藤田令伊「現代アート超入門!」を読む

d0001004_10481940.jpg 藤田令伊「現代アート超入門!」を読んだ。
 現代アートの入門書を買っても、作品以上にわけがわからない。やたら難しい話が延々と続いているといった著者の原体験から、「フツーの人にわかる現代アートの入門書がないのなら、いっそのこと、自分でかいちまえばいいじゃないか」ということのようです。 マチスとピカソからはじめて、だんだんと生粋の現代アートまで12点の作品を論じながら、現代美術の水脈もなぞってくれるといった作りです。
 さまざまな規範を破りながら、その表現の領域を拡張し続けた現代美術がついには「現今、アートには主流も傍流もなくなり、したがって、もはや水脈も定かに見いだすことはできない状況にある。あらゆる面においてアートに中心はなくなり、すべてが相対化しまじゃーるなものとなっている」と総括しています。
 簡単な現代アートの入門書としては、気軽に読むことができました。
 ざっくりと現代アートを理解するにはもってこいの好著です。
 ただ、作品を論じた部分はチョットものたりませんでした。
 右脳で感じるといった描き方で逃げている部分が目立ちました。
 やたら小難しい作品分析もひどいですが、右脳で感じるなんてことで済ませるのはもっと安易ではないでしょうか。
 
 著者の藤田令伊 (1962-)さんは編集者からアートライターとなった方のようです。 
 目次:本書について、そもそも、現代アートとは?―現代アートは「技術と都市に関係の深いアート」、1.伝統と違うから興味ない?、2.美しいとは思えないのだけれど?、3.何が描いてあるのかわからない、4.上手だとは思えないのだけれど?、5.これがアートといえるの?、6.そんなに値打ちのあるものなの?、7.わかったような、わからないような、8.何なのか、意味がわからない、9.アートとアートでないものの違いって?、10.許せる?許せない?、11.きれいなのに汚い?、12.名作はあなたが見つけるもの!、あとがき、主な参考文献。
 集英社(集英社新書)、2009年3月22日第1刷、756円、新書判、216頁。

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by daisenhougen | 2009-04-25 07:46 | 読書-詩歌小説評論他
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