昨日(04月29日)「日本橋高島屋」で展覧会「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展」を見た。
この展覧会は昨年の09月に「太田記念美術館」で開催された後、京都の高島屋に巡回し、再び東京に戻ってきました。 「太田記念美術館」の時も前期と後期では7点だけが共通で、残りは全面展示替えでした。後期しか見ることができずに、悔しい思いをしたことを覚えています。 さて、今回の展示は開催がたったの13日間と短く、しかもゴールデン・ウィークの時期と、わたしが東京を離れている時期ですので、あわてて見てきました。 「本展でご紹介するベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館のコレクションは、世界屈指の保存状態といわれ、出版当初の色彩を保ち、浮世絵本来の豊かな色を鮮やかに伝えます。その8,000点のコレクションから特別に選んだ写楽、歌麿、春信、北斎、広重、国貞、国芳ら、江戸を代表する数多くの絵師による、日本初公開作品を含む150余点を一堂に展観」とのことです。 まさに保存状態の素晴らしい、傑作揃いの作品がずらりと並んでいます。 最初は春信からスタートです。 なんと16点もの作品がそろい踏みです。浮世絵の原点を象徴する素朴な味わいを愉しむことができました。 清長は8点。「吉原歓々楼遊興」のような3枚続きの大作もありましたね。 歌麿は29点。「青楼十二時 続」の全点や「高名美人見たて忠臣蔵十二段つゞき」の内11点などシリーズ続きが一括展示も嬉しかったです。 この展覧会の目玉、写楽は11点。寡作の写楽の程度の良い版がたくさん拝見できて嬉しい限りでした。 もちろん北斎、広重もたくさん優品が並んでましたが、こちらはさんざん見慣れた作品が多かったですね。 最後になんと言っても充実していたのが国芳ですね。 「金魚づくし」のような愛らしい作品から「人かたまつて人になる」のようなだまし絵的作品。そして「相馬の古内裏」のような大作まで、素晴らしい作品が揃ってました。 本当に充実した里帰り展示でした。 最後にチョット苦情を。 デパートの展示ではいつものことですが、展示リストがありません。 しかも図録は3展示会場のすべての作品が掲載されているので、この展示にはその中からどれが展示されたのかを確認するすべがありません。 いくらデパートの客寄せ企画と言っても、文化的な事業に関わっている意識を持って、展示リストぐらい準備して欲しいですね。ネット上で公開だったら費用だってかかんないんですからね。
by daisenhougen
| 2009-04-30 07:08
| 鑑賞記-展覧会
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