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吉本隆明「中学生のための社会科」を読む

d0001004_1552637.jpg 吉本隆明「中学生のための社会科」を読んだ。彼の著作は出るたびにほとんど読んできた。最近は語りおろし形式でいささか密度が低く感じられるが、腐れ縁みたいなもんで出版されれば読んでしまう。
 吉本ワールドをコンパクトにまとめたような内容だが、想像上の中学生ならまだしも、この独自な表現をふくめて、簡単に理解できるしろものではない。特に最近の著作は簡潔で表現がやわらかい分、かえってはじめて触れる人には理解が難しいのではないだろうか。
 小生にとっては、第二章の「老齢とは何か」にもっとも興味をひかれた。個人的な体験を内省することから哲学的思弁、そして政治論まで縦横に結びつける吉本ワールドの一端が出ているようだ。もっとこのテーマだけを追求して一冊の著作を出してほしいぐらいだ。
 最後のユートピア論はもっと緻密な議論と具体的な展開がほしい。近年、繰り返し述べているテーマで、小生には吉本さんの思いはわかるがイメージが構築できない内容である(単なる小生の理解力不足かも)。この論述だけでは、吉本さんの思いも伝わらないのではなかろうか。
 批評家として最後の仕事はこの2つのテーマを掘り下げた著作を別々に出してくれることを期待したいのだが。
 そういえば「心的現象論」の各論は単行本で出版しないつもりなんだろうか。

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by daisenhougen | 2005-03-30 15:17 | 読書-詩歌小説評論他

オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」を聴く

d0001004_2285549.jpg 昨日(3月27日)「新国立劇場」でオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」聴く。
 演出:コルネリア・レプシュレーガー、指揮:ダン・エッティンガー、出演:ヴェロニク・ジャンス/ナンシー・ファビオラ・エッレラ/中嶋彰子/グレゴリ-・トゥレイ/ルドルフ・ローゼン/ベルント・ヴァイクル、演奏:東京交響楽団、合唱:新国立劇場合唱団。
 席は3階正面の中央付近。前の日に@ぴあでチケットがとれたので、ガラガラかと思っていたら、ほほ満員なのでびっくりする。
 今年オペラを聴くのは2度目で、1月に同じ「新国立劇場」での「マクベス」以来。音の饗宴を満喫した。今回の「コジ・ファン・トゥッテ」は初めて聴く演目だが、モーツァルトのすばらしさを改めて認識。この美しい音楽がずっと続いてほしいと思ってしまう。演奏も小生にはりっぱな演奏に思えた。

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by daisenhougen | 2005-03-28 22:16 | 鑑賞記-コンサート

映画「カナリア」を見る

d0001004_21261663.jpg  昨日(3月27日)「武蔵野館」で映画「カナリア」を見る。
 監督:塩田明彦、出演:石田法嗣、谷村美月他。
 ようやくオウム真理教を正面からとらえようとする映画が出てきたと思う。おそらく戦後の三大思想事件は60年安保、連合赤軍とこのオウム事件だろうが、歴史的に評価の定まっていないこの事件を正面から取り上げたことは素直に評価したい。評価が定まっていないからこそ、現在はその影響下にある証拠であると思う。ただのこ作品がオウム事件の思想的意味を十分に描ききっているとは言えない。
 谷村美月はデビュー当時の中山美穂をほうふつさせる。演技なんてどうこう言う段階ではないが、存在感があり今後がたのしみ。
 そしてやっぱり全編に流れる「銀色の道」に感動する。こんな哀切な曲だとは思ってもいなかった。
 ★「銀色の道」(塚田茂作詞・宮川泰作曲)
 遠い遠い はるかな道は
 冬の嵐が 吹いてるが
 谷間の春は 花が咲いてる
 ひとりひとり 今日もひとり
 銀色の はるかな道

 ひとりひとり はるかな道は
 つらいだろうが 頑張ろう
 苦しい坂も 止まればさがる
 続く続く 明日(あした)も続く
 銀色の はるかな道

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by daisenhougen | 2005-03-28 21:30 | 鑑賞記-映画

「横山大観展」を見る

d0001004_2192524.jpg 昨日(3月27日)「三越日本橋店」で展覧会「横山大観展」を見る。
 足立美術館開館35周年記念の展覧会とのことで。足立美術館の大観コレクションの中から50余点を展示している。初期から、海・山十題のうち《曙色》《海潮四題・夏》《乾坤輝く》《龍躍る》、最晩年の《風蕭々兮易水寒》等々。ほぼ全体像が見渡せる展覧会となっている。去年の「「海・山十題」展」以来のまとまった展示を見ることができた。 さすがに大観の人気はたいしたもので、見学者でごったがえしている。良くも悪くも近代日本画のスタンダードというべきか。比較するのは気の毒だが、前日の福井爽人とは全くレベルが違う。技法的には追いついているのかもしれないが、線の力も迫力もまったく比べようがない。比べるのかわいそうか。
 いつも思うのだが分野は違うが近代短歌の斎藤茂吉を連想してしまう。両人とも戦争をはさんでそれぞれの分野で最高の作品を残し続けた巨匠だと思う。
 ただ戦争賛歌の短歌はたとえ茂吉でも読むに耐えないのに、間接的とは言え戦争賛歌の大観の絵画が今も人を感動させるのは何故なのだろう。

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by daisenhougen | 2005-03-28 21:13 | 鑑賞記-展覧会

映画「サイドウェイ」見る

d0001004_8284162.jpg 昨日(3月26日)川崎の「TOHOシネマズ川崎」で遅ればせながら「サイドウェイ」見てくる。昼過ぎの上映だったせいか結構満杯の状態でびっくりする。ワインなど販売していたのでついつい飲みながら見る。やっぱり、先日の「岩波ホール」とはスクリーンも音響や椅子などの環境は大違い。
 監督・脚本:アレクサンダー・ペイン、原作:レックス・ピケット、脚本:ジム・テイラー、出演: ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴァージニア・マドセン、サンドラー・オー。
  デコボココンビのロードムービー。笑いとワインに関するうんちくで結構楽しめた。小生は日本酒派なのだがワインにも挑戦したくなる。もちろんストリーには笑いとワインだけでなく人生に関するほろ苦い内容も含まれており、中年の小生には身につまされる点も少々。
 

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by daisenhougen | 2005-03-27 09:02 | 鑑賞記-映画

「そごう美術館」で「福井爽人展」見る

d0001004_8203892.jpg 昨日(3月26日)そごう横浜店の「そごう美術館」へ行き「福井爽人展」見てくる。
 「院展」系の日本画家の45年の画業を作者自選の90点で回顧する展覧会。
 技巧的には優れているんだろうが、これは芸術ではない。高級イラストといったらいいんだろうか。最近の「院展」系の画家の大半と同じ。最初期の「自画像」が一番すばらしい。力強い線と色彩。なぜ、この魂の叫びが消えてしまい、高級イラストしか描けなくなったんだろう。

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by daisenhougen | 2005-03-27 08:18 | 鑑賞記-展覧会

おくればせながら映画「父と暮らせば」見る

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 昨日(3月20日)は半蔵門の「国立劇場」から神保町の「岩波ホール」に移動。この映画館に入るのは始めて。観客は結構はいっている。さすがに再上映されているだけのことはある。平均年齢はいささか高いが。
 さて映画の方だが、宮沢りえが本当にきれいに撮ってあり大感激。宮沢りえをきれいに撮るために存在した映画といってもいい。監督や原作者の主張なんてどこかに行ってしまうほど。キャメラが本当にいい。
 宮沢りえは「たそがれ清兵衛」をDVDで見て、良い女優になったと感心していた。この「父と暮らせば」も、見たい見たいと思っていたのに見逃してしまって残念に思っていた映画。先日は「トニー滝谷」を今度こそ見逃さないように早めに見ました。お茶のCMもいいですし。
 でもミニシアターてどうしてこんなにスクリーン小さいの(30年前じゃあるまいし)。先日の「ユーロスペース」も今回の「岩波ホール」もあまりに小さすぎる。宮沢りえをもっと大きなスクリーンで見たいヨ。

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by daisenhougen | 2005-03-21 06:32 | 鑑賞記-映画

歌舞伎「通し狂言 本朝廿四孝」見る

d0001004_2252544.jpg 昨日(3月20日)は「国立劇場」でついに歌舞伎の公演初体験。2月の文楽(人形浄瑠璃)に続き伝統芸能の初体験の2連チャン。
 演目は3月花形若手歌舞伎公演「通し狂言 本朝廿四孝」。序幕:武田信玄館勝頼切腹の場、二幕目:道行似合の女夫丸、三幕目:長尾謙信館十種香の場、同:奥庭狐火の場。
 出演は簑作(勝頼)が片岡愛之助、濡衣が片岡孝太郎、八重垣姫が中村時蔵ほか。
 はじめてなので万全を期して、イヤフォンガイドを借りて、パンフレットと上演台本そして「国立劇場上演資料集476本朝廿四孝」なんてものまで買ってしまう。
 席は1階の最後列(18列)の真ん中あたりと、舞台からはちょっと遠かった。
 なんとかストーリーはたどることができ、退屈せずに時間を過ごすことができた。まだうまく表現できないが様式美と倒錯美そして象徴的演技はキャッチできたと思う。はまってしまいそうな自分がコワイ。

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by daisenhougen | 2005-03-21 05:45 | 鑑賞記-伝統芸能他

日本フィルハーモニー交響楽団第568回定期演奏会を聴く

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 今日は会社を定時で退社してサントリーホールへ。当日券を買い日本フィルハーモニー交響楽団の第568回定期演奏会聴く。
 6時40分過ぎに当日券売り場にたどり着くが、かなり空いていて、当日券でも1階4列の真ん中近くが取れる。
 指揮は広上淳一、ヴァイオリンは堀米ゆず子で、演奏曲目は ショスタコーヴィチ:交響詩《10月》、ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番、休憩をはさんでエルガー:エニグマ変奏曲(創作主題による変奏曲)。
 1曲目はちょっと派手目の短い曲で口開けは良好。
 2曲目は今日の中心。この演奏を聴いただけで元は充分に取れた。堀米ゆず子を間近に見ながら聴くことができラッキー。真っ正面で、息づかいまではっきり聞こえた。先日(1月30日)の「アルゲリッチ室内楽の夕べ」で聴いて以来。あの時けっこうアルゲリッチと対等にやり合っているようで好感が持てた。ただやっぱり格の違いは歴然と思っていたが、今日の演奏で結構見直す。最初から緊張感がみなぎり、この緊張が最後まで持続したのは本当にすばらしかった。 なかなか拍手が鳴りやまず、演奏会はこれで終わってもいいと思ったぐらい。実際、休憩時間にクロークからコートを引き取って帰る人が結構いたみたい。
 3曲目は結構熱演したと思うが、曲目もたいした曲でないしオマケの感はぬぐえず。
 でも、今日は無理して行ってよかった。一日数字と格闘した疲れが取れたぞーーー。では、おやすみ。
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by daisenhougen | 2005-03-17 23:59 | 鑑賞記-コンサート

DVDレコーダーを使ってみれば

d0001004_9463051.jpg DVDレコーダー買って半月たった。その使った感想を少々。何をいまさらと言われそうだが、小生にとってはライフスタイルの大転換かも。
 2月26日の日経新聞にDVDレコーダーの紹介記事が載っているのを読んで、衝動的に買ってしまった。もちろん単身赴任の身なので安い機種をネットで物色。結局はソニーの「スゴ録」RDR-HX50をヨドバシカメラのインターネットサイトで購入。小生の調べた範囲では49,800円に還元ポイント数8,964ポイント、送料無料なので実質的には一番安かった。
 二日後の28日に届き、さっそくセッティング。接続やチャンネル設定もスムーズに進行して今日に至る。ビデオデッキは当然持っていたがほとんど使用しない状態だったので、今度もそうなるのを危惧していたが、全く予想はずれのうれしい結果となった。
 何がライフスタイルの大転換かと言うと、TVを見るスタイルが全く変わってしまったことである。
 いつも会社を終えて単身赴任のアパートにもどって、夕食とともにTVのスイッチを入れるのが大体9時前後が多いのだが、見たい番組が全くないことがしばしば。単身赴任では話し相手もいないので、惰性で晩酌しながら見ることを繰り返していた。ビデオに録画して見ることも幾度かトライしたが、結局長続きしなかった。
 ところが今回は番組予約機能EPGが付いていることもあり、録画は非常に簡単。見るときもすぐに見ることができ、消去も簡単、画質もほとんど劣化していないし、音も静かと操作性が非常に良好。すっかりはまってしまい、TVは実際の放送時間に見ないスタイルにおちいっています。
 最後に不満を少々。リモコンの反応がワンテンポ遅れること。ちょっとトロイ感じがする。ほかのメーカーとかほかの機種はどうなのでしょうね。
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by daisenhougen | 2005-03-15 09:49 | 買い物