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2007年鑑賞年間回顧

 2007年の鑑賞年間回顧を少し書いてみます(2005年はこちら、2006年はこちら)。
 まず展覧会です。こちらは148回ほど訪れることができました。うち2度訪問した展覧会が8つほどありますので(前・後期展示での再訪も含む)、展覧会としては140ってとこですね。
 心に残った展覧会を少し記しておきます。
1.「若冲展」(相国寺)
 はるばる京都まで訪ねた展覧会です。もちろんその価値は充分ありでした。いまだ若冲さんはマイブームであり続けています。そんなわたしには文句なしにナンバーワンです。
2.「狩野永徳展」(京都国立博物館)
 こちらも、はるばる京都に遠征した展覧会です。はじめての本格的な永徳展とのことです。さすがに日本の誇る天才ですね。傑作の数々にすっかり魅せられてしまいました。

 この二つの展覧会がわたしにとって今年の両横綱ですね。

3.「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像 受胎告知」(東京国立博物館)
 ついに初来日です。ダ・ヴィンチの代表作についに対面することができました。そして天才の若き傑作に大感激でした。たった1枚の絵画のために長い行列なんて、なんのそのでした。

4.「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」(国立新美術館)
 こちらも初来日です。フェルメールの代表作が日本で見ることができる幸せを満喫しました。この1枚の絵画でわたしのフェルメールへの関心がますます高まりました。「国立新美術館」がオープンして、これ以外にもいろんな展示を楽しませてもらいました。

5.「鳥居清長展」(千葉市美術館)
 ほぼ初めての大規模な回顧展とこのとです。かなりの作品が海外に流失しているとこので、里帰りを多数含んだ展示でした。そういう意味で空前絶後ですね。清長の作品の素晴らしさが解ってきました。

 以上5つの展覧会は、ある意味「事件」ですね。どれをとっても歴史的な展覧会と言えるでしょう。

6.「上村松園~近代と伝統~」(福島県立美術館)
 ようやく上村松園の作品をまとめて拝見できました。わたし的には待望の展覧会です。地方美術館のクリーンヒットです(巡回なしですしね)。松園の美人画は本当に素晴らしいですね、うっとり眺めてきました。

7.「福田平八郎展」(京都国立近代美術館)
 こちらも素晴らしかったです。簡潔で斬新な平八郎ワールドを満喫させてもらいました。こちらも京都遠征での出会いでした(こちらも巡回なしです)。

8.「Great Ukiyoe Masters/春信、歌麿、北斎、広重」(松濤美術館)
 ことしも様々な浮世絵に接することができましたが、この展覧会は思わぬ贈り物でした。海外の美術館にひっそりと所蔵されていた名品が初お目見えでした。派手な宣伝もなしでひっそりと開催されていましたが、質的には抜群の展示でしたね。

9.「国立ロシア美術館展」(東京都美術館)
 ロシア美術の素晴らしさに開眼させられた展覧会でした。そうですよ、ロシア革命前のロシアは文学や音楽だけでなく美術だって素晴らしいんですね。芸術が開花するときは同時平行なんですね。この時期のロシア美術はもうすこし追求したいですね。

10.「山口晃展 こんどは武者絵だ!」(練馬区立美術館)
 現代美術を一つといえば山口晃さんでしょう。今年の活躍は凄かったですね。来年の活躍が楽しみです。

 まだまだいい展覧会が有ったので、番外編としてもう少々。
11.「鳥獣戯画がやってきた!」 (サントリー美術館)
 「サントリー美術館」がオープンして素晴らしい展覧会を連発してますね。なかでもこの鳥獣戯画の全巻展示は素晴らしかったです。

12.「金刀比羅宮 美の世界展」(東京芸術大学美術館)
 金刀比羅宮の書院を再現して、巡回展示するといった企画は素晴らしかったです。なかでも若冲さんの「花丸図」は素晴らしかったです。妖しい魅力を堪能しましたね。

13.「ムンク展」(国立西洋美術館)
 ムンクがこれだけまとめて展示してくれるなんて有りがたい限りです。ムンクに対するイメージも大きく変えてくれる展示でした。

14.「自画像の証言」(東京芸術大学美術館)
 地味な展示ですが、日本の美術界のエリートたちの若き日の真摯な取り組みがたどれる素晴らしい企画でした。芸大にしかできないクリーンヒットの企画ですね。

15.「加山又造展」(茨城県近代美術館)
 没後なかなか本格的な回顧展にめぐり合えませんでしたが、茨城の地でようやくやってくれました。加山さんの評価は、今後ますます高まっていく気がします。

 まだまだ書き足りませんが、きりがないので表題だけでも。
 「キスリング展」(そごう美術館)、「アンリ・カルティエ=ブレッソン 知られざる全貌」(東京国立近代美術館)、「三沢厚彦 アニマルズ+PLUS」(平塚市美術館)、「所蔵名品展 国宝紅白梅図屏風」(MOA美術館)、「パルマ もうひとつの都展」(国立西洋美術館)。


 次は映画です。こちらは27作品しか見ることができませんでした。かなり低調でした。リストアップするなんておこがましいんですが、感動した作品を少々。
1.「パンズ・ラビリンス」
 夢と現実、歴史的事実とファンタジィ、虐殺と美といった相反する世界を見事に描ききっています。素晴らしい監督に出会えました。

2.「鉄コン筋クリート」
 日本アニメのレベルの高さを示す作品です。この作品を見ると、宮崎アニメなんて子供だましに見えてきますね。

3.「サッド ヴァケイション」
 日本映画の素晴らしい達成のひとつだと思えました。でも、ちょっと母性に敬意をはらいすぎかも。

 その他にも「ドリームガールズ」、「ダイハード4」といったハリウッドの娯楽巨編や、「4分間のピアニスト」といったヨーロッパものも良かったです。
 いずれにせよ、今年は見た本数が少なすぎました。
 来年はもう少し多くの映画を見たいですね。

 そしてコンサートですが、一年以上も中断していて、今年11月になって再開ということで、4つのコンサートしか聴いていません。よってリストアップしようがありませんね。
 まぁ、最も聴きたかったヴァイオリニストの一人ギドン・クレーメルの演奏に触れることができたのは嬉しい限りでした。
 
 伝統芸能も一年半ぶりに歌舞伎「NINAGAWA十二夜」を拝見しただけの一年でした。

 サラリーマンの単身赴任の身では、なかなかエンターテイメント全般に目配りすることはできませんね。

 以上、2007年に心惹かれた展覧会や映画などをリストアップしてみました。膨大なエンターテイメントの中、小生が触れえたほんの少しの中から独断・独善的なリストアップです。
 来年はどんなものに触れることが出来るんでしょう。楽しみです。
 それでは、よいお年を。

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by daisenhougen | 2007-12-31 15:04 | 鑑賞記録(まとめ)

2007年読書回顧

 2007年の年間読書回顧を少し書いてみます。
 今年読んだ本は112冊です。週間本みたいなのを含んでですから、かなり貧しい読書といえそうです。
 年の始めには200冊は読むと意気込んでいたのに、結果はこの有様でした(まぁ来年こそは、ということで・・・)。
 今年はシリーズものを追っかけて一年が過ぎた感じがしています。
 美術ものでは、昨年から続いた「西洋絵画の巨匠」が完結したのに続き、今度は日本美術の「週刊アーティスト・ジャパン」を読み始めました(残念ながら、途中で中断中です。定期的に送りつけられるので、かなりたまってしまいました。来年は早い時期に追いつかなくては)。
 歴史ものでは、「シリーズ日本近現代史」と「興亡の世界史」をせっせと読んできました。
 でも、読書の中心は新書でしたね。電車で読むにはこの版形が一番ですからね。
 心に残った著作としては以下の3冊をあげておきます。

1.四方田犬彦「パレスチナ・ナウ―戦争・映画・人間」(作品社)
2.岡田温司「処女懐胎」(中公新書)
3.辺見庸「たんば色の覚書 私たちの日常」(毎日新聞社)

 図録は58冊読みました。読み残しが5冊ですから63冊購入したことになります。大雑把に言って訪れた展覧会の約半数ぐらい図録を買ったことになります。見てよかったと感じた展覧会では必ず図録を買うようにしてますので、まぁ、こんなもんでしょうね。

 来年は進行中のシリーズものが5つになりそうですから、それを追っかけるだけでも大変そうです。とこかくも、なんとか年間200冊を読みきりたいですね。

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by daisenhougen | 2007-12-31 09:24 | 読書記録(まとめ)

2007年12月月間読書記録

 2007年12月の読書記録です。
 今月はたった2冊しか読むことができませんでした。読書力の低下がはなはだしい1年でしたが、12月は特にひどかったです。こんなんじゃ月別のまとめなんか必要なくなりますね。
 平野さんの著作は現代中国を考える上でも有効な著作でした。
 図録は今月11冊です。
 図録一掃月間ということで、せっせと眺めました。溜めてはいけませんね。でも、結局は今年購入した図録は5冊ほど来年に持ち越しとなってしまいました。
 評価は次の通りです。◎は「最高」、◇は「良かった」、△は「まあまあ良かった」、×は「ちょっとねえ」。図録には評価は原則付けません。あくまでも小生の独断の勝手な評価です。読んだときのコメントはブログの該当投稿を参照してください。
 では、一覧リスト。

 書籍
△大江健三郎「臈たしアナベル・リイ総毛立ちつ身まかりつ」(新潮社)
◇平野聡「大清帝国と中華の混迷(興亡の世界史17)」(講談社)

 図録
-「図録 フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」(東京新聞ほか)
-「東郷青児作品集」(損保ジャパン東郷青児美術館)
-「図録 鳥獣戯画がやってきた!」(サントリー美術館)
-「第五十九回「正倉院展」目録」(仏教美術協会)
-「図録 シャガール展-愛と自然の賛歌」(シャガール展実行委員会)
-「図録 京都と近代日本画」(京都市美術館ほか)
-「図録 狩野永徳展」(毎日新聞社・NHKほか)
-「図録 パルマ もうひとつの都展」(読売新聞)
-「図録 ムンク展」(東京新聞)
-「日本彫刻の近代」(淡交社)
-「図録 六本木クロッシング2007:未来への脈動」(森美術館)

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by daisenhougen | 2007-12-30 11:33 | 読書記録(まとめ)

2007年12月月間鑑賞記録

 2007年12月の月間鑑賞記録です。
 12月に出かけて見てきた(聴いてきた)展覧会、映画、コンサート等をまとめてあります。
 展覧会は今月は14の展示を見ることができました。
 今月はいつになく再訪が多く、3つも再訪してしまいました。いずれもすばらしい展示でした。
 今月一番心に残ったのは「北斎展」です。新たな北斎の側面に触れることができました。来年、もう一度訪れたいですね。
 「日本彫刻の近代」、「六本木クロッシング2007:未来への脈動」も心に残る展示でした。
 常設展示ですが「洛中洛外図屏風(舟木本)」にやっと対面できたのも良かったです。

 映画は今月も2本でした。2本とも楽しめました。
 コンサートはオペラ1本でした。久しぶりの「新国立劇場」でしたね。
 評価基準はいつもと同じで、◎は「最高」、◇は「良かった」、△は「まあまあ良かった」、×は「ちょっとねえ」です。再訪は評価マークはつけません。あくまでも小生の主観で非常に甘い評点です。それぞれのコメントはブログの該当投稿を参照してください。
 それでは一覧です。

 展覧会
-「フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」(再訪)(国立新美術館)
-「鳥獣戯画がやってきた!」(後期)(サントリー美術館)
△「東郷青児 昭和のアトリエ展」(損保ジャパン東郷青児美術館)
△「シュルレアリスムと美術」(横浜美術館)
-「ムンク展」(再訪)(国立西洋美術館)
△「大クローデル展」(いわき市立美術館)
△「大倉集古館の名宝」(茨城県天心記念五浦美術館)
△「富岡鉄斎展」(大倉集古館)
◎「北斎-ヨーロッパを魅了した江戸の絵師」(江戸東京博物館)
△「婁正綱の世界~心ときょうの言葉~」(上野の森美術館)
◇「日本彫刻の近代」(東京国立近代美術館)
△「天空の美術」(東京国立近代美術館)
◇「六本木クロッシング2007:未来への脈動」(森美術館)
◇「平常展示/洛中洛外図屏風(舟木本)ほか」(東京国立博物館)

 映画
◇「4分間のピアニスト」(109シネマズ)
◇「バイオハザードⅢ」(品川プリンスシネマ)

 コンサート
△「カルメン」(新国立劇場)

 その他
 なし

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by daisenhougen | 2007-12-30 11:22 | 鑑賞記録(まとめ)

雑誌「プリンツ21 2008年春号」を拾い読み/特集・山口晃

d0001004_1113289.jpg 雑誌「プリンツ21 2008年春号」を拾い読みした。特集・山口晃です。
 この雑誌(prints21)を買うのは初めてです。あんまり店頭では見かけない雑誌ですね。今回は山口晃さんの特集となれば買うしかないですね。
 巻頭から80頁にわたって山口晃さんで埋め尽くされています。
 ポスターから始まり、アトリエ紹介、山口さん自身の解説付で主要作品のグラビア、対談やエッセー、そして作品リストや書き下ろし漫画と至れり尽くせりでした。
 今年は2度も山口晃さんの展覧会(「アートで候。会田誠 山口晃展」、「山口晃展 こんどは武者絵だ!」)が開催されてました。本当に楽しましてもらった一年でした。
 なんてったって、いま最も旬なアーチストの一人ですね。
 来年もどんな展開見せてくれるのか、期待いっぱいです。

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by daisenhougen | 2007-12-29 11:12 | 雑誌など

2008年カレンダーを買う

 2008年カレンダーを買った。2007年も押し迫ってきましたね。もう残すところ3日です。
 ということで2008年に部屋に飾るカレンダーを準備しました。(2007年はこちら)。何せ明日は自宅へ戻らにゃなりませんからね。
d0001004_22162517.jpg
 今回も引き続き「東京国立博物館」製のカレンダーにしました。今回は「屏風絵の四季」といったテーマですので、来年一年間は屏風絵とのお付き合いですね。
 収録されているのは伝土佐光信「松図屏風」、「柳橋水車図屏風」、「花車図屏風」、酒井抱一「夏秋草図屏風」、俵屋宗雪「秋草図屏風」、「四季草花小禽図屏風」の6枚です。かなり渋い選択ですね。
 それぞぞれカレンダー用にトリミングして見栄え良くしてあります。結構気に入ってます。

d0001004_22171998.jpg どうせ狭い部屋なので、壁に貼るのはこちらだけにして、もう一つは「サントリー美術館」で買ってきた卓上用の「鳥獣戯画カレンダー」にしました。
 こちらは鳥獣人物戯画の甲巻から面白そうな部分を余白に配置するといった作りです。こちらも一年間、楽しいイラスト眺めていけそうです。

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by daisenhougen | 2007-12-28 22:24 | 買い物

CD「バイロイトの第九/フルトヴェングラー(1951年バイエルン放送音源)」を買う

d0001004_18492374.jpg CD「バイロイトの第九/フルトヴェングラー(1951年バイエルン放送音源)」(ORFEO)を買った。
・ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
 エリーザベト・シュヴァルツコップ(S)
 エリーザベト・ヘンゲン(A)
 ハンス・ホップ(T)
 オットー・エーデルマン(Bs)
 バイロイト祝祭合唱団
 ヴィルヘルム・ピッツ(合唱指揮)
 バイロイト祝祭管弦楽団
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)

 録音時期:1951年7月29日(ライヴ)
 録音場所:バイロイト祝祭劇場
 音源提供:バイエルン放送

 ベートーヴェンの第九といえばバイロイト音楽祭のオープニングを飾った歴史的な演奏がEMIから発売されていて、名盤中の名盤といわれていました。
 わたしは古い演奏を特別珍重するタイプではありません。どちらかといえばモノラルでノイズが入った演奏は避ける方でしょうね。
 でも、さすがにEMI盤のバイロイトの第九はLPの時から持ってましたし、CDになってからも買いました。そういった意味では何度も聴いた演奏です。
 今回、その同じ日の録音の別ソースがバイエルン放送に残されており、今回、一般向けにめでたく発売になったとのことです。レコ芸をはじめとして、違いについての話題で盛り上がっているようです。
 ということなので、買わないわけにはいきませんね。
 HMVに予約入れておいたのが、ようやく届きました。 
 今回は、特にEMI盤と聴き比べているわけでないので、細かな違いまではあんまり判りませんでした。
 音質的には、そんなに改善しているようには聞こえませんでした。この辺は期待はずれかなぁ。
 でも、さすがに気合いが入った演奏ですね。一気にその世界に引き込まれてしまいます。久しぶりにフルトヴェングラーの音楽を堪能しました。偉大なるドイツ音楽そのものといったところですね。

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by daisenhougen | 2007-12-27 22:48 | CD・DVD・ビデオ

平野聡「大清帝国と中華の混迷(興亡の世界史17)」を読む

d0001004_1846797.jpg 平野聡「大清帝国と中華の混迷(興亡の世界史17)」を読んだ。
 講談社、2007年10月17日第1刷、2,415円、四六版、374頁。
 目次を写しておきます。序章 「東アジア」を疑う、第1章 華夷思想から明帝国へ、第2章 内陸アジアの帝国、第3章 盛世の闇、第4章 さまよえる儒学者と聖なる武力、第5章 円明園の黙示録、第6章 春帆楼への茨の道、終章 未完の清末新政。
 著者の平野聡(1970-)さんはアジア政治外交史専攻で東大准教授とのことです。
 ヌルハチ率いる満州人によって統一された内陸アジア帝国「清」は、その基本的性格は多文化帝国であった。しかし西洋文明と否応なしに対応する中で、大きくその性格を変え、「中華」の近代国家へ変貌せざる得なかった。
 その変貌を極めて明確に論じきっています。
 著者が歴史学者と言うよりも、政治学者的な視点から論じているので、非常に新鮮な視点から論じているように思えました。
 特に中国のナショナリズムあるいは国家観、いや中華思想に至るまで、明治維新の大きな影響によるといった指摘は興味深かったです。刺激いっぱいの著作でした。

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by daisenhougen | 2007-12-26 18:50 | 読書-詩歌小説評論他

雑誌「美術手帳 2008年1月号」を拾い読み

d0001004_11472356.jpg 雑誌「美術手帳 2008年1月号」」(美術出版社)を拾い読みした。
 今回は第一特集「松井冬子」、第二特集「日本画復活論」といった現代の日本画をめぐる特集です。最近のわたしの興味分野ですね。
 まず「松井冬子~絵画に描かれた痛みと贖罪~」。
 彼女の作品のグラビア、辻惟雄さんとの対談、アトリエ訪問インタビューと続いて、なんと松井冬子さん本人を撮った写真まで載ってます。さらには長谷川祐子、布施英利による「松井冬子論」と至れり尽くせりの特集でした。この雑誌は以前(2005年5月号)でも松井冬子さんを取り上げていましたが、今回の特集も力入ってましたね。
 次に「日本画復活論」です。
 三瀬夏之介さんの「日本画復活論」という論文、作品紹介と往復書簡から始まり、岡村桂三郎さんの作品紹介とインタビュー、山本太郎さんの「ニッポン画――「日本画」たりえなかった絵画についての考察」といった論文、作品紹介といった日本画家3人を取り上げた内容です。
 4人のビビットな日本画家を通じて最近の日本画の動向を知ることができますといった企画でした。
 わたし的には大変参考になりました。来年はもっともっと生きの良い日本画家を追っかけていきたいですね。

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by daisenhougen | 2007-12-25 06:46 | 雑誌など

「図録 六本木クロッシング2007:未来への脈動」を読む

d0001004_11454725.jpg 「図録 六本木クロッシング2007:未来への脈動」を読んだ。
 発行:森美術館、2940円、2007年10月13日初版、320頁。
 荒木夏美「「交差」の可能性:時代と枠組みを越えて」、天野一夫「「交差点」であることから‐「荒野」に立つものとして」、佐藤直樹「アートの価値の源泉としてのクロッシング」、椹木野衣「「クロッシング」をめぐって」。以上、今回の展覧会の共同キュレーターによる論文が収録されています。
 まぁ、4つの論文を読んでも、「クロッシングって何?」ていった疑問は変わりませんでした。、あんまり意味ないことを意味ありげに書いてるだけかもしれませんしね。
 せっかく面白い作品を集めたのに、だいなしですよ。こういった現代アートを集めた展示の時は、えてしてこういった衒学的な議論をしたがりますね。困ったもんです。
 図版と作者紹介などが載ってましたが、展示作品以外も一緒に載っているし、なんだかワケのわかんない図録でした。
 展覧会図録なんですから、キチンと展示した作品をなるだけ大きく掲載することを第一にしてほしいですね。大体において展覧会の時に展示リストすら用意してない展覧会なんですからね。 それでもスペースが余ったら、参考図版として分離して掲載するぐらいの配慮が欲しかったですね。
 まぁ。、文句ばかり書きましたが、展示さえていた作品は面白いものが多かったので、年明けにもう一度訪れたいですね。

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by daisenhougen | 2007-12-24 07:45 | 読書-展覧会図録