昨日(11月13日)「横浜みなとみらいコンサートホール」で「オーケストラ・アンサンブル金沢演奏会」を聴いた。
演奏はエルヴェ・ニケ指揮オーケストラ・アンサンブル金沢、白井光子(Mez)、クリストフ・プレガルディエン(Ten)。 演奏曲目はモーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」序曲、交響曲第31番「パリ」K297、マーラー(シェーンベルク&リーン編):「大地の歌」。 今回の席は1階11列の右側でした。今年、4度目でそして多分、今年最後の「大地の歌」の演奏会ですので少々奮発しました。でも空席が少し目立ったのは残念でした。 先ずは口開けに、モーツァルトの2曲が演奏されました。曲目からも室内オーケストラでも充分楽しめました。かえってフル・オーケストラよりもふさわしいかも知れません。指揮者のエルヴェ・ニケさんは初めて聴く指揮者ですが、演奏ぶりは軽快でテンポも良く、好感の持てる演奏でした。変にもったいぶった演奏でないのイイですね。 休憩の後は、今回のお目当て「大地の歌」です。室内楽用に編曲された版での演奏です。ただ今回は弦楽器を増強しての演奏とのことです。ピアノなんかも登場して、一風変わった編成です。もちろん初めて聴く版です。 演奏の方は、一言で言えば、緻密な演奏とでもいうんでしょうか、今まで聴いたどの「大地の歌」とも違っていました。わざわざ弦楽器を増強してまで、室内楽版で演奏した意味がわかりますね。 金管楽器の奏でる華やかであるが、哀切な音色と人間の声の持つ強さと繊細さの落差を楽しむのが「大地の歌」の醍醐味と思っていました。 でもこの演奏は違いますね。徹頭徹尾、表現の繊細さで通していました。特に最後の楽章での白井さんの声とフルートとの絡み合いやヴァイオリンとの絡み合いの繊細な美しさは、本当に素晴らしかったです。こんな演奏聴いたこと無かったです。「大地の歌」にこういった演奏も可能なんですね。さんざん「大地の歌」を聴いた後に聴くような演奏ですね。でも小生には愉しめました。 ただ、最後の演奏が終わるか終わらないかの時にブラボーの蛮声が発せられたのは残念でした。繊細な演奏の余韻を楽しめない観客は困りものですね。
by daisenhougen
| 2005-11-14 09:04
| 鑑賞記-コンサート
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