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「図録 動植綵絵-若冲、描写の妙技」を読む

「図録 動植綵絵-若冲、描写の妙技」を読む_d0001004_21545081.jpg 「図録 動植綵絵-若冲、描写の妙技」(菊花文化協会)を読んだ
 「三の丸尚蔵館」では2冊の図録を販売していました。1冊が展覧会そのものの図録で、もう1冊が本書です。今回の展覧会は5期までありますので、手始めに本書のみ買いました。
 平成11年から16年にかけて実施した若冲の「動植綵絵」の成果を報告し紹介するといった内容です。
 辻惟雄・小林忠「動植綵絵の修理と経過-伊藤若冲の絹本着色画」、早川泰弘他「動植綵絵に関する彩色材料調査」、太田彩「伊藤若冲と動植綵絵」、同「若冲描写の妙技-動植綵絵の修理を終えて」の論文が収められています。
 修復の内容が詳しく述べられており、裏彩色といった若冲が使ったことが初めて判明した技法についても詳しく論じられています(裏彩色の写真まで載っています)。又、使用された絵の具についての分析結果も載っていました。修復の今を伝えてくれる内容ですね。 そして図録部分にはもちろん「動植綵絵」全30幅がすべて掲載されています。これは有り難いですね。一応全作品の名称を写しておきます。
 1「芍薬群蝶図」、2「梅花小禽図」、3「雪中鴛鴦図」、4「秋塘群雀図」、5「向日葵雄鶏図」、6「紫陽花双鶏図」、7「大鶏雌雄図」、8「梅花皓月図」、9「老松孔雀図」、10「芙蓉双鶏図」、11「老松白鶏図」、12「老松鸚鵡図」、13「芦鵞図」、14「南天雄鶏図」、15「梅花群鶴図」、16「棕櫚雄鶏図」、17「蓮池遊魚図」、18「桃花小禽図」、19「雪中錦鶏図」、20「群鶏図」、21「薔薇小禽図」、22「牡丹小禽図」、23「池辺群虫図」、24「貝甲図」、25「老松白鳳図」、26「芦雁図」、27「群魚図<蛸>」、28「群魚図<鯛>」、29「菊花流水図」、30「紅葉小禽図」。
 小生、恥ずかしながら、この図録ではじめて「動植綵絵」の全作を見ることができました。この色彩美には圧倒されますね。
 これから夏にかけて修復された作品を全作、間近に拝見できるんですね。ますます期待が高まります。この間に若冲について少し調べてみたいですね。

by daisenhougen | 2006-04-19 21:55 | 読書-展覧会図録
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