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「図録 書の至宝-日本と中国」を読む

d0001004_13565344.jpg 「図録 書の至宝-日本と中国」(朝日新聞社)を読んだ。
 今回の図録も分厚いですね。432ページもありました。前回の北斎展の図録も厚かったですがね。最近の東京国立博物館は気合いが入っていますね。永久保存版といっても良い作りですね。
 陳燮君「「書の至宝-日本と中国」展に寄せて」、島谷弘幸「日本の書」、富田淳「中国の書」、汪慶正「夢にまでみた日本所在の中国古典重要書跡」、島谷弘幸「書の鑑賞-筆墨が織り成す美の世界」といった解説文が載っています。
 中心は展示された名品の美しい図版と作品解説、そして釈文です。こちらも、もちろん充実しています。中身がずっしりといった感じですね。折に触れて眺めてみたい図録です。 そして、この展覧会を見ることなくして亡くなった汪慶正さんには感謝しなくてはなりませんね。こういう人がいるから文化交流ができるんですね。
 中国では失われた素晴らしい書の数々が日本には残されているんですね。中国の王朝交代の過酷さと徹底さの反映なのでしょうか。なんせ焚書坑儒の国なんですからね。

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by daisenhougen | 2006-01-31 13:56 | 読書-展覧会図録

岡井隆「『赤光』の誕生」を読む

d0001004_13505845.jpg 岡井さんのこの本は買ってからだいぶたってしまいましたが、やっと読み終えました。でも分厚い本ですね、473ページもありました。「未来」に2001年夏から2004年まで3年にわたって連載されたものをまとめたものです。
 岡井さんも78歳になりますが、まだまだ元気なようで頼もしい限りですね。塚本邦雄さん亡き後、岡井さんしか残っていませんね。元気で書き続けてほしいですね。
 この本は題名通り、斎藤茂吉「赤光」の誕生にまつわる多様な事象を追求した本です。時代相や精神のありかた当時の生活、そして同時代の文学者達といったぐあいに細部に徹底的にこだわって描き出しています。
 こういった、ゆったりした書き方は、年取らないとできないかも知れないですね。多くの老大家はこういった書き方になっていくような気がします。やっぱり骨格だけ、筋だけの表現では満足できなくなるのかも知れません。
 若い時は、一直線に骨格だけをまっすぐに表現し、それで表現し尽くせたと感じるかも知れないが、年を経るにしたがって、ディテールの重層の中にしか表現すべきものはないと感じるのかも知れませんね。
 最も簡潔な短歌の表現者が、評論においてはこういったスタイルになっていくのは興味深いですね。そういえば斉藤茂吉の壮年以降の評論も長いのが多いですね。

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by daisenhougen | 2006-01-31 13:45 | 読書-詩歌小説評論他

映画「ホテル・ルワンダ」を見る

d0001004_13435473.jpg 昨日(1月29日)「シネチッタ」で映画「ホテル・ルワンダ」を見た。
 2004年。カナダ=イギリス=イタリア=南アフリカ。監督:テリー・ジョージ、出演:ドン・チードル、ソフィー・オコネドー、ニック・ノルティ、ホアキン・フェニックス。
 中央アフリカのルワンダでのフツ族とツチ族内戦のなかで「アフリカのオスカー・シンドラー」とも言うべき人物を描いた物語。2005年度アカデミー賞で主演男優賞など3部門にノミネートされた話題作のようやくの公開とのことです。
 民族紛争の残酷さと、人権を標榜する西洋諸国の虚妄をリアルに描いた佳作ですね。わずか3週間で100万人が虐殺されるといったことがほんの数年前に起こっていることに目をつぶることはできませんね。こういった映画が作られ注目されることも大事ですね。
 何はともあれ、素晴らしい映画でした。

 一日で3本続けて映画を見ましたが、腰が少々痛くなるし、健康にはあんまり良くないですが、見たい映画がたまっているのを消化するには仕方ありませんね。

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by daisenhougen | 2006-01-30 13:43 | 鑑賞記-映画

映画「博士の愛した数式」を見る

d0001004_13415867.jpg  昨日(1月29日)「シネチッタ」で映画「博士の愛した数式」を見た。
 2005年。日本。監督:小泉堯史、原作:小川洋子、出演:寺尾聰、深津絵里、齋藤隆成、吉岡秀隆、浅丘ルリ子。
 小川洋子さんの小説は全く読んだことがありません。気になる小説家でしたが何故か読まずにすませていたのですが、今回、この映画を見ていっぺんに好きになりそうです。原作を早く読まねばなんて思っています。
 そもそも小説と数学の取り合わせからして魅力的ですね。友愛数とか完全数とか素数とか、いろんな数学概念が無理なく物語のストーリーに融合していますね。本当に魅力的なストーリーですね。そして江夏の背番号28が完全数だなんてすばらしいデキですね。数学と野球の見事な融合なんちゃって。
 後はやっぱり深津絵里が綺麗ですね。彼女の美しさと爽やかさが十分に画面に現れていました。これだけでも見る価値有りですね。彼女も孫悟空なんかに出てないで、こういったちゃんとした仕事を選んで出演して欲しいですね。

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by daisenhougen | 2006-01-30 13:41 | 鑑賞記-映画

映画「歓びを歌にのせて」を見る

d0001004_13403762.jpg 昨日(1月29日)「シネチッタ」で映画「歓びを歌にのせて」を見た。
 2004年。スウェーデン。監督:ケイ・ポラック、出演:ミカエル・ニュクビスト、フリーダ・ハルグレン、ヘレン・ヒョホルム、レナート・ヤーケル。
 病に倒れた世界的指揮者が故郷に帰って素人合唱団を育て上げるといった典型的な文部省推薦風の感動映画ですね。まさしく題名通りです。でも、わかっていてもけっこう感動してしまいます。特に途中での主題歌が歌われるシーンや最後のシーンでは不覚にも涙が出てしまいました。音楽(そして人間の声)のプリミティブな力を見事に描き出していますね。
 ところで、小生はスウェーデン映画って初めて見るような気がするのですが・・・。何か日本でヒットしたスウェーデン映画ってあるんでしょうか。
 そもそもスウェーデン国ではスウェーデン語が話されているんですよね。そんなことも知らない、自分の無知さかげんにあきれてしまいますね。ところで昨日見たベルギー国って何語を話しているんでしょうね。フランス語に聞こえたんですが。

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by daisenhougen | 2006-01-30 13:39 | 鑑賞記-映画

「NHK交響楽団1559回定期公演」ブロムシュテット/テツラフを聴く

d0001004_13343340.jpg 昨日(1月28日)「NHKホール」で「NHK交響楽団1559回定期公演」を聴いた。
 指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット、ヴァイオリン:クリスティアン・テツラフ、NHK交響楽団。
 演奏曲目はブラームス/ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77、ブラームス/交響曲 第1番 ハ短調 作品68。
 今年初めてのコンサートはN響でした。席は3階のの安い席でした。
 ブロムシュテットを聴くのは昨年の2月にライプツィヒ・ゲヴァントハウスの来日公演以来です。
 さて、まずはヴァイオリン協奏曲。すばらしい演奏でした。特にテツラフのヴァイオリン演奏は鮮烈でしたね。こんな演奏家いたんですね。クレーメルを更に現代的にした演奏家といったらいいんでしょうか。古典を見事に現代に蘇らせてくれていますね。年明け早々素晴らしい演奏家を発見しました。アンコールのバッハの無伴奏も素晴らしかったです。ぜひとも全曲聴きたいですね。ヨーロッパにはこういった演奏家がゴロゴロ居るんでしょうかね。さすがですね。
 次の交響曲1番はさすがにブロムシュテット。手堅くまとめていましたね。ブラームスの世界に浸りきることができました。
 もうブロムシュテットも79歳なんですね。最長老の一人なんですね。でも身のこなしがまだまだ若いのが頼もしいですね。
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by daisenhougen | 2006-01-29 13:33 | 鑑賞記-コンサート

映画「ある子供」を見る

d0001004_1332367.jpg 昨日(1月28日)「恵比寿ガーデンシネマ」で映画「ある子供」を見た。
 2005年。ベルギー=フランス。監督・脚本:ジャンピエール&リュック・ダルデンヌ、出演:ジェレミー・レニエ、デボラ・フランソワ、ジェレミー・スガール、ファブリツィオ・ロンジョーネ。
 今年初めての映画は昨年から公開されていて、気になっていた「ある子供」。
 ダルデンヌ兄弟が大人になれない子供をドキュメンタリースタイルで描いた作品。鮮烈なスタイルの映画ですね。子供を平気で売ってしまうといったショッキングな題材を淡々と事実を積み上げるスタイルで描いています。文明の行き着いた先の情景を淡々と描いていますね。ヨーロッパ社会の冷たい空気が伝わってくるようです。文明の極北といったとこですね。
 そして音楽が全く使われていないのも凄いですね。背後に流れるのは道路を走る騒音だけ。この徹底は凄いですね。まさしくハリウッド映画の対極に位置する作品ですね。
 本当に凄い作品ですね。今年の映画事始めを飾るに相応しい作品に巡り会えました。

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by daisenhougen | 2006-01-29 13:29 | 鑑賞記-映画

「オラファー・エリアソン 影の光」を見る

d0001004_13255456.jpg 昨日(1月28日)「原美術館」で「オラファー・エリアソン 影の光」を見た。
 オラファー・エリアソン(1967-)はデンマーク生まれのインスタレーション作家とのこと。小生は初めて触れる作品達でした。
 まずは《Beauty》といった霧のスクリーンに照明を当ててオーロラを出現させるという作品から始まり、光を変化させるレンズの輪を部屋の中につるして照明をあててゆっくりと動かす作品、更には部屋中が黄色の光に満たされた作品といった具合です。
 どれも光をテーマとしているようで、光によって異化効果を体験させてくれるようです。ちょっと斬新なのかなぁと言った感じはします。でも、どの作品もその作品単体で完結しているようには思えませんでした。なんらかの催しもののバックとしては映えるようには思うのですが、一つ一つの作品としては何か決定的なものが欠けている印象が残ってしまいました。
 ただ、たとえばむき出しの装置を隠した上で、先進的なブランドショップやカフェで写したならば、装飾としては一級品かも知れませんね。もちろんモダーンな音楽も一緒に必要かも知れません。こういった方面に進出すれば大ブレークするかもしれませんね。

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by daisenhougen | 2006-01-29 13:25 | 鑑賞記-展覧会

「歌仙の饗宴」を見る

d0001004_13234058.jpg 昨日(1月28日)「出光美術館」で「古今和歌集1100年記念祭 歌仙の饗宴」を見た。 佐竹本「三十六歌仙絵」の内9点を中心にした展示です。その他にも「歌仙」をテーマにした美術作品約70点を展示してありました。
 展示の目玉の佐竹本「三十六歌仙絵」は切断されていろんな収蔵家を転々したなんて話をTVで見た記憶がありますね。
 まさしく文学(歌)と書と絵画の見事な融合ですね。日本文化の精華に触れた思いがしました。
 ところで三十六歌仙は藤原公任が選んだ柿本人麿、紀貫之、凡河内躬恒、伊勢、大伴家持、山辺赤人、在原業平、僧正遍昭、素性法師、紀友則、猿丸大夫、小野小町、藤原兼輔、藤原朝忠、藤原敦忠、藤原高光、源公忠、壬生忠岑、斎宮女御、大中臣頼基、藤原敏行、源重之、源宗于、源信明、藤原清正、源順、藤原興風、清原元輔、坂上是則、藤原元真、小大君、藤原仲文、大中臣能宣、壬生忠見、平兼盛、中務を指すとのことです。

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by daisenhougen | 2006-01-29 13:23 | 鑑賞記-展覧会

「須田国太郎展」を見る

d0001004_1322390.jpg 昨日(1月28日)「東京国立近代美術館」で「須田国太郎展」を見た。
 須田国太郎(1891-1961)の油絵を中心とした作品150点を一堂に展示する回顧展です。
 小生は須田さんの作品をまとめて拝見するのは初めてです。回顧展だけあって、長い画業の多様な作品が展示してありました。
 一人の画家の一生を貫く変わらぬものと時代とともに変わり、変化するものを知ることができますね。
 そして日本人が油絵表現で国際的な第一線であることの困難さに思い至らせる展示でもありましたね。知性と努力だけではいかんともしがたいものがあるような気がしますね。

 同時開催で「渡辺力:リビング・デザインの革新」も開催されていましたが、こちらは小生にはあまりピンときませんでした。

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by daisenhougen | 2006-01-29 13:21 | 鑑賞記-展覧会