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吉田孝「歴史のなかの天皇」を読む

 吉田孝「歴史のなかの天皇」(岩波新書)を読んだ。
 皇室典範の改正問題に対する岩波版便乗本ですね。でも岩波書店のプライドからかストレートな便乗本ではなく正攻法で攻めてきてますね。
 著者は日本古代史の先生ですが、今回はがんばって卑弥呼の時代から平成までを「天皇」を中心に通観した本になっています。
 一応、目次を写しておくと、序章 天皇は「王」ではない、1 倭王の時代、2 「王」から「天子・天皇・皇帝」へ、3 唐風の王権への模索と底流、4 東アジアの大変動と古典的な国制・文化、5 武家の台頭とモンゴルの襲来、6 近世の天子と将軍、終章 近代天皇制の諸問題、おわりに 国際的交通と天皇制となっています。
 そしてその歴史的記述の中で今回の改訂の争点である男系の問題、女性天皇の問題、養子の問題、外戚排除の問題などが歴史的文脈の中で論じてあります。著者も極力、便乗本を避けるように慎重にアジアとの関わりといった広い視点から論じることを努めているようですね。
 天皇家は男系で連綿と続いていると言ったところで、妾腹はもちろんのこと、何代も遡っての継承など、現代では実現不可能なことや、あんまり意味のない継承方法が使われてきたんですね。少し知識が増えました。

by daisenhougen | 2006-03-08 15:53 | 読書-詩歌小説評論他
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