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2007年1月鑑賞記録

 2007年1月の月間鑑賞記録です。
 1月に出かけて見てきた(聴いてきた)展覧会、映画、コンサート等をまとめてあります。 展覧会は11の展示を拝見することが出来ました。なかなか忙しい月で有元展以外は月末に集中して拝見した分です。やっぱり今月のベストワンは「日本美術が笑う」展ですね。出色の日本美術展だと思います。是非再訪したいです。「有元利夫展」、「都路華香展」なども心に残りました。「国立新美術館」のオープニング展「20世紀美術探検」もチョット力みすぎたきらいもありますが、充実はしていました。横山大観「生々流転」を全巻見ることができたのもラッキーでした。
 映画は1本しか見る時間をとれませんでした。でもその1本「鉄コン筋クリート」は傑作です。アカデミー賞のアニメ部門をあげたいぐらいですよ。
 コンサート、その他はともになしです。
 評価基準はいつもと同じで、◎は「最高」、◇は「良かった」、△は「まあまあ良かった」、×は「ちょっとねえ」です。再訪は評価マークはつけません。あくまでも小生の主観で非常に甘い評点です。それぞれのコメントはブログの該当投稿を参照してください。
 それでは一覧です。

 展覧会
◇「有元利夫展」(そごう美術館)
△「竹久夢二展」(千葉市美術館)
△「鈴木鵞湖展」(千葉市美術館)
◇「都路華香展」(東京国立近代美術館)
◇「特別公開 横山大観《生々流転》」(東京国立近代美術館)
◇「20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―」(国立新美術館)
△「文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」(国立新美術館)
×「黒川紀章展 ― 機械の時代から生命の時代へ」(国立新美術館)
?「グレゴリー・コルベール展」(森アーツセンターギャラリー)
◎「日本美術が笑う:縄文から20世紀初頭まで」(森美術館)
△「笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情」(森美術館)

 映画
◎「鉄コン筋クリート」(109シネマズ)

 コンサート
 なし

 その他
 なし

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by daisenhougen | 2007-01-31 07:15 | 鑑賞記録(まとめ)

高橋源一郎「ニッポンの小説 百年の孤独」を読む

d0001004_914648.jpg 高橋源一郎「ニッポンの小説 百年の孤独」を読んだ。
 文藝春秋、2007年01月10日第1刷、2,340円、四六版、454頁。
 高橋源一郎(1951-)さんの作品を読むのは久しぶりです。以前は、かなり熱心に読んだいましたが(たぶん優に20冊以上は読んでいるはずです)、単身赴任生活をはじめた頃から何となく読まなくなっていました。
 ということで、久々の源一郎ワールドですね。この作品は「文学界」に2005年1月から2006年6月まで連載されたもののようです。
 目次を写しておきます。「プロローグ-日本近代文学、百年の孤独」、「その小説はどこにあるのですか?」、「死んだ人はお経やお祈りを聞くことができますか?」、「それは文学ではありません」、「ちからが足りなくて」、「エピローグ-補講」。
 近代日本文学成立とは何だったのか、そして100年後の現在の小説や言葉をめぐる状態はどうなのか、さらには小説とは何か、等々を大部の著作の中でじっくり思考しています。
 多くの作品を引用しながら(作品名は巻末を参照しなければならないので、チョット厄介でしたが)、現在の言葉をめぐる情況を根源的に読み替えようとしています。、
 現在の小説の中では古井由吉「野川」を高く評価していますね。さらに専門家外からの刺激として猫田道子「うわさのベーコン」や中原昌也の作品も評価しています。このあたりは目利き批評家の面目躍如ですね。
 最後の部分では著者の処女評論まで引用して、言葉の根源に接近しようとしています。このあたりは源一郎さんのいまだに持ち続けている純情にホロリとさせられました。
 素晴らしい読書体験となりました。すっかり引き込まれて、一気に読んでしまいました。 少し長いですが、結語の部分を写しておきます。まさに源一郎節ですね。こんな文章読まされたら、またもやファンに逆戻りしてしまいますね。

 「わたしは、五十五歳になりました。だが、あいかわらず、うまく話すことができません。論理的に話すこと、筋道だてて話すことが、できません。それから、あなたたちとうまくコミュニケートすることも。恋人の前で黙りこんだ十九歳の頃となにひとつ変わっていないのです。
 もしかしたら、結局のところ、わたしの願いは叶えられないのかもしれません。誰かとコミュニケートするということは、不可能なのかもしれません。それでも、わたしは、小説を書きつづけ、小説について考えつづけるにちがいありません。
 なぜなら、小説というものを書きつづけ、あるいは考えつづける限り、わたしは、いつまでも、そこに留まりつづけることができるからです。
 そこ、とは、およそ、言葉というもののふるまいの一切に、真剣に聞き入ることのできる場所、言葉というものがなにをしようとしているのか、言葉というものが、にんげんになにをさせようとしているのかを見つめることのできる場所、つまり、小説という場所のことです。」

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by daisenhougen | 2007-01-30 07:13 | 読書-詩歌小説評論他

「笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情」を見る

d0001004_20253560.jpg 昨日(1月28日)「森美術館」で展覧会「笑い展:現代アートにみる「おかしみ」の事情」を見た。「世界各国50人の作品を通して「おかしみ」を真面目に探る」ということのようです。
 「日本美術が笑う:縄文から20世紀初頭まで」と一体の展示です。入場料はこっちの展示と一緒になっています。どちらかだけを見ることはできません。
 でも、全く対極の展示です。いくら同じ笑いをテーマとしているといっても、伝統的な絵画の世界から、現代美術のもっとも過激な表現ですからね、この落差には頭がクラクラ来てしまいますね。前を歩いていた、オバタリアン軍団が目を白黒させていました。
 まさに玉石混交の作品達ですね。展示数もかなりあり、けっこうヘビーな展示でした。
 いろいろ面白い作品がありましたが、特に印象に残ったのは、鳥光桃代(1967年-)さんの「Horizons」という作品です。多くの人形で構成された作品で、背広をきたサラリーマンの人形が武器を持って匍匐前進を繰り返し、対峙するといった作品です。ビジネスマンの世界を強烈に皮肉っていますね。
 最後に展示アーチストを写しておきます。
 1. 前衛の笑い
赤瀬川原平、靉嘔、ジョージ・ブレクト、ロベール・フィリュウ、ハイレッド・センター、ジョージ・マチューナス、中西夏之、オノ・ヨーコ、ジョック・レイノルズ、ウィリアム・デ・リデー、塩見允枝子、ベン・ヴォーティエ、ロバート・ワッツ、エメット・ウィリアムス
 2. 小さな笑い
 マルコス・シャーヴェス、磯崎道佳、チョン・ジュンホ、マット・ジョンソン、パトリック・キロラン、木村太陽、倉重 迅、ピーター・ランド、マッズ・リネラップ、トリーネ・リーセ・ネドレオース、ポーンタウィーサック・リムサクン、ウィル・ローガン、ピーター・ローゼル、ロイ・ヴァーラ、渡辺英司、エルヴィン・ヴルム
 3. 笑いの裏返し
 会田 誠、ジェニファー・アローラ&グィレルモ・カルサディーリャ、カルロス・アモラレス、タミ・ベン=トール、ブルー・ノーズ、チェン・シャオション(陳劭雄)+小沢 剛、ギムホンソック、チョン・ジュンホ、ティム・リー、ロビン・ロード、鳥光桃代、ワン・ゴンシン(王功新)、ワン・ネンタオ(王能濤)、シスレイ・ジャファ、ジョウ・ティエハイ(周鉄海)
4. 逸脱する笑い
 ジョン・ボック、オラフ・ブルーニング、サイモン・エヴァンス、ギムホンソック、ロドニー・グラハム、カールステン・フラー、今村 哲、磯崎道佳、金氏徹平、ピーター・ランド、クリスチャン・マークレイ、岡山直之、田中功起、エルヴィン・ヴルム、山本高之

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by daisenhougen | 2007-01-29 07:44 | 鑑賞記-展覧会

「日本美術が笑う」展を見る

d0001004_161301.jpg 昨日(1月28日)「森美術館」で展覧会「日本美術が笑う:縄文から20世紀初頭まで」を見た。
 「縄文時代から20世紀初頭までの、未紹介作品を含む約100点で、日本人と笑いの関係を検証する」とのことで、「森美術館」では初の日本美術だけ展覧会とのことです。
 展示内容は次のようになっています。1. 土の中から~笑いのアーケオロジー:土偶、埴輪、2. 意味深な笑み:寒山拾得、風俗画、麗子像(雪村、円山応挙、長澤蘆雪、曾我蕭白、甲斐庄楠音、岸田劉生 ほか)、3. 笑うストーリー(曾我蕭白、英 一蝶、池 大雅、河鍋暁斎 ほか)、4.いきものへの視線(狩野山雪、俵屋宗達、円山応挙、伊藤若冲 ほか)、5.神仏が笑う~江戸の庶民信仰:白隠、円空、木喰、七福神(伊藤若冲、白隠、円空、木喰 ほか)。
 まず展示室にはいると、笑っている土偶、埴輪が展示してあります。この多彩なそして素朴な笑いの表情に惹きつけられます。そして一気に時代は飛んで、近代の岸田劉生「麗子像」の微妙な笑いが対峙されます。これで一気に日本美術の笑いの世界に導かれていきますね。
 展示の中心は長澤蘆雪、曾我蕭白、伊藤若冲などの江戸期の奇想の画家たちです。何らかの意味で笑いに関わるというコンセプトで並べられています。どの作品もレベルが高く、一点一点の作品を充分堪能させてもらいました。本当に充実していますね。
 そして特筆すべきは展示方法ですね。絵巻物は通常の展示のように一部分だけの展示ですが、その上に動く画像で全編が鑑賞できるようになっています。これなら絵巻物全部をを見た感じになりますね。
 掛け軸も薄いガラスケースに入れてあり、ほんの間近で見ることができます。細部が十分確認できますね。
 照明も工夫されており、作品が浮かび上がるようになっており、古い時代の作品がモダーンにさえ見えるから不思議なもんですね。「森美術館」が日本の伝統美術を見せれば、こんなに近未来的になりますよといった感じですね。
 大好きな円空さんにも出会えましたし、伝統的な日本美術の世界を十分堪能できました。絶対に、もう一度見に来たい展示でした。

 図録買ったので、読んでから感想続けます。

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by daisenhougen | 2007-01-29 07:35 | 鑑賞記-展覧会

「グレゴリー・コルベール展」を見る

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 昨日(1月28日)「森アーツセンターギャラリー」で展覧会「グレゴリー・コルベール  animal totems: a prelude to ashes and snow」を見た。
 「国立新美術館」から歩いて移動してきました。これに「サントリー美術館」ができれば、六本木はまさしく一大美術エリアになりますね。
 さてコルベール展ですが、単に「笑い展」とセット券だと非常に安いので覗いてみようぐらいの軽い気持ちで、内容は全く知らずに迷い込みました。
 最初に、動物と人間の交歓を捉えた大きく拡大された写真が、極めて慎重にセットされた照明から浮き上がってきています。
 その後、映像作品が放映されていて、写真がこの映像から取られたものだということが解ります。
 こういった写真と映像の展示がもうワンセクション展示してありました。
 なんて静謐な世界なんでしょう。すっかり魅せられてしまいました。「国立新美術館」で半日以上歩き回った疲れを癒してもらえる気がしましたね。
 ただ、人間と動物の交歓を描くと言っても、決して自然をありのままに写し取ったという作品ではありません。
 人や動物、砂漠や水、そして風といったものを象徴的に描こうとしているようです。
 その為に、極めて周到に演出され、劇的に存在を際立たせるように作り上げられた作品です。どちらかと言えば人工的に作り上げられた世界ですね。
 「これは凄いと」いう気持ちと「こんなのありなのと」いう気持ちが半々の状態です。
 合計で15点ほどの写真と2本の映像作品の展示ですから、チョット物足りないと思いましたが、実は3月にはお台場に「ノマディック美術館」なる建物を作って公開される「ashes and snow展」のプレショーなんですね。
 こちらは1時間もの長編映像と大量の大型写真が展示されるようです。すっかり行って見る気にさせられました。術中にはまったのでしょうか。

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by daisenhougen | 2007-01-29 07:32 | 鑑賞記-展覧会

「黒川紀章展」を見る

d0001004_122136100.jpg 昨日(1月28日)「国立新美術館」で展覧会「黒川紀章展―機械の時代から生命の時代へ」を見た。
 「国立新美術館」の3つめの展示はこの美術館を設計した黒川紀章さんの展示です。こちらも無料です。
 黒川紀章(1934-)さんは丹下健三門下の世界的に有名な建築家ですね。
 今回の展示は、黒川さんの今まで設計した建物もミニチアと写真がいっぱい展示してあり、その足跡を辿るといったようなもののようです。
 黒川さんの建築などに興味を持ったことがないので、もちろん初めてみました。
 でも、どの建物を見ても、バブリーでグロテスクな建物ばかりが並んでました。写真やミニチュアでこうなんだから、実際は景観を台無しにする建物ばかりですね。何でこんな建物が評価されるんでしょうね。さっぱり解りませんでした。
 そして、今、主張しているのが「共生の思想」だそうです。まったくご都合主義的な主張ですね。今まで設計してきた建物とは全く対立する概念ですね。共生のかけらもない建物ばかり作っていて、よく言いますね。流行に敏感に反応して言ってるだけなんでしょうが、この厚顔ぶりにはおそれいります。
 
 おまけとして、本の挿絵やなんかの現代日本の美術家の作品が展示してありました。山本容子、荒木経惟、束芋、森村泰昌、蜷川有紀、千住博などなど。こっちは愉しめました。

 ということで、「国立新美術館」のオープニングの展示を全て見ました。開館と同時に訪れたときにはそんなに混んではいませんでしたが、だんだん混んできて、レストランなどは長蛇の列となってましたね。
 レベルの差は天と地ほどあるにしても、こういった色んな展示が一箇所で愉しむことができるスポットが増えたことには、素直に喜びましょうね。

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by daisenhougen | 2007-01-29 07:21 | 鑑賞記-展覧会

「日本の表現力」展を見る

d0001004_121988.jpg 昨日(1月28日)「国立新美術館」で展覧会「文化庁メディア芸術祭10周年企画展「日本の表現力」」を見た。
 「国立新美術館」での2つめの展示です。こちらは無料展示と言うことで大混雑でした。展示内容といい、来ている人といい(子供がいっぱい)、美術館とは思えませんね。
 まず最初は「表現の源流」として「鳥獣戯画」の複製や土偶などが展示してあり、これらの作品が、現代の漫画やフィギアに繋がっているといった展示です。
 次が「日本のメディア芸術1950-2006」ということで、文化庁メディア芸術祭の歴代受賞作品や、日本のメディア芸術100選とかいったのが、10年単位で展示されてました。
 漫画やアニメ、フィギア、ゲームなどの展示ですね。ゴジラなんかから始まって、ヒットした漫画のキャラクターや歴代のゲーム機などけっこう懐かしかったですね。でも、身動きできないぐらい混んでいて、じっくり見ることができなせんでした(じっくり見るような内容でもないですがね・・・)。
 最後が、「未来への可能性」ということで、最新のテクノロジーを体験できるコーナーです。最新のセンサー技術や映像技術、コンピュータ技術をエンターテイメントに応用する試みの一端が紹介されていました。
 このコーナーが一番面白かったですね。バーチャル化が一層進んで行くんですね。
 特に、宮島達男さんが「1000 Deathclock in Paris」として、点滅する数字の作品を参加型にした試みはよかったです。 この展示に出会えただけでもラッキーでした。

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by daisenhougen | 2007-01-29 07:18 | 鑑賞記-展覧会

「20世紀美術探検」展を見る

d0001004_1163664.jpg 昨日(1月28日)「国立新美術館」で展覧会「20世紀美術探検―アーティストたちの三つの冒険物語―」を見た。
 ついに「国立新美術館」に行ってきました。久々にできた国立の美術館だけあって、大きい建物ですね(予算のかけ方が違うって感じですね)。
 チケット入り場は空いていて、ちょっと肩すかしにあった気がしましたが、さすがに会場に入れば、けっこう混んでいました。
 さて、展示の方ですが、最初にセザンヌの「ラム酒の瓶のある静物」が一点だけ展示してあります。現代美術はセザンヌを源流として始まるといった企画者の意図を象徴する展示ですね。
 その後は第一部「20世紀美術における物とその表現」(物を描く-静物画の革命、物の提示-物の美学)、第二部「20世紀美術におけるものと人間の生活」(物の流入とアヴァンギャルドの出現-20世紀後半の美術、消費社会における物・商品・欲望-20世紀後半の美術)、といった区分で多種多様な20世紀美術の展開を示そうということのようです。
 絵画だけでなく、デザイン、工芸、建築、インスタレーションまで、なんと約600点もの作品が展示してあります。
 最後には第三部「マテリアル・ワールドに生きる」として6人のまさに現在のビビットなアーチストの新作コーナーが設けられており、一人ずつ結構広いスペースが割り当てられていました。
 セザンヌから始まった現代美術はこんなに遠いところまで来てしまったといったことを象徴しているようですね。
 一応アーチスト名だけ写しておきます。アンドレッド・ジッテル、シムリン・ギル、コーネルア・パーカー、高柳恵里、田中功起、マイケル・クレイグ=マーティン。
 とにかく広いです。そしてそこに展示してある作品は、さすがに国の威信をかけて内外から集めただけあって、名品や歴史的な意義のある作品のオンパレードです。まさに20世紀美術史を体感できる展示ですね。

 おそらくキチンと見たら一日いても愉しめそうな展示ですね。今回は駆け足でザーッと見ただけですが、それでも2時間を優に超えました。
 図録買いましたので、読んでから感想続けます。

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by daisenhougen | 2007-01-29 07:06 | 鑑賞記-展覧会

「特別公開 横山大観《生々流転》」を見る

d0001004_1141067.jpg 昨日(1月27日)「東京国立近代美術館」で展覧会「特別公開 横山大観《生々流転》」を見た。
 横山大観(1868-1958)さんの大作「生々流転」の一挙公開です。全長40メートルもあるので、今回は1Fに特別コーナーを設けての展示です。このコーナーには他にも大観の「或る日の太平洋」、「観音」、「満ち来る朝潮」、「南溟の夜」が一緒に展示してありました。
 以前にも前半か後半か忘れましたが、一度だけ拝見したことがありますが、全巻をまとめては初めてです。照明を落として作品だけが浮き立つようにして展示してあり、全巻をじっくり拝見することが出来ました。
 生々流転は1923年作で、「大気中の水蒸気からできた1粒の水滴が川をなし海へ注ぎ、やがて龍となり天へ昇るという水の一生」を描いた作品とのことです。
 さすが大観の代表作だけあって、ピーンと張り詰めた緊張感に満ちた作品ですね。壮大な空間表現が墨の階調だけで描かれており、名作の名に恥じないですね。

 何時も通り常設展示も拝見しました(大観さんの展示もその一部です)。こちらも、さまざまな近代美術の数々を堪能させてもらいました。
 特集コーナーでは木村荘八「墨東東綺譚」、日和崎尊夫の木口木版版画展示してありました。日和崎尊夫さんの作品にちょっとひかれました。
 その他には「柳宗理-生活のなかのデザイン-」なども常設コーナーの一室で開催されていましたが、こちらは、あんまりピンと来ませんでした。

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by daisenhougen | 2007-01-28 07:12 | 鑑賞記-展覧会

「都路華香展」を見る

d0001004_1123183.jpg 昨日(1月27日)「都路華香展」で展覧会「東京国立近代美術館」を見た。
 都路華香(つじ・かこう、1871-1931)さんは、竹内栖鳳、菊池芳文、谷口香嶠とともに、「幸野楳嶺門下の四天王」と並び称された日本画家で近代京都画壇の隆盛を支えた人とのことです。
 華香没後の昭和7(1932)年以来初めての本格的な回顧展で、アメリカからの里帰りを含めた約80点の展示とのことです。
 ですから、もちろん小生にとっては初めて拝見する画家です。今回、「東京国立近代美術館」に来たのは、大観の「生々流転」を見るのが目的でしたので、そんなに期待していたわけではありませんでした。
 でも、その作品達に触れると、一気に引き込まれてしまいました。訪れている人もまばらでしたので、自由に戻ったりしながら何度も作品を見直ししました。
 軽やかな色遣いと斬新な構図が素晴らしいですね。まさしく江戸絵画の伝統と西洋美術が出会って生み出された作品たちと言えるような気がします。
 さらに彩色画から水墨画まで、人物画から風景画まで、歴史画から現代風俗画まで等々幅広い作品を残しています。そしてそれらの多様な作品が、いずれも確固たる都路華香ワールドになっているのはすごいもんですね。いずれも緻密な描写に支えられながら、西洋風のテーストが感じられます。
 なぜ、これほどの画家が忘れ去られていたんでしょうね。ほぼ同年代の横山大観とは大違いですね。
 そして多くの作品が海外に流失していると言うのも残念なことですね。
 いずれにせよ、年の初めから新たな素晴らしい画家を発見できました。
 
 図録買いましたので、読んでから感想続けます。

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by daisenhougen | 2007-01-28 07:02 | 鑑賞記-展覧会