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映画「TAKESHIS’」を見る

映画「TAKESHIS’」を見る_d0001004_1928272.jpg 昨日(11月20日)「上野セントラル」で映画「TAKESHIS'」を見た。
 2005年。日本。監督:北野武、出演:ビートたけし、京野ことみ、大杉蓮、岸本加世子、寺島進。
 ビートたけしが売れない自分に似た芸人に出会い、そこから妄想を広げて、自分の心象風景を描いた映画といったところでしょうか。
 非常に明快な映画ですね。題名の「TAKESHIS'」そのものですね。作者=北野武の心象風景をビートたけし(世界注目の芸人兼監督)と仮構の売れない芸人=北野(もしかしたら、こういう人生だってあったかも知れないたけし)を通じて重層的に表現しているんでしょうね。
 至る所で彼自身が抱え込んでいる「引っかかり」や「こだわり」を拡大したり誇張したりして、尖った表現で埋め尽くしていますね。
 観客(小生)にとっては無意味だったり、全く必然性の感じられない表現もいっぱいありますが、これはあくまでTAKESHIS'なんですから、しかたありません。
 でも孤独な映画ですね。詩的なものや思想的なもの、ましてや家族的ぬくもりや社会的な広がりからも全く断絶して、ひたすら表層的なものにこだわらざるえない、北野武そのものの孤独な表現ですね。
 時代遅れの劣悪施設「上野セントラル」が監督の意図したチープな作品世界と妙にマッチしていました。上映中に何度も人の出入りで光がよぎったり、極めつきはイビキまで聞こえてきたりしてましたから。小生もたけしワールドの住人になってしまった錯覚に陥ってしまいました。
 こういった映画が単館上映でなく上映されるのはすごいことですね。京野ことみ(小生、大ファンですが)のヌードぐらいでは、興行的には難しいでしょうけどね・・・。

by daisenhougen | 2005-11-21 19:27 | 鑑賞記-映画
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