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「特集陳列 平成21年新指定国宝・重要文化財」を見る

d0001004_11411514.jpg 昨日(04月29日)「東京国立博物館」で展覧会「特集陳列 平成21年新指定国宝・重要文化財」を見た。
 ゴールデン・ウィークにあわせてこんな素晴らしい特集展示が企画されたんですね。例年開催されていたんでしょうか。わたくしはじめて知りました。
 わたしが東京を離れている時期ですので、あわてて見てきました。
 「平成21年(2009)に新たに国宝・重要文化財に指定される美術工芸品等から39件(写真パネル展示3件含む)を展示いたします」とのことです。
 まずはお目当ての絵画関係ですが、今回、唯一国宝に指定された与謝蕪村の「夜色楼台図」は残念ながら保存上の問題から展示されてませんでした。でもまぁ「対決展」でじっくり拝見させてもらっているので我慢するしかないですね。

d0001004_11413663.jpg 最大の目玉展示は、重要文化財に指定された伊藤若冲の「菜蟲譜」でしょうか。
 ようやく拝見することができました。
 ただ、展示されているのは最後の部分の一部だけでした(たぶん4分の1も展示されていない気がしました)。
 結構長尺な作品なのに残念でした。せめて半分ずつぐらいは展示替えでも良いので展示して欲しかったですね。
 まぁ、最後の部分だけでも、まがうことなき若沖のオーラは感じることはできましたので、全巻拝見は後日に期待と言うことにしておきましょう。
 次には巨大な「白衣観音図」などのど迫力も凄かったですね。
 岩佐又兵衛の「弄玉仙図」も又兵衛様のふっくらとした顔立ちが特徴的な作品でした。
 その他には多くの書跡なども展示されてましたが、こちらは、わたしにはハードルが高かったですね。
 考古学的な発掘品もかなりたくさん展示してありました。
 この中ではなんといっても国宝指定の「土偶」でしょう。古代のおおらかな姿に夢誘われました。
 仏像も結構たくさん展示してありました。この中では日本流失騒動で大騒ぎになった運慶の「大日如来坐像」が重文指定になって、めでたく展示されてました。
 展示期間も短く、かなりぶっきらぼうな展示でしたが、見応え十分の展示でした。
 できれば、もう少し展示期間を長くして、図録なんかも出してくれたらいいんですがね。
 常設展示もザーッと見て回りました。
 国宝展示コーナーでは「国宝 普賢菩薩像」でした。これは再見ですね。
 狩野山楽「車争図屏風」、鳥居清倍「市川団十郎の竹抜き五郎」、鈴木春信「見立黄石公張良」、葛飾北斎「渡辺の源吾綱 猪の熊入道雷雲」あたりが展示替えでの目玉作品ですね。

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by daisenhougen | 2009-04-30 07:40 | 鑑賞記-展覧会

「Story of …カルティエ クリエイション」を見る

d0001004_113849100.jpg 昨日(04月29日)「東京国立博物館」で展覧会「Story of …カルティエ クリエイション~めぐり逢う美の記憶」を見た。 こちらで同時開催の阿修羅展は夕方にもかかわらず30分待ちでした。
 なんとなく、こちらの展示の方はガラガラだろうなんて勝手に想像しながら入館しました。
 ところが会場内は観客でぎっしりとなってました。
 しかも客層が圧倒的にカップルが多いんです。なにか宝飾店をカップルで見に来ているといった雰囲気でした。
 一人で訪れた中年オヤジには、場違いな空間に迷い込んだような感じになって、すっかり面食らってしまいましたね。
 今回の展示は「日仏交流150周年を記念し、フランスを代表するジュエラー、カルティエが所有する1370点のアーカイヴピースを中心に、276点を展示。監修・デザインの吉岡徳仁氏が、それぞれの宝飾品に秘められたストーリーを演出します」とのことです。

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by daisenhougen | 2009-04-30 07:37 | 鑑賞記-展覧会

「日本の美術館名品展」を見る

d0001004_1136920.jpg 昨日(04月29日)「東京都美術館」で展覧会「日本の美術館名品展」を見た。
 日本の公立美術館が協力・連携する組織として美術館連絡協議会というのがあるそうです。現在加盟しているのは124館だそうです。
 今回の展覧会はその「美術館連絡協議会の創立25周年を記念して開催するもので、教科書に載っている作品から、これまで美術館を出たことがない作品まで、西洋絵画50点、日本近・現代洋画70点、日本画50点、版画・彫刻50点の220点により、日本のコレクションのひとつの到達点をお見せします」とのことです。

d0001004_11362437.jpg まず最初は西洋絵画及び彫刻からスタートです。
 さすがに公立美術館のお宝を勢揃いさせただけのことはあります。
 「山梨県立美術館」からはミレー「ポーリーヌ・V・オノの肖像」、「福島県立美術館」からはピサロ「エラニーの菜園」、「豊田市美術館」からはエゴン・シーレ「カール・グリュンヴァルトの肖像」といった具合に名品が目白押しです。
 ただ、この三点からもわかるように、それぞれの美術館の人気ナンバーワンを出品しているわけではないんですね。 
 それぞれ「山梨県立美術館」のミレーの「種をまく人」でしょうし、「福島県立美術館」だったらワイエス、「豊田市美術館蔵」だったらクリムトといった作品は外してありました。
 他の美術館も同じような感じでした。
 まぁ、この展覧会でサワリを紹介して興味を持ってもらい、一番の名作は美術館にお越し下さいと言ったとこなんですかね。
 その後は日本人による洋画、日本画、版画といった展示が続きました。
 いずれも充実した作品が勢揃いでした。
 日本画の方は展示替えがありますので、もう一度訪ねなくてはなりませんね。

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by daisenhougen | 2009-04-30 07:35 | 鑑賞記-展覧会

「水墨画の輝き―雪舟・等伯から鉄斎まで―」を見る

d0001004_11332996.jpg 昨日(04月29日)「出光美術館」で展覧会「水墨画の輝き―雪舟・等伯から鉄斎まで―」を見た。
 今回の出光美術館は出光コレクションによる水墨画のお宝公開です。
 展示は第一章水墨山水画の幕開け、第二章阿弥派の作画と東山御物、第三章初期狩野派と長谷川等伯、第四章新しい個性の開花ー近世から近代へといった区分となってます。
 まず最初は雪舟「破墨山水図」からスタートです。雪舟なんてのをもってこられると、黙って拝見させてもらいますってことになっちゃいますね。



d0001004_11335071.jpg 次は阿弥派というかなりマニアックな世界に入り込んできます。能阿弥・相阿弥といった室時代の作品たちです。このあたりを自由に鑑賞できればなぁと思いながら、目をこらしてきました。
 長谷川等伯の虎など作品は今回に展示のハイライトでした。
 最後は出光コレクションの様々な水墨画の数々のそろい踏みでした。
 もちろん仙厓さんもありました。


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by daisenhougen | 2009-04-30 07:31 | 鑑賞記-展覧会

「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展」を見る

d0001004_119164.jpg 昨日(04月29日)「日本橋高島屋」で展覧会「浮世絵 ベルギーロイヤルコレクション展」を見た。
 この展覧会は昨年の09月に「太田記念美術館」で開催された後、京都の高島屋に巡回し、再び東京に戻ってきました。
 「太田記念美術館」の時も前期と後期では7点だけが共通で、残りは全面展示替えでした。後期しか見ることができずに、悔しい思いをしたことを覚えています。
 さて、今回の展示は開催がたったの13日間と短く、しかもゴールデン・ウィークの時期と、わたしが東京を離れている時期ですので、あわてて見てきました。
 「本展でご紹介するベルギー王立美術歴史博物館とベルギー王立図書館のコレクションは、世界屈指の保存状態といわれ、出版当初の色彩を保ち、浮世絵本来の豊かな色を鮮やかに伝えます。その8,000点のコレクションから特別に選んだ写楽、歌麿、春信、北斎、広重、国貞、国芳ら、江戸を代表する数多くの絵師による、日本初公開作品を含む150余点を一堂に展観」とのことです。

d0001004_1184786.jpg まさに保存状態の素晴らしい、傑作揃いの作品がずらりと並んでいます。
 最初は春信からスタートです。
 なんと16点もの作品がそろい踏みです。浮世絵の原点を象徴する素朴な味わいを愉しむことができました。
 清長は8点。「吉原歓々楼遊興」のような3枚続きの大作もありましたね。
 歌麿は29点。「青楼十二時 続」の全点や「高名美人見たて忠臣蔵十二段つゞき」の内11点などシリーズ続きが一括展示も嬉しかったです。
 この展覧会の目玉、写楽は11点。寡作の写楽の程度の良い版がたくさん拝見できて嬉しい限りでした。
 もちろん北斎、広重もたくさん優品が並んでましたが、こちらはさんざん見慣れた作品が多かったですね。
 最後になんと言っても充実していたのが国芳ですね。
 「金魚づくし」のような愛らしい作品から「人かたまつて人になる」のようなだまし絵的作品。そして「相馬の古内裏」のような大作まで、素晴らしい作品が揃ってました。
 本当に充実した里帰り展示でした。
 最後にチョット苦情を。
 デパートの展示ではいつものことですが、展示リストがありません。
 しかも図録は3展示会場のすべての作品が掲載されているので、この展示にはその中からどれが展示されたのかを確認するすべがありません。
 いくらデパートの客寄せ企画と言っても、文化的な事業に関わっている意識を持って、展示リストぐらい準備して欲しいですね。ネット上で公開だったら費用だってかかんないんですからね。

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by daisenhougen | 2009-04-30 07:08 | 鑑賞記-展覧会

臼杵陽「イスラエル」を読む

d0001004_1162858.jpg 臼杵陽「イスラエル」を読んだ。
 イスラエルについてコンパクトに伝えてくれる本に出会えました。
 イスラエルと言えばシオニズムとの関連が強くインプットされていていました。でも、この本を読んで、あまりに偏った知識しか持っていなかったのを実感させられました。  イスラエル建国前史から建国、その後の変容、そして現在まで時代を追いながら丁寧にえがきこんでいます。
 そして著者がイスラエルをとらえる前提としているのが「イスラエルが多文化主義に向かっている」ことです。
 その多様性ゆえにイスラエルは深刻な分裂状態におちいっているという認識です。以下の大きな3つの対立をあげています。
 「イスラエルを世俗的なユダヤ民族国家として維持しつづけるのか、それともユダヤ教国家にすべきなのかという、政教分離の原則にかかわる問題をめぐる対立」、「ユダヤ人の出身地域における文化的差異に基づくアシュケナジームとミズラヒーム、あるいはロシア系ユダヤ人やエチオピア系ユダヤ人といった新たな移民集団の登場に伴うエスニックレベルでの対立」、「同じイスラエル国籍といってもユダヤ市民とアラブ市民の間の民族的な対立」。
 まさに目から鱗の分析です。
 イスラエルについてこれほど多重的にとらえてくれた著作にははじめて出会えました。 こういった前提から見れば、近年のナショナリズム的なイスラエルの行動も了解できました。日々のニュースで伝えられるイスラエル情勢も腑に落ちる気がします。
 専門化畏るべしと言った素晴らしい著作でした。

 著者の臼杵陽(1956-)さんは中東地域研究専攻の日本女子大学教授とのことです。
 目次:はじめに、第1章 統合と分裂のイスラエル社会(1 ユダヤ民族とユダヤ教のはざまで―超正統派ユダヤ教徒と世俗的ユダヤ人、2 ヨーロッパ的イスラエルの中の「オリエント」―アシュケナジームとミズラヒーム、3 イスラエルにおける民族対立―ユダヤ人とアラブ(パレスチナ)人)、第2章 シオニズムの遺産(1 「離散の否定」としてのシオニズム、2 シオニストの夢と現実、3 委任統治期パレスチナとユダヤ人社会の発展)、第3章 ユダヤ国家の誕生(1 ナチス・ドイツとパレスチナ、2 国連パレスチナ分割決議とイスラエル独立戦争、3 イスラエル建国とパレスチナ難民問題)、第4章 建国の光と影(1 ベングリオン時代のシオニズムとユダヤ教、2 イスラエルの発展と新移民、3 アイヒマン裁判とホロコースト再論)、第5章 占領と変容(1 第三次中東戦争と大イスラエル主義、2 一九七〇年代の「オリエンタル・リバイバル」、3 ユダヤ入植者とパレスチナ人)、第6章 和平への道(1 リクード政権の成立、2 一九八〇年代の政治変動、3 湾岸戦争からオスロ合意へ)、第7章 テロと和平のはざまで(1 オスロ合意の破綻、2 シャロン政権と9・11事件、3 シャロン後のイスラエル)、終章 イスラエルはどこに向かうのか(1 分裂する国家像、2 アメリカ問題としてのイスラエル)、あとがき。
 岩波書店(岩波新書)、2009年4月21日第1刷、819円、新書版、256頁。

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by daisenhougen | 2009-04-29 07:01 | 読書-詩歌小説評論他

雑誌「朝日ジャーナル 2009年04月30日増刊」を拾い読み

d0001004_1101773.jpg 雑誌「朝日ジャーナル 2009年04月30日増刊」を拾い読みした。
 1959年に創刊され1992年に休刊となった「朝日ジャーナル」が「週刊朝日」の増刊として復活したとのことでしたが、いつもの書店の店頭では見つからずあきらめていました。 ところが、偶然、別な書店の店頭に並んでいるじゃないですか。さっそくゲットですね。 巻頭には見田宗介「現代社会はどこに向かうか」、加藤典洋「「連帯を求めて」孤立への道を」、髙村 薫「欲望の果てに、理性を」といった論文を並べ、浅田 彰・宇野常寛・東 浩紀鼎談「「言説空間」が失われ 批評と物語が衰弱したいま」、柄谷行人「国家と資本─反復的構造は世界的な規模で存在する」、鶴見俊輔「“大づかみ”できなくなった日本人 なぜ米国、米国と言い続けるのか?」と続きます。
 いささか時代遅れになった朝日新聞=岩波書店御用達の文化人が勢揃いといったところでしょうか(大江健三郎が欠けたのが残念でしたね・・・)。
 まぁ、500円の週刊誌としては望外のラインナップでした。
 これらを読むだけで十分元が取れますね。
 これら以外も、現在の雇用状況に対する若い人たちの論考がたくさん収録されていました。
 このあたりもいかにも朝日新聞でしょうね。
 わたしが高校生から大学生の頃に「朝日ジャーナル」が持っていた輝かしさは喪われています。
 そういった意味では時代に取り残された化石的な雑誌かもしれません。
 でも、こういった雑誌が居場所を失って、アエラのような雑誌に置き変わってしまっているのもいるのも、不快ではあります。

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by daisenhougen | 2009-04-28 07:59 | 雑誌など

太宰治「斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 他七篇」を読む

d0001004_10583180.jpg 太宰治「斜陽 人間失格 桜桃 走れメロス 他七篇」を読んだ。
 今年は太宰治の生誕100年ということで、太宰作品を原作とした映画が3本も準備されているようですし、なんと銅像まで造られるようです。
 なんとも、まぁ太宰らしくない動きとなってます。太宰治も草葉の陰で苦笑いといった感じでしょうかね。
 そんな世間の動きに触発されて、太宰の小説を読み返してみました。
 太宰治の作品を一番最初に読んだのが中学生の時ですし、その後も20代の始めぐらいまでは結構熱心に読んだ覚えがあります。文庫レベルで出版された作品はほとんど読んだ記憶があります。 今回は、それからウン十年ぶりの再読となります。
 この文庫本は500ページを超える1冊の中に太宰の代表作11編が収録され、これ1冊で太宰の代表作がほとんど読めてしまうような、大変お徳用な作りとなっています。再読にはピッタリですね。 
 収録されているのは、いずれもとびっきりの傑作揃いですから、古典的な風格を帯びています。
 繊細な感性のぴりぴり感に久しぶりに触れました。まさに太宰の世界ですね。
 
 目次:斜陽、人間失格、ダス・ゲマイネ、満願、富嶽百景、葉桜と魔笛、駆込み訴え、走れメロス、トカトントン、ヴィヨンの妻、桜桃、太宰治伝(臼井吉見)、作品解説(臼井吉見)、太宰治年譜(奥野健男)。
 文藝春秋(文春文庫)、2008年01月15日第5刷(2000年10月10日第1刷)、670円、文庫版、558頁。

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by daisenhougen | 2009-04-27 07:57 | 読書-詩歌小説評論他

映画「レッドクリフ PartⅡ」を見る

d0001004_10501836.jpg 昨日(04月25日)「ワーナーマイカル・シネマズ」で映画「レッドクリフ PartⅡ」を見た。
 「レッドクリフPartⅠ」を見たのが昨年の11月ですから、半年もたたない内の続編公開です(PartⅠの感想はこちら)。
 まぁ、PartⅠは前置きみたいな部分で、いよいよPartⅡが「赤壁の戦い」の本番です。 なんせ5万の劉備・孫権連合軍が80万の曹操軍を打ち破るといった「赤壁の戦い」です。 いかに知力の限りを尽くしたかが見所です。
 PartⅠの復習から入って、複雑な話をすっきり整理した上で、テンポよく話が進行してゆきます。
 もちろん随所にに有名どころのエピソードを盛り込んであり、あっという間に赤壁の戦いに突入です。
 中国の人民解放軍の全面協力によったと言うだけあって、人海戦術の作りはスケール満点です。
 結局は自然を味方につけた方が勝ったと言うことです
 まぁ、女に目がくらんだといったところが新味なんでしょうか。

d0001004_10503657.jpg リン・チーリンさんの美しさも、戦いのシーンの連続の中ではホッとする瞬間を提供してくれていました。
 頭を空っぽにして愉しむことができました。
 変な教訓めいたものがないのが何よりでした。

 2009年、アメリカ=中国=日本=台湾=韓国、原題:RED CLIFF: PART II、赤壁。
 監督・製作・脚本:ジョン・ウー、出演:トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイー、チャン・チェン、ヴィッキー・チャオ、フー・ジュン、中村獅童、リン・チーリン。

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by daisenhougen | 2009-04-26 07:49 | 鑑賞記-映画

藤田令伊「現代アート超入門!」を読む

d0001004_10481940.jpg 藤田令伊「現代アート超入門!」を読んだ。
 現代アートの入門書を買っても、作品以上にわけがわからない。やたら難しい話が延々と続いているといった著者の原体験から、「フツーの人にわかる現代アートの入門書がないのなら、いっそのこと、自分でかいちまえばいいじゃないか」ということのようです。 マチスとピカソからはじめて、だんだんと生粋の現代アートまで12点の作品を論じながら、現代美術の水脈もなぞってくれるといった作りです。
 さまざまな規範を破りながら、その表現の領域を拡張し続けた現代美術がついには「現今、アートには主流も傍流もなくなり、したがって、もはや水脈も定かに見いだすことはできない状況にある。あらゆる面においてアートに中心はなくなり、すべてが相対化しまじゃーるなものとなっている」と総括しています。
 簡単な現代アートの入門書としては、気軽に読むことができました。
 ざっくりと現代アートを理解するにはもってこいの好著です。
 ただ、作品を論じた部分はチョットものたりませんでした。
 右脳で感じるといった描き方で逃げている部分が目立ちました。
 やたら小難しい作品分析もひどいですが、右脳で感じるなんてことで済ませるのはもっと安易ではないでしょうか。
 
 著者の藤田令伊 (1962-)さんは編集者からアートライターとなった方のようです。 
 目次:本書について、そもそも、現代アートとは?―現代アートは「技術と都市に関係の深いアート」、1.伝統と違うから興味ない?、2.美しいとは思えないのだけれど?、3.何が描いてあるのかわからない、4.上手だとは思えないのだけれど?、5.これがアートといえるの?、6.そんなに値打ちのあるものなの?、7.わかったような、わからないような、8.何なのか、意味がわからない、9.アートとアートでないものの違いって?、10.許せる?許せない?、11.きれいなのに汚い?、12.名作はあなたが見つけるもの!、あとがき、主な参考文献。
 集英社(集英社新書)、2009年3月22日第1刷、756円、新書判、216頁。

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by daisenhougen | 2009-04-25 07:46 | 読書-詩歌小説評論他