「朝鮮王朝の絵画と日本」を見る

d0001004_11572347.jpg 今日(05月24日)「仙台市博物館」で展覧会「朝鮮王朝の絵画と日本」を見た。
 朝鮮王朝の絵画の全貌を明らかにする日本初の試みということで、昨年の栃木でのスタート時から注目していたのですが、静岡への巡回もは見逃してしまい、ようやく仙台でキャッチできました(この後は岡山へ巡回だそうです)。
 「この展覧会では、朝鮮王朝時代の山水画や仏画・民画をはじめ、日本で影響を受けた宗達や若冲ら名だたる近世画家たちの作品もあわせて紹介します」とのことです。
 展示は第1部朝鮮絵画の精華(第1章朝鮮絵画の流れ:山水画を中心に、第2章仏画の美 高麗から朝鮮王朝へ、第3章絵画と工芸、越境する花鳥の美、第4章「民画」の誕生)、第2部(第5章交流の形―朝鮮通信使の果たした役割、第6章日本画家のまなざし―日本絵画に与えた影響)といった区分です。

d0001004_11573446.jpg まず第1部のコーナーは朝鮮絵画がずらりと並んでいました。
 わたしにとって朝鮮絵画をこんなにまとめて拝見するのは初めてです。
 山水画から仏画、花鳥画、そして民画と幅広いジャンルが網羅されていました。
 ただ、正直なところ、中国絵画との違いはほとんど判別できませんでした。中国絵画の知識が少ない上に、朝鮮絵画はまっさらな状態ですから当然かもしれませんね。
 日本絵画で描かれた画題との共通性がハッキリ解ったぐらいでしょうか。
 日本絵画を理解するには中国絵画と朝鮮絵画の影響をキチンと見きわめるだけの眼力が必要なことが痛感させられた展示でした。
 第2部は最初に江戸時代の朝鮮通信使に関する展示です。
 中国と正式な交流がない時に、アジアとの唯一の正式外交関係であった朝鮮通信使を正面から取り上げています。
 この部分だけでも充分一つの展覧会となるレベルの展示でした。
 そして最後が朝鮮絵画が日本絵画に与えた影響を正面から取り上げています。
 わたし的にはこのコーナーがダントツに興味深かったです。
 副題が「宗達、大雅、若冲も学んだ隣国の美」ということですから、朝鮮絵画とそっくりの作品やあきらかに影響を受けたような作品がずらりと展示されていました。
 室町から江戸にかけての朝鮮絵画の影響力の強さは半端じゃなかったのが解る展示でした。
 もちろん若冲さんの作品が展示されていたのが一番うれしかったです。
 この時期は3点の展示でした。
 まず「松樹群鶴図」。こちらは初めて拝見します。初期作ですのであんまり若冲らしさは強く出ていない感じでした。
 一緒に並んで「隠元豆・玉蜀黍図」。このあたりは若冲さんそのものの愉しい図柄でした。京都の若冲展以来の再会でした。
 そして今回の展示全体のメインデッシュ「樹花鳥獣図屏風」。
 残念ながら左隻だけの展示ですが、存在感はぬきんでていました。
 こちらも森美術館で拝見して以来です。わたしにとっては若冲さんを初めて意識した記念すべき作品です。再見できて良かったです。
 この展覧会は、展示リストによると250点の展示ですが、3回に分けての展示ですので、ギリギリ間に合ったこの最終の展示替えでは160点ほどの展示でした。
 若冲さんも皆勤で訪れれば5点見れたようですが、残念でした。
 いずれにしても、3つの展覧会を同時に見たようなずっしりと充実した展覧会でした。

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by daisenhougen | 2009-05-24 20:56 | 鑑賞記-展覧会
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