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守屋省吾「オペラ中毒記」を読む

 守屋省吾「オペラ中毒記」(朝日新聞社)を読んだ。
 著者は中世王朝文学が専門の大学の先生のようで、趣味でオペラにのめりこんで、このような本をものにしたようです。
 毎年のようにウィーン、ミュンヘン、ニューヨークなどのオペラ劇場巡りをしているようで、オペラ三昧の生活みたいです。羨ましい限りですね。
 内容的には有名オペラの内容を紹介しながら、自分の思いを書くⅠ部と歌手についてのⅡ部に別れている。けっこう気配りの効いた構成です。
 でも、せっかく素人が書くオペラ中毒記なんですから、粗筋なんて無理に書いて欲しくなかったです。もっと独断と自分の好みを前面に出してほしかったです。
 でもワーグナー嫌い、新演出嫌いで歌手ではグルベローヴァとパヴァロッティが好きぐらいは伝わってきました。
 一番おもしろかったのは、Intermissionとして書かれた部分でした。この部分だけで一冊の本にしてくれた方が良かったかも。海外のオペラ観戦の顛末のディテールなどをもっと詳しく書いて欲しかったです。例えばウィーン国立歌劇場には全ての席に字幕用の液晶ディスプレーが装備されているなんてのは初めて知りました。羨ましいですね。日本でも是非導入して欲しいですね。

by daisenhougen | 2005-10-19 09:17 | 読書-詩歌小説評論他
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