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雑誌「ユリイカ5月号 特集 藤田嗣治」を拾い読み

d0001004_12442191.jpg 雑誌「ユリイカ5月号 特集 藤田嗣治」(青土社)を拾い読みした。
 この雑誌のいつものスタイルで、ほんのわずかの連載以外はまるこど藤田嗣治の特集です。
 特集の論文名を写しておきます。村上隆・椹木野衣「フジタよ甦れ! 21世紀の美術史のために」(対談)、野見山暁治「ぼくの知っているフジタ」、津原泰水「フゥフゥの日々」、林洋子「乳白色の下地の誘惑」、加藤時男「パリ留学初期の藤田嗣治」、鴻英良「藤田嗣治の疑惑」、河田明久「笑う、転ぶ、叫ぶ、泣く」、大塚英志「手塚治虫と藤田嗣治」、会田誠「わだばフジタになる!?」、岡崎乾二郎 「主体なき悲劇」、近藤史人「フジタと日本がすれ違った長い時間」、古谷利裕「たった一人でひっそりと泣くこと」、福永信「敗戦後の一画家」、松井みどり「故郷喪失者の「子供たち」」、田中功起「人生か、作品」、小川格・丹治匠「やっぱりフジタが好き」(対談)、近藤史人編「藤田嗣治年譜」。
 タイムリーに素晴らしい特集号を出してくれましたね。一部は今回の展覧会の感想までのってます。雑誌ならではの企画です。充実した論考でフジタにたいする理解が深まります。
 どの論考も興味深かったですが、まず最初の村上隆の対談は言いたい放題ってやつですね。「西洋の人間から見た日本の様式美を、西洋の枠組みで捉え直すということをやって」とか、「受けを狙い続けたエンターテイナー」、「日本的なる品の良さにマーケティング能力の高さが一時的に受け、しかし圧倒的なるパワーの欠落に悩み、で、日本回帰しか無い、となった」なんて面白い指摘満載です。
 他もいろんな角度からフジタを捉えようとしている様々な論考があります。ためになりました。今回の特集ではやっぱり戦争画についての言及が目立つ気もします。
 最後の小川格・丹治匠の若い画家による対談も興味深かったですね。実作者の視点で言いたい放題なのが面白かったです。

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by daisenhougen | 2006-04-30 07:36 | 雑誌など

「東京交響楽団第6回川崎定期演奏会」スダーン/シャンピオンを聴く

d0001004_120835.jpg 昨日(4月29日)「ミューザ川崎」でコンサート「東京交響楽団第6回川崎定期演奏会」を聴いた。
 演奏はユベール・スダーン指揮東京交響楽団、オルガン=フレデリック・シャンピオン、ティンパニ=奥田昌史
 演奏曲目は藤家溪子:フラ・アンジェリコの墓にて-オルガンとオーケストラのための、プーランク:オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲、ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲、ラヴェル:ボレロ。
 何度もこのミューザ川崎を訪れていますが、パイプオルガンの演奏ははじめて聴きました。宝の持ち腐れにならないでよかったですね。でも、オルガンとオーケストラの共演の曲ってそんなに無いんですよね。
 ということで、まずは藤家溪子さんの曲が口開けでした。特に印象に残る曲でもありませんが、聴きにくい曲でもありませんでした。
 次がプーランクです。小生、不勉強でプーランクの曲はほとんど聴いたことがありません(というか記憶に残っていません)。先日、村上春樹さんの「意味がなければスイングはない」でプーランクを取り上げていて、聴いてみたいと思っていたので、いいチャンスでした。
 そして、けっこう楽しめました。聴き始めると癖になりそうな曲を書いているんですね。今度CDを買って、もう少し聞き込んでみたいですね(なかなか演奏会でプーランクが取り上げられないですから、CD買うしかないですね)。
 休憩後はラベルの有名な2曲です。どちらもオーケストラの響きを楽しむ曲ですね。そして期待にそうような見事な演奏でした。スダーンさんの指揮はやっぱり良いですね。こういった何度も耳にした入門曲でも見事に聴かせてくれました。演奏の職人としての面目躍如ですね。
 アンコールにはボレロのクライマックス部分を再度演奏してくれました。

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by daisenhougen | 2006-04-30 07:30 | 鑑賞記-コンサート

映画「Vフォー・ヴェンデッタ」を見る

d0001004_11263934.jpg 昨日(4月29日)「TOHOシネマズ」で映画「Vフォー・ヴェンデッタ」V FOR VENDETTAを見た。ちなみに題名のVENDETTAとは家同士の(代々にわたる)復讐(ふくしゅう), あだ討ち; 宿恨といった意味だそうです(恥ずかしながらはじめて目にする単語です)。
 2005年。アメリカ。脚本:ウォシャウスキー兄弟、監督:ジェイムズ・マクティーグ、出演:ナタリー・ポートマン、ヒューゴ・ウィービング、ジョン・ハート他。
 アラン・ムーア原作のイギリスコミックをウォシャウスキー兄弟が「マトリックス」制作以前からあたためていて、脚本化した作品とのことです。
 アメリカ合衆国を植民地とした第三次世界大戦後のイギリスが舞台です。暴力に支配された独裁ファシズム国家となったイギリスを仮面のヒーローがたった一人で転覆させるストーリーです。主人公のVは17世紀初頭、政府転覆を狙うべく、イングランドでおきた上院議場爆破未遂事件の、実在した実行犯ガイ・フォークスの生まれ変わり的存在とのことです(イギリスでは有名な歴史的存在のようです)。
 基本的には荒唐無稽な設定とストーリーですし、民衆の勇気のなさが独裁を生むといった政治的主張も陳腐です(原作発表時のサッチャー政権への批判のようですね)。アクションシーンなども特に優れているわけでもありません(マトリックスと比べては可哀想です)。
 でも、面白かったです。2時間強の時間を一気に見せてくれました。かなり多岐にわたる内容をスピード感あふれる展開で一直線に見せてくれますね。荒唐無稽さもあんまり気になりません。
 もちろんナタリー・ポートマンは綺麗でしたね。スキンヘッド姿でも美しさは変わりません(頭のかたちまで綺麗ですよ)。
 また、この映画でもクラッシック音楽がうまく使われていましたね。こっちはチャイコフスキーの「序曲1812年変ホ長調」でした。
 そしてやっぱり最後の国会議事堂(ウェストミンスター宮殿)の爆破シーンは最高ですね。政治的主張うんぬんよりも、こういったエンターテイメントに仕上げる力量はたいしたもんですね。vの仮面をかぶった無数の民衆、時計台の崩壊、華々しい花火と音楽。すばらしいエンディングでした。

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by daisenhougen | 2006-04-30 07:26 | 鑑賞記-映画

映画「ニューワールド」を見る

d0001004_9441833.jpg 昨日(4月28日)「シネチッタ」で映画「ニューワールド」THE NEW WORLDを見た。
 2005年。アメリカ。監督・脚本:テレンス・マリック、出演:コリン・ファレル、クリスチャン・ベイル、クオリアンカ・キルヒャー、クリストファー・プラマー、デヴッド・シューリス。
 17世紀初頭のアメリカ大陸を舞台に、英国の冒険家ジョン・スミスとネイティブ・アメリカンの酋長の娘ポカホンタスの恋とアメリカの建国物語を描く物語です。最後はイギリスの女王陛下の拝謁するといったアメリカ人には非常に有名な伝説的な話のようです。言ってみれば白人の侵略と略奪の免罪符みたいな話ですね。
 監督のテレンス・マリックはこの物語をそういった免罪符にしないように、かなり苦心して作っているようです。
 その結果は、波瀾万丈の恋の物語というよりも自然を全面に押し出した作品になっています。美しいアメリカ大陸の自然が何度も何度も美しく描かれています。
 さらには衣装や砦の様子など時代考証も細部にもかなりこだわっているようで、その時代を忠実に再現しているようです。
 また、クラシック音楽が効果的に使われていました。ワーグナーの楽劇「ラインの黄金 前奏曲」とモーツァルトの「ピアノ協奏曲第23番イ長調第2楽章」がほとんど映画の全編をおおっていました(どちらも小生の大好きな曲です)。
 小生にとっては、美しい自然の映像とこれらの音楽を聴いているだけでも、この映画は見る価値がありました。ゆったりした至福の時間を堪能できました。
 でも、ハリウッド映画の対極的作りですから、あんまり一般受けはしない気がしますね(残念ながら、館内もガラガラでしたしね)。


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by daisenhougen | 2006-04-29 09:43 | 鑑賞記-映画

「国産名車コレクション8 フェアレディZ」を買う

d0001004_22241988.jpg 「国産名車コレクション8 フェアレディZ」(アシェット・コレクションズ)を買った。3号のトヨタ2000GTに次いでこのシリーズお目当てがやっと発売になりました。この車は1969年発売とのことです。日本における実用的なスポーツタイプカーのはしりですね。運転免許もない頃のあこがれの車でした。
 ということで、小生が欲しかった国産のスポーツタイプカーの2種類がそろいました。もっか車無し生活の慰めに机の上に飾っておきます。

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by daisenhougen | 2006-04-28 22:27 | オモチャ等々

「図録 国立西洋美術館名作選」を読む

d0001004_22203453.jpg 「図録 国立西洋美術館名品選」(国立西洋美術館)を読んだ。
 今回は第4刷で改訂版とのことです。多分以前の版も持っていましたが、自宅に置いてあるので役に立ちません。ということで、改訂を機会に再び購入しました。
 「序文」は館長の高柳正規さんが松方コレクションを中心とした設立の経緯から美術館の歴史を縷々述べています。そして現在(2005/12)の収蔵作品は絵画372点、水彩素描139点、版画3652点、彫刻101点、その他173点の総計4437点とのことです。
 「西洋美術を専門とする非欧米圏で唯一の国立美術館」であり「欧州の大規模な美術館と比較することはできませんが、中規模美美術館としては西洋美術の流れをきちんとたどることができる優れたコレクションを有している」とのことです。同感ですね。
 ところで、この図録は図版を146点掲載しており、それぞれに解説が載っています。巻末には作家解説や作家名索引もついており、充実した内容ですね。

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by daisenhougen | 2006-04-27 22:20 | 読書-展覧会図録

「マイロボットNo8」、「マイロボットNo9」を買う

d0001004_22163084.jpg 「マイロボットNo8」、「マイロボットNo9」を買った。今回から直接購読に切り替えたので、2号まとめて宅配便で届きました。
 首のモーターボックスを組み立てる2、3とのことですが、あっという間に組み立て完成。2号まとめてもこんなもんなんですね。ちょっとパワー不足が続いていますね。
 本家本元のホームページ見つけました
http://www.i-droid01.com/frontend/uscite.asp。そっちはずいぶん先行してるんですね。日本語じゃないので内容は不明ですが、今後とんなパーツが付いてくるかが解るだけでも役に立ちますね。

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by daisenhougen | 2006-04-26 22:15 | オモチャ等々

図録「Masterpieces from the Collection of the Ishibashi Foundation」を読む

d0001004_8463597.jpg 図録「Masterpieces from the Collection of the Ishibashi Foundation」(石橋財団)を読んだ。
 「石橋財団創設50周年を機に、2400点余の所蔵作品の中から名品を精選して製作した」とのことです。非常に素っ気ない作りです。解説等は一切なしで図版と作品リスト、作者インデックスだけです。合計256品が掲載されています。
 先日の「雪舟からポロックまで」展の出品は展覧会でもらったパンフレットによれば194点ですから、今回の展覧会用の図版集というわけでもないんですね。
 少し比べてみると、青木繁はこの図版には6点掲載されていますが、展覧会では3点です。藤田嗣治は4点が3点、佐伯祐三は4点が3点といった具合です。
 少し不満は解説などが一切無いことです。全部でなくても主要作には作品解説や収集経緯などのエピソードでも書いてほしかったですね。
 でも、あらためて収録作を眺めていると、よくもこれだけの名品を収集したと驚かざる得ませんね。西洋美術の教科書みたいですね(特に印象派以降は)。
 そしてその大半が、東京の真ん中でいつでも見ることができるのは素晴らしいことです。

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by daisenhougen | 2006-04-25 08:45 | 読書-展覧会図録

近藤史人「藤田嗣治「異邦人」の生涯」を読む

 近藤史人「藤田嗣治「異邦人」の生涯」(講談社文庫)を読んだ。
 藤田嗣治展を再訪する前に予習として読んでみました。展覧会巡りの電車の中で読み始めました。著者の近藤史人さんはNHKのディレクターで、藤田嗣治再評価のきっかけを作った一人のようですね。
 目次を写しておきます。第1章 修行時代、第2章 パリの寵児、第3章 皇国の画家、第4章 さらば日本、第5章 「美の国」へ。
 藤田嗣治の生誕からパリで亡くなるまでの生涯をジャーナリストの眼で描いた作品です。藤田さんの生涯のアウトラインはこれでわかりますね。
 平野政吉との美術館設立をめぐる顛末(最後はけんか別れなんですね)、ノモンハンを描いた「哈爾哈(ハルハ)河畔之戦闘」に失われたもう一枚があった話、アメリカ滞在中にベン・シャーンと国吉康雄が「フジタはファッショ画家」と抗議声明を出した話、戦争画が十四点アメリカから返還された経緯等々興味深い話が満載です。ジャーナリストとしての面目躍如ですね。
 絵を鑑賞する上でも、「猫(争闘)」が日本から再びパリに戻り戦時下のパリで書かれたことや展覧会のパンフレットにもなっている「カフェ」が一時滞在のアメリカで書かれたことなどは、有益な指摘ですね。
 ただ、藤田絵画の歴史的位置づけや絵画の魅力についてはほとんど見るべき箇所はありません。あくまでもジャーナリストが書いた伝記として割り切って読むべき本ですね。もちろん、それに徹しているのが、この本の長所かもしれませんね(へたな芸術論など読まされたら迷惑ですからね)。

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by daisenhougen | 2006-04-24 11:56 | 読書-詩歌小説評論他

「ロダンとカリエール展」を見る

d0001004_114728.jpg 昨日(4月22日)「国立西洋美術館」で「ロダンとカリエール展」を見た。
 彫刻家オーギュスト・ロダン(1840-1917)と同時代の画家ウジェーヌ・カリエール(1849-1906)を対比しながら展示し、象徴主義とのかかわりにおいて再検討するとのことです。
 カリエールについてはほとんど予備知識がありませんでした(初めて見たと書くところでしたが、この美術館には常設展示されていたんですね、でもほとんど気には留めていませんでした)。今回まとまった数の作品を初めて拝見しました。でも小生にはなななか入り込めなかったです。まだ象徴主義の画家達のハードルを越えることができませんね。
 象徴主義の画家の作品は図版などで見ている時は、非常に興味を引かれるのですが、いざ現物を見るとあんまり感動しないことが多いのですが、何故なんでしょう(ただ単なる勉強不足でしょうね・・・・)。
 ロダンはこの美術館のおはこですから、何度も接しています。でもロダンとカリエールはいくら同時代で個人的接点が多かったとしても、時代的な同質性はあるとしても、芸術の指向も資質も全く違う気がします。同時に対比して展示する意味があまり解りませんでした。
 ということで、小生にはちょっとハードルが高かった展覧会でした。

 常設展示も駆け足で見ました。ここの常設展示は充実していますね。日本で唯一オールドマスターがまとまった数を見ることができる美術館だけのことはありますね。これらの作品群はいつ見ても啓発されますね。
 ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの作品が展示されていなかったのは残念でした。でもこちらでも藤田嗣治の作品「坐る女」が展示されていました(こちらは予定通りですね)。ということで、美術館巡りの締めくくりも藤田嗣治さんでした。
 常設展示の図録が改訂されたので買いました。読んでから感想アップします。

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by daisenhougen | 2006-04-23 11:46 | 鑑賞記-展覧会