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CD「サラ・ブライトマン/神々のシンフォニー」を買う

d0001004_740015.jpg CD「サラ・ブライトマン/神々のシンフォニー」を買った。
 サラ・ブライトマン(Sarah Brightman, 1960 - )といえば「オペラ座の怪人」などのミュージカルやクラシカル・クロスオーヴァーといった分野を作り上げたことで有名な歌手とのことです。
 今回、5年ぶりのオリジナルアルバムということなので買ってみました。
 収録されているのは、ポケモンの主題歌やパナソニックのTVコマーシャルで有名な曲などです。日本版には「戦場のメリークリスマス」がボーナストラックで収録されていました。
 クラッシックからのアレンジ曲はマーラーのアダージョ、マスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナから、ホルストのジュピターと3曲収録されています。
 様々な共演者をピックアップしたり、刺激的なアレンジをほどこしたり、飽きさせないように劇的な構成、そしてバラエティに富んだ選曲などなど、涙ぐましいほどの仕掛けを施しているようです。
 クラッシックとポップスの狭間にあり、その存在感を主張し続けることの困難さを感じさせるアルバムでした。

 収録曲を写しておきます。
 1. ゴシックの夢、2. 嘆きの天使、3. シンフォニー、4. 大いなる世界、5. サンヴィーン、6. ビー・ウィズ・ユー、7. シュヴィア・トローメ 、8. サライ・クイ 、9. 愛の物語、10. レット・イット・レイン、11. アテッサ、12. パシオン、13. ランニング(ジュピター)、14. 禁じられた色彩 ~戦場のメリークリスマス。
 EMミュージック・ジャパン、TOCP-70460。

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by daisenhougen | 2008-02-29 07:40 | CD・DVD・ビデオ

図録「わたしいまめまいしたわ 現代美術にみる自己と他者」を読む

d0001004_6342138.jpg 図録「わたしいまめまいしたわ 現代美術にみる自己と他者」を読んだ。
 でかくてインパクトのある図録です。なんせ真っ赤ですもんね。服部一成さんという方がデザインしたとのことです。
 特別、論文といったものが収録されていなくて、展覧会の展示の項目毎にその担当のキュレーターが短い解説らしきものを書いています。
 わたしはひとりではない(蔵屋美香)、アイデンティティの根拠(三輪健仁)、暗い部屋(カメラ・オブスクーラ)と「わたし」(鈴木勝雄)、揺らぐ身体(保坂健二朗)、スフィンクスの問いかけ(保坂健二朗)、冥界との対話(鈴木勝雄)、SELF AND OTHERS(蔵屋美香)、「社会と向き合うわたし」を見つめるわたし(大谷省吾)。
 図版がでかいのは良いですね。
 もう少し価格が高くても良いですから、大きい図版の収録を増やしてほしかったですね。

 編集・発行:東京国立近代美術館、2008年、1,200円、B4版、52頁

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by daisenhougen | 2008-02-28 06:40 | 読書-展覧会図録

図録「王朝の恋―描かれた伊勢物語―」を読む

d0001004_6301688.jpg 図録「王朝の恋―描かれた伊勢物語―」を読んだ。
 まずは岩佐又兵衛「在原業平図」からはじまり英一蝶「見立業平涅槃図」までの図版を巻末の作品解説と一緒に愉しみました。展覧会が思い出させてくれます。
 次に、収録されている論文は笠嶋忠幸「描かれた伊勢物語ー「宗達色紙」の成立をめぐって」、実方葉子「ふたつの屏風ー伊勢物語絵の変奏」、上野英二「昔、男ありけりー伊勢物語への招待」です。
 笠島さん、実方さんの論文は展示内容の理解を助けてくれる内容ですね。
 上野さんの論文はすこぶる面白かったです。なんとなく伊勢物語を源氏物語と一体でイメージしてましたが、大違いなんですね。「男」の物語として伊勢物語をとらえる視点は新鮮でした。ぜひ「伊勢物語」読まなくてはなりませんね。
 巻末に「伊勢物語早わかり お話のあらすじ」なんてのも収録されていて至れり尽くせりの図録でした。
 編集・発行:出光美術館、制作:便利堂、2008年1月9日発行、150頁。

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by daisenhougen | 2008-02-28 06:29 | 読書-展覧会図録

図録「近代日本画 美の系譜」を読む

d0001004_6251397.jpg 図録「近代日本画 美の系譜」を読んだ。
 展覧会を見てからだいぶ経ちましたが、ようやく読み終えました。
 収録されている論文は内山武夫「近代日本画 美の系譜展によせて」といった短い挨拶文と島田康寛「日本画一四〇年の歩み」という今回のコレクションに沿った解説文だけの簡素な作りです。
 巻末に付いている作品解説を参照しながら美しい図版を眺めていると心穏やかな気持ちになりますね。
 巻末のこれらの作品の所蔵先である「水野美術館」の紹介が載ってましたが、2002年に長野市に開館したばかりなんですね。近代日本画を中心に400点ほど所蔵しているとのことです。ぜひ一度訪れたいですね。
 編集・発行:水野美術館他、制作:便利堂、2008年、116頁。

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by daisenhougen | 2008-02-27 06:30 | 読書-展覧会図録

図録「没後50年 横山大観―新たなる伝説へ」を読む

d0001004_6271276.jpg 図録「没後50年 横山大観―新たなる伝説へ」を読んだ。
 こちらの展覧会はもうすぐ会期終了ですね。前期後期ともに拝見してきたので、復習の気持ちで読んでみました。
 充実した5つの論文が掲載されています。内山武夫「横山大観ー天心の精神とともに歩んだ近代日本画の壮士」、古田亮「評伝・横山大観」、板倉聖哲「横山大観の中の中国」、佐藤志乃「「朦朧体」と呼ばれた試みについて」、植田彩芳子「戦前における横山大観評価の形成史」。
 佐藤氏の論文で「朦朧体」とはどういった描き方なのかが具体的に解った気がしました。植田氏の論文で「大観は昔は腕が悪い、不器用な画風」と評価されていたなんて興味深いに話が満載でした。
 年譜は30ページを超える充実してものが付いていました。まぁ90年もの生涯ですからこのぐらいないと記述しきれないんですね。
 作品解説と図版を行ったり来たりしながら眺めました。代表作をことごとく展示したに充実した展覧会であるのが解ります。
 ただ、何度も図版を見返す内に、代表作は大体見ることが出来たし、これで大観はもう卒業かなぁなんて気持ちになっています。
 発行:朝日新聞社、制作:印象社、2008年1月22日発行、254頁。

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by daisenhougen | 2008-02-27 06:26 | 読書-展覧会図録

展覧会「王子江展」を見る

d0001004_1253845.jpg 昨日(02月25日)「上野の森美術館」で展覧会「王子江展」を見た。
 王子江(おうすこう)さんについてはNHKのTVで紹介番組を見たことがあるのですが、実際の作品を見るのは初めてです。
 会場に入ると、人物を描いた小品が並んでいました。するとそこに王子江さん、ご本人が作品を解説してくれているではありませんか。その解説を聴きながら展示を見ることができました。ラッキーでしたね。温厚な紳士といった感じでした。さすがに来日20年というだけあって日本語はぺらぺらでしたね。

d0001004_12534487.jpg 1階のメインの部分は水墨画の大作が9点ほど展示してありました。2階に移ると墨彩画が19点ほどの展示です。モノクロームの世界と色彩の世界の対比も鮮やかです。
 世界各国の人物画や群像画、中国や日本など各地を描いた風景画と幅広い画題を描き別けています。
 生き生きとした大画面に思わず引きこまれてしまいました。
 墨での筆致はかなり大胆ですが、彩色はかなり緻密ですね。伝統的な水墨画表現を使って現代を描く果敢な試みですね。

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by daisenhougen | 2008-02-26 06:59 | 鑑賞記-展覧会

宮下誠「ゲルニカ ピカソが描いた不安と予感」を読む

d0001004_1056391.jpg 宮下誠「ゲルニカ ピカソが描いた不安と予感」を読んだ。
 宮下さんといえばは「20世紀絵画」という素晴らしい著作に感銘を受けましたので、早速読んでみました。
 今回はピカソの作品「ゲルニカ」だけに絞って多面的に読み解く一著です。
 こういった試みでは以前、岡田温司さんの「『ヴィーナスの誕生』視覚文化への招待」を読んで感銘をうけました。ボッティチェッリの作品がテーマでしたね。
 ピカソの「ゲルニカ」がナチスによる無差別爆撃に抗議して書かれたといった経緯については、今年の初めにTV番組「美の巨人たち」でけっこう詳しく扱ってました。その程度の予備知識でした。
 この著作ではもちろんのことながら作品の登場人物一つ一つを詳しく読み解いています。この部分だけでも、絵を見る時に漫然とザーッと眺めるだけでは駄目なんだと反省させられますね。 更に、製作過程の写真から丁寧にその描き直しを再現したり、博学な美術史の知識を生かして美術史の中から読み解いたり、最新の美術理論を駆使した読みまで示してくれています。
 一枚の絵画からここまで読み込めるんだという手本みたいな本です。
 この絵の来日は望めないでしょうが、ピカソ展は今年予定されているようなので、期待したいですね。

 光文社(光文社新書)、2008年01月20日初版1刷、893円、新書判、225頁。
 目次を写しておきます。第1章 神話的メッセージ、第2章 制作過程、第3章 美術史の中の『ゲルニカ』、第4章 オリジナリティと多層性、第5章 呪術的な力―歴史画として読む、第6章 ピカソの予感―「負」の戦争画。

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by daisenhougen | 2008-02-25 19:55 | 読書-詩歌小説評論他

堤未果「ルポ貧困大国アメリカ」を読む

d0001004_10544318.jpg 堤未果「ルポ貧困大国アメリカ」を読んだ。
 だいぶ売れているようで、店頭では品切れ状態が続いていて、ようやく入手できました。
 アメリカ社会の現状レポートで、前半は貧困と肥満の関係、民営化による悲惨な現実、そしてべらぼうな医療費で貧困そうに転落する様子が克明に描かれています。
 そして後半に入ると貧困層の若者が戦争の前線の兵士となって戦争の直接の担い手になっているばかりか、戦争の民営化によって貧困層が戦争にかり出されていく様子が描かれています。貧困層の創出と民営化が徴兵制の代替とはひどいですね。
 いずれも特に目新しい情報ではなく、いろんな本や雑誌、TVなどで報道されています。でも、こういった風にアメリカの貧困層といったくくりでレポートされるとインパクトありますし、いろいろ考えさせられます。
 アメリカの対するイメージとしては、最近少し陰りは見えつつあるとはいっても、一人勝ち状態で世界をリードし続けており、それは徹底的な民営化であり、その源泉は起業家精神あふれる自由な風土といったとこでししたね。
 でもこの本では、その底辺にあるアメリカの陰の部分をクローズアップしています。
 特に医療費のべらぼうな高さと、一旦病気になると、貧困層に転げ落ちてしまう様は超大国アメリカのとは思えないほどの悲惨さです。
 
 岩波書店(岩波新書)、2008年02月15日第3刷(2008年01月22日第1刷)、735円、新書版、212頁。
 著者の堤未果さんは生年月日未詳ですが、国際関係論を専攻して、現在はアメリカ関係のジャーナリスト兼ニュースキャスターのようです。
 目次:プロローグ、第1章 貧困が生み出す肥満国民、第2章 民営化による国内難民と自由化による経済難民、第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々、第4章 出口をふさがれる若者たち、第5章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」、エピローグ。

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by daisenhougen | 2008-02-24 07:00 | 読書-詩歌小説評論他

梅田望夫「ウェブ時代をゆく─いかに働き、いかに学ぶか」を読む

d0001004_14101114.jpg 梅田望夫「ウェブ時代をゆく─いかに働き、いかに学ぶか」を読んだ。
 同じちくま新書の一昨年に刊行された「ウェブ進化論」の続編です。前著ではGoogleの先進性について多くのことを教えてもらいました。今回もその延長線の著作で、ウェブの世界の今をちょっとセンセーショナルに紹介してくれています。
 「あとがき」によればウェブ時代の「学問のすすめ」を目ざして書いたようですが、福沢諭吉を気どるとはすごい自信家ですね・・・。
 ネット空間は「知と情報」に関しては「リアルの地球」と同じくらい大きな「もうひとつの地球」とも言うべき存在に発展していくとのご神託がまず最初です。そして、そのようなネット時代の生き方を指南する本ようです。
 今ネット上で起きているいろんな動きや試みの紹介としては、かなりうまく紹介してくれています。わたしのような典型的な文科系の人間には目から鱗の情報が満載で、楽しく読まさせてもらいました。
 でも、10年後はともかく、現時点ではネットで入手できる情報はまだまだ貧弱ですよね。もうひとつの地球なんてレベルではなく、地球と砂粒ぐらいの規模の違いが有るような気がします。
 進歩に期待ですね(特にグーグル・ブックサーチが全ての言語の全ての書籍を公開できたら凄いですね)。夢があるのは良いことですからね。
 手ぶらで知的生産なんて概念も魅力的です。
 わたし的には、現時点における「手ぶらの知的生産」の実践的方法をもう少し詳しく紹介してほしかったです。

 筑摩書房(ちくま新書)、2007年11月20日第2刷(2007年11月10日第1刷)、777円、新書版、256頁。
 目次は次の通り。序章 混沌として面白い時代、第1章 グーグルと「もうひとつの地球」、第2章 新しいリーダーシップ、第3章 「高速道路」と「けものみち」、第4章 ロールモデル思考法、第5章 手ぶらの知的生産、第6章 大組織vs.小組織、第7章 新しい職業、終章 ウェブは自ら助くる者を助く。

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by daisenhougen | 2008-02-23 14:15 | 読書-詩歌小説評論他

鈴木淳史「愛と妄想のクラシック」を読む

d0001004_19374512.jpg 鈴木淳史「愛と妄想のクラシック」を読んだ。
 プロローグによれば「音楽が自らの具体的な経験や思考と結びつく様子」を書いてみたいということのようです。
 まぁ、著者本人の恋愛話をクラッシックの曲目及び演奏批評をくっつけた著作ですね。 かなりあけすけに自分の恋愛話を書いています。そしてその恋愛に結びついたクラッシック音楽の記憶を一緒に語るといった作りです。取り上げられている曲はモーツァルトやマーラーなどのおなじみの曲からヴィシネグラツキーなんて聞いたことのない曲までヴァラエティにとんでます。
 くっついたり離れたりの恋愛話が延々と書かれていて、最終章に至っては結婚寸前に婚約者に逃げられる話まで書いてます。かなり露悪的ですね。
 何もこんな形でクラッシック音楽批評を書かなくてもと思ってしまった本でした。
 洋泉社(洋泉社新書y)、2007年11月21日初版、819円、新書版、224頁。
 著者の鈴木淳史(1970-)さんは私批評を標榜するクラシック音楽評論家のようです。
 目次を写しておきます。第一章「適度な快活さで」、第二章「スケルツォ―狂想的に」、第三章「アダージョ―ほとんどアンダンテのように」、第四「章葬送行進曲風の主題によるロンド」。

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by daisenhougen | 2008-02-22 19:38 | 読書-詩歌小説評論他