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川上弘美「どこから行っても遠い町」を読む

d0001004_1412732.jpg 川上弘美「どこから行っても遠い町」を読んだ。
 前作の小説「風花」が4月でしたから、割と早いペースでの刊行でした。ファンとしてはうれしい限りです(その時の感想はこちら)。
 今回の作品は4編が2005年11月号から「小説新潮」に、残りが「yom yom」に連載されたようです。
 さっそく読んでみました。
 前作の「風花」は正真正銘の長編小説でしたが、今回は淡い結びつきの短編をつなぎ合わせながら、読み進むにつれてくっきりとした輪郭ができてくるといった作りです。
 川上さん得意のパターンですね。
 そして、この作品の結びつきの中心にあるのが「町」です。
 「このあたりは都心から私鉄でも地下鉄でも二十分ほどという、しごく便利な土地だ。マンションやアパート、一戸建ての住宅が、ごちゃごちゃとまじり建っている。人口が多いせいか、大型のスーパーマーケットが一軒、中型のが二軒あって、どこも繁盛しい入るらしく見えるにもかかわらず、商店街の小店もつぶれたりせずにそれなりに善戦している」といった場所です。
 その町の小さな魚屋「魚春」の奇妙な話からスタートし、その後の短編ではその町なり魚屋と何らかの関わりのある人々の物語が紡ぎ出されています。
 そして最後の短編で、奇妙な話が解決するといった案配です。
 まぁ川上ワールドですから、合理的な解決からはほど遠い作りなのはもちろんですがね。なんせ死んだ奥さんの回想ですから。
 この作品の中心テーマともいう部分を引用しておきます。
 「生きていても、だんだん死んでゆく。大好きな人が死ぬたびに、次第に死んでゆく。死んでいても、まだ死なない。大好きな人の記憶の中にあれば、いつまでも死なない。」
 「平蔵さんが死んでも、源二さんが死んでも、あたしのかけらは、ずっと生きる。そういうかけらが、いくつもいくつも、百万も千万もかさなって、あたしたちは、ある。
 いつか人間がこの世から絶えてしまうまで、あたしも、平蔵さん、源二さんも、生きている。この町の、今ここにいる人たちにつらなる、だれかの記憶の奥底で。そのだれかにつならる、またほかのだれかの記憶の奥底で。」

 目次:小屋のある屋上、午前六時のバケツ、夕つかたの水、蛇は穴に入る、長い夜の紅茶、四度めの浪花節、急降下するエレベーター、濡れたおんなの慕情、貝殻のある飾り窓、どこから行っても遠い町、ゆるく巻くかたつむりの殻。
 新潮社、2008年11月20日発行、1575円、四六版、294頁。

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by daisenhougen | 2008-11-30 07:11 | 読書-詩歌小説評論他

CD「稲垣潤一/男と女 -TWO HEARTS TWO VOICES-」を買う

d0001004_12381962.jpg CD「稲垣潤一/男と女 -TWO HEARTS TWO VOICES-」を買った。
 わたしにとって稲垣潤一のCDを買ったのははじめてです。
 特に好みの歌い手というわけでは無かったのですが、J-POPの名曲をデュエットに編曲した上で、全編新録でカバーしたとのコンセプトにひかれて買ってしまいました。
 結構選曲もイイですし、デュエットの相手の人選も素晴らしいです。
 もちろん稲垣さんのアルバムですから、稲垣さんの歌うパートが多いのは仕方がないんでしょうが、わたし的には女性陣のパートをもう少し前面に出して、稲垣さんは黒子に徹した方がよりよかった気もしました。
 でも、企画力としては素晴らしかったですね。保存版のアルバムになりました。
  
 収録曲とデュエット相手を写しておき増す。
 01.Hello,my friend(Duet with 高橋洋子)
 02.悲しみがとまらない(Duet with 小柳ゆき)
 03.あなたに逢いたくて~Missing You~(Duet with 松浦亜弥)
 04.PIECE OF MY WISH(Duet with 辛島美登里)
 05.セカンド・ラブ(Duet with YU-KI from TRF)
 06.サイレント・イブ( Duet with 大貫妙子)
 07.あの日にかえりたい(Duet with 露崎春女)
 08.人生の扉(Duet with 白鳥英美子&白鳥マイカ)
 09.木綿のハンカチーフ(Duet with 太田裕美)
 10.秋の気配(Duet with 山本潤子)
 11.ドラマティック・レイン(Duet with 中森明菜)

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by daisenhougen | 2008-11-29 06:37 | CD・DVD・ビデオ

武光誠「蘇我氏の古代史」を読む

d0001004_1236597.jpg 武光誠「蘇我氏の古代史」を読んだ。
 どちらかといえば逆賊的なイメージがついている蘇我氏について、最近の学会では復権の動きが出ているようです。
 この著作もその流れの一つのようです。
 そもそも蘇我氏の本家は六世紀なかばの稲目の時に、急速に勢力を拡大し、馬子、蝦夷、入鹿の四代であっというまに滅んでしまった一族です。
 この蘇我氏の時代とも言える時期に、蘇我氏の主導のもとで日本は中国の先進文化をとりいれて、大王の権力の強化をはかってきた。
 特に蘇我稲目は、仏教に代表される大陸の先進文化を積極的に取り入れる策をとった。このような蘇我氏の決断がなければ、聖徳太子の活躍も見られなかったろうと評価しています。
 この時代はまさに蘇我氏の時代と捉えることもできそうです。
 そのような蘇我一族も結局は才能にあふれる入鹿が、その独裁的動きを強めるとともに、蘇我氏への独裁に対する反感が高まってきた。
 そしてその専制化を阻んだのが、中臣鎌足ということになるようです(結果、その子孫の藤原氏が宮廷一の地位となってゆくのは当然の帰結ですね)。
 出自もわからない一族がいかに権力を握り、短期間に滅亡したかをスリリングに記述してくれている好著でした。
 
 著者の武光誠(1950年ー) は日本古代史専攻で明治学院大学教授とのことです。
 目次:第1章 蘇我系大王の登場;第2章 蘇我稲目の時代;第3章 静かなる策士・蘇我馬子;第4章 蘇我・物部の戦い;第5章 用心深い二代目・蘇我蝦夷;第6章 王位争いと蘇我蝦夷;第7章 才能におぼれた蘇我入鹿;第8章 蘇我入鹿と山背大兄王;第9章 入鹿暗殺;第10章 蘇我石川麻呂の滅亡
 2008年06月30日初版2刷(2008年05月15日1刷)798円、253頁

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by daisenhougen | 2008-11-28 06:35 | 読書-詩歌小説評論他

雑誌「PEN(ペン) 2008年12月01日号」を拾い読み

d0001004_10311568.jpg 雑誌「PEN(ペン) 2008年12月01日号」(阪急コミュニケーション)を拾い読みした。
 今回の特集は「新たな創造性を求めて、デジタル×写真術。」です。
 写真がデジタル化することによってアート写真はどのように変わったのかの特集です。
 まず最初に「写真家・東松照明が撮る、「沖縄」の情景。」ということで、東松さんといえば作風から言えばデジタルからは遠い存在に思ってましたが、そうじゃないのがほほえましくもありました。
 そして「写真を刺激する、新時代の作家たち。」ということで9名の写真家のデジタルならではの写真表現が紹介されていました。 
 かなり刺激的な作品が並んでました。しかもデジタルでしかできない表現ですね。
 取り上げられている写真家はアンドレアス・グルスキー、デーシレー・ドルロン、ジュリオ・ビッテンコート、ロレッタ・ルックス、フィリップ・トレダノ、ステファン・ルイ、オリ・ガーシュト、高木こずえ、屋代敏博の各氏です
その他にも欧州のカメラ見本市の紹介からおすすめカメラやソフトウェアの紹介と盛りだくさんでした。
 デジタル表現の今を知ることができる好企画でした。

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by daisenhougen | 2008-11-27 07:00 | 雑誌など

宮下誠「カラヤンがクラシックを殺した」を読む

d0001004_1714392.jpg 宮下誠「カラヤンがクラシックを殺した」を読んだ。
 カラヤン生誕100周年という事で、カラヤンのCDが再発されたり結構賑々しいですね。
 そういった中で、カラヤン嫌いらしい著者がカラヤンにブーイングの著作を出しましたといったとこですかね。
 ただ学者としては、単に嫌いですと言うことで済ますわけにいかなかったのでしょう。せっせと思想的なものと絡めて論じています。
 でも、カラヤンの音楽がそんなに思想論的に論ずるほど価値あるのといいたいですね。
 ひたすら美しく、ひたすら表層的に、ひたすら軽く音楽を作った、単なる職人的指揮者じゃないですか。
 拝金主義だとかいったところで、別に職業指揮者の評価を落とすことでもないですしね。
 しかもそんなことはカラヤン存命中から散々言われ尽くした評価です。
 何を今更といった感じです。
 まぁ、カラヤンなんて、そんなに力まなくても、段々忘れられるだけに過ぎない存在の気がしますよ。
 それに対する指揮者として、著者はクレンペラーとケーゲルという指揮者をめちゃくちゃ持ち上げています。
 クレンペラーはかつて熱心に聞いたことがあります。
 こんなに褒めあげなくても、カラヤンよりすぐれてるのは当たり前です、といった存在です。
 比較したらクレンペラーがかわいそうですよ。
 ケーゲルという指揮者は、わたしのカバーの範囲外の指揮者です。
 そんなに陰々滅々な音楽を奏でるなんて、チョット興味ひかれました。
 ぜひ聴いてみなくてはなりませんね。
 わたしにとってはこの著作で唯一の役に立ちそうな情報でした。
 とにもかくにも仰々しすぎるCD紹介本でした。
 やっぱり宮下さんは、本職の絵画論に絞った活動の方が冴えている気がしました。

 目次:第1章 音楽の悪魔―プロレゴーメナ、第2章 流線型の美学―ヘルベルト・フォン・カラヤン(1908~1989)、第3章 孤高の絶対音楽―オットー・クレンペラー(1885~1973)、第4章 絶望の音楽―ヘルベルト・ケーゲル(1920~1990)。
 光文社(光文社新書)、2008年11月20日初版1刷、861円、新書版、286頁

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by daisenhougen | 2008-11-26 07:01 | 読書-詩歌小説評論他

長谷川裕行「デジタルカメラ「プロ」が教える写真術」を読む

d0001004_16581494.jpg 長谷川裕行「デジタルカメラ「プロ」が教える写真術」を読んだ。
 表題の「プロ」が教えるなんて題名にひかれて読んでみました。副書が「機材選びから撮影、画像補正まで」とはなっていますが、中心はPhotoshopによる画像補正です。
 最近のデジタル一眼レフはカメラ任せでほとんど撮れてしまう。でも、それはカメラ設計が平均的ユーザー向けに設定された写真に過ぎない。単なる記念写真ではなく、撮る人の表現意識を込めるには、カメラ任せではいけませんよ。といった観点から書かれています。
 非常にタメになりました。
 デジタル一眼レフの現状から問題点、課題まで、まさに「プロ」の視点から記述されていました。
 ただ、デジタル写真の世界の紹介とPhotoshopの解説書としての役割と両方を兼ねようと思った為に、前半部分と後半部分がチョット統一性がない感じがしましたね。
 また、講談社のホームページにPhotoshopの操作の詳細が掲載されているのはうれしいのですが、残念ながら印刷できない仕様になってました。
 この本の至るに参照せよと書いてあるので、本を読んだりパソコン画面を見たりと煩わしいことこの上なしでした。
 わたしもJPEGでなくてRAWでの保存と現像に挑戦してみようかなぁ。

 著者の長谷川裕行さんはデジタル画像処理の専門家のようです。
 目次:第1章 デジタル写真のプロフェッショナルとは?―イントロダクション、第2章 プロは道具にこだわる―デジタルカメラ、パソコン、ソフトウェア、etc.、第3章 デジタル画像の基礎知識―最低限押さえておきたい基礎知識、第4章 レンズ、露出の基礎知識―プロが知っておくべき撮影中の技、第5章 データの整理とPhotoshopによる画像補正の基礎―プロが知っておくべき撮影後の技(1)、第6章 Photoshopによる高度な画像補正―プロが知っておくべき撮影後の技(2)、第7章 RAW現像とフィルムのスキャニング―プロが知っておくべき撮影後の技(3)、第8章 プリントのテクニック―プロが知っておくべき撮影後の技(4)。
 講談社(ブルーバックス)、2008年09月18日第2刷(2008年08月20日第1刷)、1,260円、新書版、254頁。

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by daisenhougen | 2008-11-25 06:57 | 読書-詩歌小説評論他

映画「BOY A」を見る

d0001004_15554928.jpg 昨日(11月23日)「シネアミューズ」で映画「BOY A」を見た。
 ビックリしました。こういった重い内容の映画ですから、敬遠されて閑散としてるかと思いきや、ビッチリ満席でした。
 新聞なんかで少年犯罪者を少年Aなんて書いてありますが、英語でもBOY Aなんて表現なんですね(まぁ日本で単に直訳して使ってるだけなんでしょうね)。
 それにしても見た後にずっしりとしたものが残る、内容がぎっしり詰まった作品です。
 一旦、犯罪を犯せば、いかなる事情があっても、更正はゆるされないのかという問題提起を突きつけられる作品です。
 全ての犯罪に対して厳罰化が声高に叫ばれている、まさに「今」に大きな問いかけを提起してくれています。
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 それを青年の行動と内面両面から丁寧に丁寧に描き込んでいます。
 アンドリュー・ガーフィールドが生き生きと青年を演じ、恋愛までするのに、希望が実現するかと思われた時に、全てが一変してしまうストーリーは衝撃的です。
 青年の哀れさが一層際立ち、見ていても胸が塞がれる思いです。
 しかもその原因をもう一つの家族問題に絡めて、一層作品に陰影を加えています。
 こういったきわどいテーマをキッチリ描ききった監督に拍手です。
 素晴らしい作品でした。

 2007年、イギリス、107分、原題:BOY A
 監督:ジョン・クローリー、原作:ジョナサン・トリゲル、出演:アンドリュー・ガーフィールド、ピーター・ミュラン、ケイティ・リオンズ、ショーン・エヴァンス、シヴォーン・フィネラン他。

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by daisenhougen | 2008-11-24 08:55 | 鑑賞記-映画

「アンドリュー・ワイエス-創造への道程-」を見る

d0001004_15531328.jpg 昨日(11月23日)「Bunkamuraザ・ミュージアム」で展覧会「アンドリュー・ワイエス-創造への道程-」を見た。
 ワイエス展といえば昨年「青山ユニマット美術館」で開催されたのが、小規模だったのでちょっと残念な思いをしましたね。
 さてさて今回はどうかと訪ねてみました。
 「アメリカの原風景を描くアンドリュー・ワイエス(1917年-)は、アメリカン・リアリズムの代表的画家です。彼は水彩画家としてスタートした画家であり、その一技法であるドライブラッシュをはじめ彼の水彩や素描は、テンペラに劣らない見ごたえがあります。本展は、テンペラやドライブラッシュの作品に至る素描や水彩の作品を関連付けて紹介し、ワイエスの創造のプロセスに焦点を当てます。ワイエスの出身地チャッズ・フォード(ペンシルヴェニア州)を描いた作品と、別荘のあるメイン州を描いた作品の約150点により彼の全体像を紹介するとともに、制作の過程を明らかにする展覧会として開催します」とのことです。
 「Ⅰ.自画像」、「Ⅱ.メイン州」、「Ⅲ.ペンシルヴェニア州」といった区分で展示してありました。
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 まず最初の自画像は2枚のテンペラ画と鉛筆や水彩の習作が展示してあり、結構インパクトがありました。
 ただ段々見て行く内に、展示の中心はほとんどがスケッチや習作だということがわかってきました。
 しかも習作だけで本画は写真なんてもあったりして、期待が大きかっただけに、チョット肩すかしにあった感じです。
 本画といえる作品も「福島県立美術館」など国内収集品がほとんどでしたし、習作も「丸沼芸術の森」のものがかなりの比率をしめてました。
 海外から来たのはワイエス家で所蔵している習作のたぐいぐらいだったのはチョット残念でした。
 でも、そんな文句を言ってみても始まりません。ワイエスの作品がこうやってまとめて拝見できるだけでも感謝。感謝です。
 この静謐な雰囲気と繊細な筆使い、そして淡い色使いの色彩感を眺めているだけで、うっとりしてしまいますね。
 思っていたより、見ている人が多かった気もしますが、鑑賞に支障があるほどではありませんでした。
 何度も行ったり来たしながりしながら、ワイエスの世界を満喫させてもらいました。
 でひぜひ再訪しなくてはなりませんね。
 図録読んでから感想続けます。

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by daisenhougen | 2008-11-24 08:52 | 鑑賞記-展覧会

「池口史子展 静寂の次」を見る

d0001004_15182833.jpg 昨日(11月23日)「松濤美術館」で展覧会「池口史子展 静寂の次」を見た。
 池口史子(1943年~)さんの作品は「両洋の眼」展などで何度か拝見したことがあります。でも、まとめて拝見するのは今回がはじめてです。
 大学在学中の初期の作品から最新作まで100点ほどの展示してあり、全貌を知ることができる展示でした。
 最初は初期作品ですが、かなり前衛的な画風からスタートしているのがほほえましいですね。
 徐々に画風を確立し、結局は風景画と人物画そして花とテーマは3つに絞り込まれているようです。

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 そして風景画も人物画もすべて対象は海外の風景と外国人になっています。洋物がお好きのようです。どういったこだわりから、こういう限定となっているんでしょ。
 どこか寂しげで物憂げなテーストはわたしの好みですから、充分楽しみながらその世界に浸ることができました。
 レベルの高い作品がいっぱいでした。
 ただ、見終わった後で、なにか物足りなさが残ったのは事実です。
 なにかきれい事だけに終始している気がするんですね。グッと惹きつけてやまないインパクトがやや不足している感じがします。
 なんといったらいいんでしょう。どこか高級イラストといった感じかもしれませんね。
 まぁ、歳を重ねる毎に凄みを増してくる画家もたくさんいますので、そちらを期待したいですね。
 ちなみに旦那さんは堺屋太一さんだそうです。
 
、図録読んでから感想続けます。

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by daisenhougen | 2008-11-24 08:30 | 鑑賞記-展覧会

「近世初期風俗画 躍動と快楽」を見る

d0001004_15134421.jpg 昨日(11月23日)「たばこと塩の博物館」で展覧会「近世初期風俗画 躍動と快楽」を見た。
 この博物館の開館30周年記念の特別展とのことです。
 さすがに気合いの入った展示でした。日本各地から集めた屏風絵が一同に集められていました。 近世初期と言うことは16世紀末~17世紀中頃で慶長から寛文の頃の作品のようです。
 こんな素晴らしい展示とわかっていれば、もっと早くに訪れたのですが、残念ながら最終の展示替えのみの拝見となりました。


d0001004_15135395.jpg まず最初に「醍醐花見図」からスタートです。
 秀吉のお花見の様子が大きな屏風に描かれた作品で、華やかで楽しい作品です。
 次に「洛中洛外図 歴博D本」。
 名高い名品にようやく出会えました。色合い的には古色の風格ですが、街並みと登場人物を眺めていると飽きることがありませんね。
 混雑していませんので、じっくり拝見できました。
 更には「北野社頭図」と「四条河原遊楽図」といったもともと対の作品が並べて展示してあるのも見物でした。こういった展示は滅多にないでしょうからね。
 その他にも「遊楽人物図」をはじめとして見応えのある作品がびっしりの展示でした。これで300円ですから、太っ腹の展示でした。
 図録読んでから感想続けます。

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by daisenhougen | 2008-11-24 08:13 | 鑑賞記-展覧会