昨日(11月3日)「シャン・テシネ」で映画「アワーミュージック」を見た。
2004年、フランス=スイス、監督・脚本:ジャン=リュック・ゴダール、出演:ナード・デュー、サラ・アドラー、ジャン=リュック・ゴダール、ロニー・クラメール。 今月の最初の映画に選んだのは、ゴダールの新作映画。観客はやっぱり中年男性が多かったですね。若いカップルはさすがに少なくて、映画を見る環境としては良い感じでした。 映画の画面サイズは相変わらずスタンダードサイズ。こだわりなんでしょうが、ワイドサイズが浸透しきった今では、このあたりは少し古めかしい印象を受けてしまいます。 ダンテの「神曲」の構成に倣い、第1部が「地獄編」でいろいろな戦争イメージが流れてのスタートです(全編見終わった後では、これが一番印象に残りました)。 第2部がこの映画の本編とも言うべき部分で「煉獄編」。ボスニアの都市サラエヴォにゴダールがやって来て大学で講義し、そこで女子学生オルガに会う。オルガを中心にゴダール流の様々なイメージや言葉が散りばめられて進行する。そしてオルガがイスラエルで自爆テロにまちがえられて射殺されるといった展開でした。 第3部「天国編」はオルガの死後のイメージなんだろうか。 アンチ・ハリウッド映画として、ことごとくマイナスのカードを出し続けた映画ですね(だから映画サイズも古めかしいスタンダードサイズなのかも知れませんね)。こういった形でしか、アメリカ支配の映画産業に対抗できないと、ゴダールは考えているのかも知れません。 でも、小生には、見終わってもこの映画についての明確なイメージを結ぶには至りませんでした。残念です。知的な方法意識ばかりが全面に出過ぎているのではないんでしょうか。何と言っても映像としてのインパクトが弱いです。
by daisenhougen
| 2005-11-04 23:14
| 鑑賞記-映画
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