「酒呑童子」の特集展示です。けっこう残虐な描写が飛んでますね。
 国宝コーナーは 狩野長信「花下遊楽図屏風」。一年ぶりの再会です。
 近世に移ると 池大雅「西湖春景・銭塘観潮図屏風」、岩佐又兵衛「伊勢物語 鳥の子図」などが注目作でした。
 浮世絵では春信が「桜下駕籠美人」など6点、鳥居清長は「飛鳥山花見」など2点が心の残りました。
 こちらもいつも通りの充実の展示でした。

by daisenhougen | 2009-04-15 07:26 | 鑑賞記-展覧会
<< 「尼門跡寺院の世界」を見る 高木由臣「寿命論」を読む >>